二〇〇四年七月二日 金曜日

岡田代表会見 [岡田代表]


全国各地を行脚する岡田代表が久しぶりに党本部での会見を行いました。
写真をクリックするとビデオでご覧いただけます。要Windows Media Player。
内容
○参院選:9日間で19都府県で遊説、今後も1人区を中心に民主党支持を訴える
○自衛隊撤退:イラクの現地情勢、議論なき多国籍軍参加など憲法上の疑義
○東京選挙区:見通しははっきりしないが、2議席確保の手応えはある
○比例区:各候補者が自分の名前を書いてもらうため地道な努力をしている
○曽我さん:家族との再会は喜ばしい、しかし本質的な問題解決には至っていない
○民主党は、公共事業費のさらなる削減などによって政府より早い財政再建を主張
○一般論としてゼロ金利や量的緩和は正常化すべきだが、微妙な舵取りが必要
○選挙結果を踏まえ政府・与党に年金法案の撤回を、できなければ解散を求める
○自公両党は追加マニフェストで年金抜本改革の方向性を
○投票率:政治を変えるには国民1人ひとりの1票しかないことを訴えていく
○交渉・説得のうえでの自衛隊撤退で日米関係が壊れることはない

岡田克也代表/定例記者会見要旨
2004年7月2日(金)
編集・発行/民主党役員室

★会見の模様は民主党ウェブサイトでもご覧になれます。
300k → http://asx.pod.tv/dpj/free/2004/20040702okada_v300.asx
56k → http://asx.pod.tv/dpj/free/2004/200400702okada_v56.asx

■参院選の手応えと今後の展望

【代表】選挙期間中は、それぞれの地域で記者会見をなるべく行うようにしていますが、同行できる方も限られていると思いますので、今日はこういう形で、党本部で会見を設定させていただきました。

 私から申し上げることは、ちょうど公示から中間地点、折り返し地点ですので、9日間で19都府県を回ったということのようです。一生懸命回ってますので、こちらは数えていません。数えていただくと、こういうことのようです。

 初日、2日は新幹線沿いに東海道・山陽道と大都市を中心に回りましたが、それ以降は基本的に1人区、単独区を中心に回っています。それぞれ激戦区ですので、回っていてもその大変さということが、非常に感じられるわけですが、これからも基本的には1人区を中心に、それに加えて2人区の中で、やや心配もある群馬とか新潟とか静岡とか、そういうところも含めて、あとは1人区中心に回っていこうと思っています。

 そよ風が吹いていると申し上げましたが、基本的な認識としては年金の問題や多国籍軍への自衛隊の参加の問題、あるいは総理の今までの心のこもらない答弁に対する有権者の怒りということは感じます。

 ただ、それが民主党の支持につながっているかと言えば、まだ、そこまでの手応えは、私は持っていませんので、これから何とかして、残る毎日毎日を、今の政治に対して不満を持っておられる、批判を持っておられる皆さんが、民主党にご期待いただける、民主党に対して投票していただけるようにしていくことが、一番求められていることではないかと思っています。

 そのために、小沢さんや藤井さんや菅さんや鳩山さんやいろんな方に、全国を回っていただいていますが、そのことに感謝しながら、私自身も精一杯頑張っていきたいと思っています。

<質疑応答>

■イラクからの自衛隊の撤退

【外国紙記者】自衛隊について伺いたいんですけど、自衛隊をイラクから撤退させるということは、今回の公約なんでしょうか、今回のマニフェストに掲げているのか、教えてください。

【代表】我が党は、多国籍軍への自衛隊の参加は現時点では認められない、撤退させるべきだと、こういう見解です。

 理由はいくつかあるんですが、1つは、多国籍軍の前の状態ですね、これについても我々は自衛隊の派遣に反対をしてきたわけです。

 理由は、日本国憲法は、武力行使との一体化につながるような行動については、これを禁止しています。

 今、自衛隊が展開している地域、非戦闘地域という前提で、武力行使との一体化が生じないというのが政府の説明ですが、我々は今のイラクの状況は、戦闘地域と非戦闘地域を分けることはできない、どこにテロが起こっても不思議ではない、したがって、今、自衛隊をイラクに置いておくということは、憲法が禁ずる海外での武力行使、あるいは(武力行使との)一体化につながりかねない状態である、したがって認めるわけにはいかないということが最大の理由です。

 加えて、多国籍軍に自衛隊が参加するということは、従来の政府の説明では、憲法上の疑義があると説明してきました。

 それが、国会での何の説明もなく、アメリカで総理が協力を表明し、そして閣議決定をしました。与党の中ですら、説明が十分ではないという批判が上がっているぐらいで、こういう方針の大転換は、きちんと国会で議論をされるべきだと、そういう意味でも問題があると考えています。

■東京選挙区の情勢

【記者】東京選挙区で民主党2人の候補を出しておられますが、東京選挙区の情勢をどのように見ていらっしゃるか、お答えをいただければと思います。

【代表】東京は今、混戦、激戦ですね。有力な方がたくさん出ておられますので、まだ民主党にとって、見通しがはっきり申し上げられる状況ではないと思います。しかも二人出してますので、余計そういうことだと思います。

