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2006年 5月 26日(金) 友引

国会

 教育基本法改正案で質疑に立つ

教育基本に関する特別委員会。質疑に立つ。

今から59年前、現行の教育基本法の審議において、議員から「公共心、道徳心、伝統や文化を尊重する心も解釈で読めることはわかったが、これでは一般の人にわかりにくいから、もっと具体的に書き込んだらどうか」、という指摘があった。

しかしこれに対し、基本法なので、具体的なことは書き込まず、解釈その他によって十分徹底することで対処したいと当時の大臣が約束した。

それから59年。

PTAが行なったアンケート調査によれば、教育基本法の中身についてよく知らないと答えた方が9割にも達している。客観的なデータが示す現行教育基本法の認知度を見る限り、原稿教育基本法の精神を徹底してこなかったことは明かである。

現行教育基本法の精神を徹底させると約束しておきながら、それを60年近くも放置しておいて、今国会では、今の子どもたちは公共の精神が足りないから、「今日特に重要な理念や原則」だと言って教育基本法を改正する。

自らの怠慢を棚に上げ、これまでの文部行政に対する検証を行なわないままに、過去の決定や方針をあっさりと覆す。そして過去の決定や方針と180度方向転換しておきながら、これまでの誤りを認めず、二つの方針には全く矛盾は無いんだと強弁する。

ゆとり教育や学力問題をめぐる文部行政の迷走はまさにこの検証不在の無責任体質にある。

今回の教育基本法改正を巡り、59年前の方針と180度違う方策を打ち出すのであれば、たとえ過去の「決定」がやむをえない、誤りとは言えないものだったとしても、少なくとも「執行」は間違っていた、決定の実施にうつした文部行政のやり方、とりくみに誤りがあった。このことを認めるべきではないか。

検証不在の文部行政が、多くの学校現場、そして子供達にさまざまな悪影響をおよぼしてきた。その深い反省こそが、教育基本問題の解決に当る出発点ではないか。

政府は、行政の無謬生を高らかに歌い上げ、時代背景が変わったから方針を変えるんだと主張する。考え方そのものに矛盾はないし、これまでの取り組みにも全く問題はなかったと言い張る。つまり過ちを認めるという小学生もわかるはずの道徳の基本が身に付いていないわけだ。

その最たる例が高松塚古墳の一件である。

壁画にカビを発生させてしまったこと、それが実は担当者が防護服を着ないで作業をし続けてきたことが原因であったこと、またカビの除去作業中に国宝の壁画を損傷してしまっていたこと、さらにその傷を隠すためになんと上から土を塗ってごまかそうとしたこと、またこういった一連の過ちを認めるどころか、隠蔽し続けてきたこと、壁画の劣化を指摘されたときに備えて、それは「経年による自然劣化」だと嘘の説明をする内部資料まで作成していたこと。こういったことが次々と明らかになっている。

これが道徳教育の必要性を説く文部科学省(その下部組織である文化庁)として正しい行動だろうか?

「過ちを認める。」そうした小学生に教えるべき道徳の基本がまるでそなわっていない。それどころかその過ちを隠し続けてきた。そしてあろうことか、壁画の劣化を指摘されたときにそなえて嘘の説明資料まで用意していた。そうした道徳心のかけらもない方がいらっしゃる文科省から、「今の子供たちは道徳心が欠けている」とおっしゃられても、「あんたに言われたかねえよ」というのが、人情というものではなかろうか。その意味で、説得力は皆無であるといわざるを得ない。

しかも道徳心を培うことを定めた同じ第2条には「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできたわが国と郷土を愛する」ことを教育の目標として定めている。

伝統と文化にカビを生やし、傷をつけ、泥まで塗ったのは一体どこの誰なのか。
文科省自身は伝統と文化をはぐくんできたわが国を愛しているのか?
ひょっとしたら愛してるふりをしてるだけではなかろうか?
伝統や文化よりも組織防衛を優先したのが今回の文化庁だったのではないだろうか。
愛よりもメンツというのが本心では、飛鳥美人があまりにもかわいそうである。

教育基本法に盛り込まれていたはずの精神をこれまで十分に徹底させてこなかった、旧文部省の怠慢こそが、今の子どもたちの現状を招いた。範となり、のり(法)を説くべき大人たちが、道徳心を欠いていた。そういった過ちを認める素直な心、深い反省なくして、うわべの言葉だけをいくらいじって教育基本法を改正したところで、そこには人を動かすだけの魂が込められていない。
そのことを強く指摘しておきたい。

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