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2007年 7月 7日(土) 先負 小暑

 イラク〜検証その4

郵政選挙が行われたときは、イラク戦争を支持し、自衛隊を派遣した政府の判断の是非が問われるべき絶好の機会だった。

しかし郵政民営化の○×の影にかくれ、こうした問題も含めて与党が信任を得たということになってしまったのではないか。

あれから約2年。

7月31日で期限切れとなるイラク復興支援特措法は今国会で2年延長が強行採決された。

なぜ航空自衛隊の派遣を続ける必要があるのか。
この活動は、人道復興支援活動と言われてきた。
しかし実際の現地での航空自衛隊の活動は、国連の救援物資の輸送ではなく、武装した多国籍軍兵士の輸送が大半であるとの指摘も行なわれている。
これは事実上武力行使と一体化した支援活動ではないのか。
我々民主党は事実を明らかにするよう、政府に対し再三にわたって情報開示を求めてきたが、法案審議の大前提であるこういった重要情報の開示はついぞ行なわれなかった。

現場で活動に当る自衛隊から久間前防衛大臣に対しては、「日ごとに活動の危険性が増していることが分っていらっしゃるのか。このことも配慮して欲しい」という痛切な要請が行なわれているとの新聞報道もあった。

果たしてこのような航空自衛隊の活動が、人道復興支援という当初の目的にかなっているものになっているのか。武器使用の制限がある中で、現場で活動に当る航空自衛隊委員の生命が危険にさらされることは、隊員ご本人、そしてご家族にとっても本当に好ましいことなのか。こういった検証は全く行なわれていない。

そもそもこのイラク戦争自体、国連憲章に照らしてどうだったのか?
政府がこの問題について真摯な反省、検証を行なった上での特措法延長、つまりは航空自衛隊の派遣継続だったとは到底思えないと考えているのは私だけではないはずだ。

2006年9月、アメリカ上院の情報特別委員会が「旧フセイン政権とアルカイダの関係を裏付ける証拠はない」という報告書を公表し、開戦の正当性が根底から揺らぐ結果となった。

すでに2年半前(2004年10月)にも、アメリカ政府調査団は「開戦時にはイラク国内に大量破壊兵器は存在せず、具体的開発計画もなかった」と結論づけた最終報告書を米議会に提出すみだが、今回の上院の情報特別委員会の報告書でも「少なくとも1996年以降、大量破壊兵器は存在しなかった」と結論付けている。

つまり、イラクは、アルカイダとは無関係であり、大量破壊兵器も存在していなかった。アメリカのイラクに対する攻撃は、国連憲章で自衛権の発動が認められているような正当防衛でも緊急避難でもなかったわけだ。

しかも当時IAEAの事務局長は査察を続けるべきだと主張し、安保理でも武力行使を認めるべきではないという議論が行なわれていた。

にもかかわらず攻撃に踏み切ったアメリカを我が国は支持し、憲法の議論を避けて、守れないことが分っている法律を根拠に自衛隊を派遣してしまった。

イラク戦争開戦(03年3月)以来アメリカ兵の死者は(911の犠牲より多い)3500人を超え、NGOの発表ではイラクの民間人犠牲者は約6万人とも言われている。

アメリカ国内でもイギリスでも、やはりイラク戦争は誤りであったという声が時が経つに連れて大きなものになっている。
ブッシュ大統領の支持率はついに30%を割り込み、イギリスのブレア首相は退陣した。

ひるがえって、我が国ではどうか。
昨年の教育基本法改正を巡り、子供の道徳をやかましく言ってきた自称保守派の人達が、大義のない戦争を支持し、結果として数万人もの罪なき市民の命が奪われるのを許し、看過してしまったこのことについての我が国の道義的責任、国家が示すべき道議には極めて無頓着であることが、私には不思議に思えてならない。

自衛権は個別であれ、集団的であれ、各国に認められるけれども、あくまでも抑制的に考えるべきで、国際平和を担う主要な手段はあくまでも集団安全保障体制にあるというのが国連憲章の一つの基準ではないか。

イラク戦争を支持したことは、その国連憲章とは全く逆方向の、他の国にいいがかりをつけて、私的制裁・リンチを加えるという行為の合法化を、結果として追認してしまったことになった。

北朝鮮の核開発にあたり、国連憲章にもとづく制裁に期待するなら、平素から国連憲章という国際社会のコンセンサスをふまえた外交を展開しておかなければ、ご都合主義のダブルスタンダードとのそしりは免れないし、筋を通す国と認めてもらうことは困難となる。

そのことが、むしろ国際社会において、日本にとっての潜在的な敵を増やすこととなり、自国の安全に関するリスクをむしろ増やしてしまうことにもなりかねない。

筋の通った毅然とした外交を展開していくために、夏の参議院選では、イラク戦争を支持した自公政権の判断はやはり誤りであったとNOを突きつけることのできるチャンスだ。

国民の生命と財産を守り抜いていくために、国際社会において日本の潜在的な敵を増やしてしまいかねない場当たり的な外交は根本的に転換していくべきだ。

筋の通った外交、毅然とした外交を展開していくために、他国と共生しながら、我が国の国民の生命と財産をしっかりと守り抜いていくために今後とも私たち民主党の活動にご理解とご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げる。

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