NHK総合で6月24日(木)の19:00から放映されたニュース7「参院選特集:5党党首に問う」における岡田代表の発言録。
1.民主党はどのような位置付けで戦っていくか
今回の選挙は、小泉改革3年の評価・結果が問われるということが一つ。そのなかでも特に年金問題が問われる。私たちは改悪と断じているが、これに関して国民の怒りをしっかり表していただく。そういう選挙になると思っている。
2.岡田代表の持ち味と、民主党が目指す社会像とは
結党から6年たって、人材も育った。政策もそろった。いつでも政権交代が可能と思っている。昨年秋の総選挙では、比例で2,200万票頂いて第一党になった。次の総選挙で政権交代を果たすことが責任だと、民主党は思っている。私たちが目指すのは、まずこの国の置かれた状況について、しっかり改革していくこと。高度成長期にできた今までの中央集権の体制をしっかり壊して、民間に出来ることは民間で、地方で出来ることは地方で、そういった分権の方向に強力に推し進めていく。これが最も大事だと思っている。小泉さんのもとでは出来ない。結局自民党の政権だから、いままでの既得権、利害関係、そういったもので身動きが取れなくなっている。私は「小泉さんの下で改革が進んだ」と思っている人は少ないと思っている。道路公団の民営化がその典型。「無駄な道路を作らない、バブルや高度成長の時期に作った大きな計画を、もう1回見直さなければいけない」。そういったことで始まった道路公団民営化議論が、結局、殆どすべて、計画された道路を作ることになってしまった。自民党道路族に負けてしまった。族議員を抑えきれない小泉さんに本当の改革が出来るはずがない。そう思っている。
大事なことは、小泉改革が進むなかで、例えば所得の格差が広がっている、中間層の厚みが失われている、そういう新しい問題が発生していると思う。社会的公正という言葉を私は使っているが、所得の分化の問題、あるいは将来世代につけを回す問題。そういったことに政治がもっとしっかり取り組まなければいけない。
3.なぜ年金を最大の争点にしているのか
6割7割、あるいは8割の人が中身、やり方のいずれにも反対している。まず中身については、持続可能な改革ではない。少子高齢化のなかで、若い人の負担に限界がきている。今回の改革は、数年すればまた保険料を上げて給付を下げることの繰り返しになるだろう。そうではなくて、キチンと財源を別に手当てして、持続可能な改革をしなければいけない。
4.民主党は一元化を主張している。実際は理想に近いのではと見る向きもあるが、実現できるのか
国民年金加入者の保険料は上がるかもしれない。でも給付も増える。いまの国民年金の水準では、事実上カツカツの生活しかできない。意味のある年金制度になるのだから、保険料が上がったとしても、それ以上のプラスがあると思う。所得捕捉、納税者番号の問題は、…小泉総理はハッキリ言わなかったが…、キチンと払うべき税金を払うのは当たり前のことだと思う。私は、自営業者のなかで「税金をごまかして払わない」人は、ほんの一部だと思う。そういう人を許すことが問題。やはりお互いが支えあっていく、払うべき税金を払う、そういう社会を目指したい。
5.三党合意を民主党が積極的にはじめて、議論を民主党がリードしていくつもりはないのか
小泉さんが三党合意を持ち出すのは、選挙が近くなったから。政治的な発言だと思う。本気でやる気があるなら、国民年金を含めた一元化で、小泉さんもそれが望ましいと言われているのだから、どうして自民党内をまとめられないのか。党内をまとめずして議論を始めても、結局は先送りされるだけだと思う。小泉さんの発言で最も疑問なのは、社会保障全体を見直そう、などと、どんどん土俵を大きくしていること。土俵を大きくして「いつまでにやるのか」と言ったら「3年後だ」と。3年後、小泉さんは総理じゃない。1、2年でキチンと結論の出る土俵を設定して、自分がキチンとやりぬくんだ、総理としてやっていくんだ、という言葉がなければ、本気でやっていくという姿勢は感じない
6.岡田さんは高齢者医療や介護を含めた財源のあり方をどう考えるか
小泉さんは「全体を議論しよう」と言うが、健康保険を3割負担に上げたとき「高齢者医療をキチンとする」と言っておきながら、現実には進んでいない。具体的な改革を先送りするために「全体像を議論しよう」と言って土俵を広げて逃げているのだと思う。
