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2008年 2月 13日(水) 先勝

国会

 甘い推計

政府が暫定税率維持の根拠に上げている道路整備中期計画。10年で59兆円もの道路建設を行なおうとしている。

小泉さんが「計画中の道路の一時凍結」と言っていた時代も今は昔、高速道路は結局全て造ることとされ、20年以上も前に立てられた1万4000キロの高規格道路網計画が復活した形となっており、賞味期限切れの道路計画の感は否めないと以前書いた。

計画の下になっている交通量予測もとっくに賞味期限切れだったことが発覚した。

12日の予算委員会。馬淵議員の質問だ。

今回の道路整備中期計画のもとになっているのは、2020年度まで交通量が上昇し続けるとした02年度に国交省が作成した推計だ。

しかし実際には、国交省の「自動車輸送統計年報」などによると交通量は04年度から減少に転じていることが明らかになった。つまり、「2020年度まで上昇し続ける」とした国交省の推計はとっくに賞味期限切れだったわけだ。

02年度作成の国交省推計と実績との乖離はその後も進み、06年度の交通量実績は国交省推計を5.8%も下回っていた。

となれば当然、今後の道路計画のベースとなる将来の交通量予測は早急にやり直しを行なうべきだ。

実際、新推計は、国交省自ら所管の財団法人に発注して、07年3月に発表されていた。
1億円もの税金がこの新推計作成に使われた。

これによれば今後交通量は上昇するものの、2020年度にようやく02年度の実績程度にまで回復するに過ぎないことが明らかになっており(03−06年度の減少トレンドから見ればこれすら怪しい気もするが少なくとも直近実績も勘案した推計である)、2050年度時点では新推計と国交省推計の乖離は15.6%にも及んでいる。

つまり政府は、直近の実績が過去に作成した交通量推計を大きく下回り、それを補うはずの最新の推計も税金を投入して自らの所管財団法人に作成させていたのに、あえてそれを無視して、賞味期限切れの交通量予測をもとに道路整備中期計画を策定し、10年で59兆の道路建設の必要性をうったえているわけだ。これはある意味で確信犯的な水増し請求にも等しい。

私が思い出したのは4年前の年金改正だ。

04年の年金改正の際に、政府は03年の出生率が1.29となり、年金改革案がベースとしていた予想出生率1.32をすでに下回っていたのに、それを隠して強行採決をした。

出生率が2007年に1.306で底を打ち、今後50年かけて1.39へと回復するというのが、給付水準50%を維持するための大前提だったから、この前提が法律を審議している段階で早くも崩れ去ってしまっていたわけだ。

下がるということは、支え手がこれまでの予想より減るということだから、負担が変わらなければ、給付水準を下げなければならないし、逆に給付水準を維持しようとすれば、負担を引き上げなければならない。つまり年金法改正は本当に通してしまっていいのか、こんな改正案でよいのかを議論するうえでは極めて重要なデータだったわけだが、政府は最新のデータを明らかにせぬまま強行採決した。

今回の交通量予測も同じだ。政府が暫定税率維持の根拠にしている10年で59兆円という道路整備中期計画の大前提は、2020年度まで交通量が上昇し続けるというものだ。
ところが実際には交通量は04年度からすでに減少に転じており、直近06年度では国交省推計を5.8%も下回っていた。道路整備中期計画の大前提はとっくに破綻していることが誰の目にも明らかになったわけだ。

しかもその最新の推計はほかならぬ国交省自身が自らが所管する財団法人に対して発注したものだ。

1億円もの税金まで使われている。

にもかかわらずそれを無視して、不都合な真実を隠して、賞味期限切れの交通量予測をもとに今回の道路整備中期計画を策定した。国会でそれを追及されても、最新の推計は完成品ではないと開き直っている。最新のデータ、最新の推計に基づく計画見直しの必要性は明らかだ。

職員宿舎、公用車、マッサージ機、カラオケセット。道路特定財源で社保庁の年金流用と同じようなむだ遣いが行なわれていた。

また、道路特定財源は国交省OBの天下り先への随意契約の元手としても使われていた。年間700億。恒久的減税であったはずの定率減税があっさり全廃される一方で、暫定のはずの高い税率が天下り先の確保、維持のために何十年と続いてきたわけだ。

国会での施政方針演説で、福田総理は「国民本位の行財政への転換」を訴えた。自公政権のもとでの行政は国民本位ではなかった。国民は不本意だった。そのことを総理自ら認めたわけだ。

ではこれからは変わるのか。高いガソリン税も、道路利権も、「離れですき焼き」の特別会計も、全部「そのまんま」にされようとしている。流用、むだ遣い、天下り、データの隠蔽、甘過ぎる推計。4年前の、年金のときと同じ構図だ。

国民不本意な行政はそのまんまじゃないか。そう思うのは私だけではないはずだ。

年金から道路へと所を変え、不都合な真実を隠し、とんでもない法案を無理やり通すという手法が繰り返されようとしている。到底容認できるものではない。

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2008年02月28日 12:37
ちょっと待った!「修正に柔軟」?ならば・・・ from じぇーりっさん!
メッセージ

郵政民営化のときにもそうでしたが、今回の道路特定財源に関しても
同じことが起きていると思います。
それは、「善か悪か」という構造が作り出されていることです。

郵政選挙の時には「改革続行は善か悪か? 改革のための郵政
民営化は善か悪か?」というフレーズがありました。
今回も、東国原宮崎県知事のような支持率が高い方が「地方に
道路は必要。道路特定財源も必要」と言い、それに対するのが
民主党となっています。
これでは「地方に道路は必要。特定財源も必要」という意見が「善」、
対する民主党が「悪」という構造になっているように思います。

「善か悪か」という構造はわかりやすいかもしれませんが、本質は
見えてきません。
今回は「道路特定財源の善か悪か」ではなく、「中央集権か地方
分権か」という構造ではないでしょうか。
地方のインフラ整備を国からの補助金ではなく、地方が自由に使える
財源を持つという、地方分権に向けての大事な分かれ道です。
地方によって、道路整備だけではなく、医療・福祉・子育て・教育・
農業・観光・産業など、優先的に取り組みたいことは違って当然です。
そうした意見を持つ首長がおられたとしても、国の政策に反対する
立場をとればどうなるかは、岩国市を見れば明らかでしょう。

自分たちの地域・地方のことは、自分たちで考え決めていくことが
できるように。
国に依存するのではなく、地方が自立できるように支援する政策を
すすめてほしいと思います。

Posted by: amimo : 2008年02月21日 13:06
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