私はまず、年金をキチンとする、年金消費税ですべての人が一定度の最低保障を受け取れる、というのが大事。いまは無年金者がいるし、これからも増えていく。無年金者、無収入の高齢者の方がいるなかでの高齢者医療、介護というのと、すべての人が最低保障を受け、医療費の自己負担ができるなかでの高齢者医療、介護というのでは、仕組みが全然変わってくる。だから、順序として、まず年金の問題をしっかりするよう考える。
7.自衛隊の多国籍軍参加について、民主党はどういうスタンスを取っているか
現状で多国籍軍に参加する形で自衛隊を出すことには反対。国連の一致した決議があると言うが、現実にはフランスやドイツは参加していないし、スペインをはじめオランダも帰ると言っている。決議が一致していても、当然に自衛隊を出すということにはならない。日本には憲法も法律もある。そのなかでどうなのか、と問われている。従来の我が国の政府見解は「多国籍軍への参加は憲法に違反する恐れがある」であり、これを転換したのなら国会でキチンと説明すべき。
民主党の立場は、まずイラク国民の作った政府が派遣を求めることが第一条件になる。いま暫定政府で、これから選挙がある。選挙を経て、イラク国民による政府が派遣を求めることが第一条件。次に非戦闘地域と戦闘地域の線引きが曖昧で、憲法の禁じる武力行使に抵触しかねない状況から治安が安定すること。治安の安定後、多国籍軍として出すのか、イラク政府と協定を結んで出すのか、PKOとして出すのかは、状況によって決めればいい。
8.菅さんは「新たな国連決議が出来たら多国籍軍への参加をしてもよい」としていたが、いまの姿勢と矛盾していないか。
全く矛盾しない。いまは戦闘地域と非戦闘地域が分けられない状況になっている。この状況での自衛隊派遣が武力行使の恐れありとして憲法に違反する、ということは一貫して述べている。国連決議はできたが、治安の状況は変わらない。菅さんは、それを前提にして話した。
9.小泉政権は、現実的な判断として多国籍軍参加を決めたと思うが、岡田さんもそういう選択肢を検討したことはないか
いまの戦闘地域と非戦闘地域が分けられない状況では自衛隊派遣は出来ない、これは一貫している。また、人道復興支援と言うが、現実にファルージャで戦闘をする米兵を運ぶ任務をしている。事実上多国籍軍に組み込まれるのに、その説明は全くない。そういう意味で大変問題があると思っている。
10.小泉総理の北朝鮮政策をどう評価するか
5人の家族が帰ってきたことは本当に喜ばしいと思う。ただ、総理が行くのであれば、行方不明者や特定失踪者に関して、腰を据えた議論をすべきだった。核問題は日本自身にとって最大の問題だが、もっとしっかりした交渉をすべきだった。
11.岡田さんが総理だったら、金総書記にどう交渉を持ちかけるか
10人の調査結果を早く出せ、と強く求める。経済制裁、船舶の入港禁止措置などの発動には慎重であるべきと思うが、ただ、みずから「しない」と言い切ってしまっては交渉にならない。
12.今回の選挙の手ごたえは?
手ごたえはある。今日の演説でも多くの人が手を振ってくれたし、それと、秋の総選挙のときと比べて、握手がとても強いと感じた。なかなか手を離してくれない。
国民の皆さんは年金の問題、あるいは今の小泉さんのやり方に対して「何とかして欲しい」と思っていると思う。「民主党に頑張ってもらいたい」と思っていると思う。だから、しっかり頑張って、自民党以上の議席をとりたいと思う。
13.地方では自民党の牙城が強い現実がある。今回は克服できそうか
国民の皆さんの意識も変わってきていると思う。民主党は従来の保守とか革新という範疇で考えるのでなく、国民政党、日本の政治の本流を目指していく。そういう意識で都市部でも地方でもしっかり戦っていきたいと思っている。
14.民主党はそれぞれの出身母体の違いから、安全保障などで党内がなかなかまとまらないことがあったが
安全保障問題で、それほど幅があるとは思っていない。議論していくなかでまとまると思う。出身母体について言うつもりもないし、言うべきでないと思っている。お互いに小選挙区で勝ってきた政治家、国民に選ばれた政治家として、キチンと議論すれば必ず合意できる。