 ただ、手応えは感じていますので、これから残された1日1日を努力するなかで、私たちとしては2議席獲得に向かって、一生懸命努力をしたいと考えています。最終的には、有権者の皆さんの判断というもの、きちんとした判断が示されると期待しています。

■比例区の候補者の浸透度

【記者】比例区のここまでの戦いぶりを伺いたいんですが、自民党は竹中さんによる大量得票を狙っているようですけれども、比べまして民主党は、いわゆるタレント候補というものは見当たらずに、今回、1人ひとりの知名度という点でどうなのか、ということが気になるんですが、自民党と比べて、改めて民主党の比例候補の名前の浸透度とか、どうご覧になりますか。

【代表】比例区は政党の名前を書いてもいいし、個人名を書いてもいいわけで、それぞれの候補者が自らの名前を書いてもらうように、随分努力をしていただいていると思います。

 昨日も、三重県で喜納昌吉候補とお会いしましたし、各地区でブロック重点候補も含めて、比例の皆さんが懸命に努力されてる姿を眼にしています。しかし、同時に政党名ということも大事ですので、私はできるだけ政党名を申し上げることにしています。

 時々、選挙区の候補者を応援するのに一生懸命のあまり、比例区の話をするのを忘れてしまうんですが、私は比例の部分について、きちんとした結果は出るのではないかと期待しています。

 竹中さんについては、いろんな評価があると思いますが、他党のことですから、私から特にコメントすることはありません。

 地道な努力ということが求められていると思っています。

■曽我ひとみさんと家族との再会

【記者】インドネシアで、まだ時期が確定していませんが、曽我ひとみさんがご家族とお会いできるようになったということですが、政府・与党側は、今までの首脳外交の成果であるとか、対話と圧力の成果であるとか、盛んに強調しますけども、再開するということの受け止めと、与党側のそういう宣伝にはどう反論されますか。

【代表】曽我さんがご家族と会える、1年以上離れ離れの生活だったわけですから、会えるということは、本当に喜ばしいことだと思っています。

 ただ、これでこの問題が本質的に解決したわけではありません。つまり、一時的に会えるとしても、例えば、これで日本にご家族そろって戻れるということではもちろんありません。

 本来であればアメリカとの間で、日米同盟、日米同盟と言うのであれば、きちんと話ができないものかという気がしますが、そういう意味で、政府にさらなる努力を求めたいと思います。

 今回のことは嬉しいことではありますが、問題の本質的な解決にはなっていないということだと思います。

■民主党の財政・金融政策

【記者】マニフェストに関してというか、経済政策についてお伺いしたいんですが、財政政策についてマニフェストの中でプライマリーバランスを早期に実現させると言っていますが、政府は2010年代初頭に、プライマリーバランスを実現させると言っていますが、この辺の財政政策における政府との違いについてが1点と、金融政策については、ゼロ金利、量的緩和という異常な政策をできる限り早く終息させるとありますが、景気も回復基調にありますが、例えば舵を切ったほうがいいとか、ご意見をお願いします。

【代表】財政政策については、我々が申し上げていることは、今年度の予算の組み替えも主張したわけですが、より効率的な財政配分に変えていくと。

 もっと具体的に言えば、公共事業をさらに削って、それを例えば、雇用の問題とか社会保障の問題とかに振り替えていくという具体的な姿を示して、今年の予算委員会でも主張をしました。

 小泉さんは公共事業を増やさなかったということを、非常に誇っておられますが、私に言わせれば、もっともっと効率化できるはずであると思っています。そして、そのことにより、有効的な方法に近づけていくと。

 同時に財政の立て直しの話、急速な歳出の削減は、景気に対してマイナスに働く部分もありますから、そういう意味では、我々は今まで組み替えを要求してきました。

 財政の規模を変えずに組み替え、あるいは少し減らす、というのが今年の結論だったわけですが、そういう意味では、政府よりもプライマリーバランスについて、早くその状態に持っていくべきだという考え方です。

 しかし、現実を見ると、政府の見通しは非常に甘いですので、今の政府のやり方でマニフェストに書かれたようなタイミングで物事が進んでいくとはなかなか思えません。金利も上がっていけば、税収増を相殺するぐらいの国債費の増につながっていきますから、そう簡単ではない。

 そういう意味では、公共事業の削減や、それから国家公務員の人件費の削減ですね、そういったことがもっとしっかりなされなければならない。

 政府の国家公務員の定数削減は、結局、ネット(増員と減員の差し引き)では減ってませんからね。減らしている、減らしていると言っても、その分増やしてますから、結果的には変わってないので、この辺にも、小泉改革のいい加減さが如実に表れていると思います。

 金融政策については、日銀の専管ですが、したがってタイミングその他について、政党が言うことは、なるべく慎重でありたいと思います。

 ゼロ金利あるいは量的緩和ということが、目一杯来ていることは事実で、これ以上の金融政策は、なかなか取るべき手段がないということですから、そういう意味では、金融政策の自由度を高めるために、もう少し早く正常化したほうがいいと、一般論としてはそう言えると思います。

 ただ、これは経済の状況と微妙に絡みますから、そういう意味で、今すぐ量的緩和を止めるべきだ、ゼロ金利を止めるべきだ、そういうふうに申し上げるつもりはありません。

 非常に微妙な舵取りが求められている時期に来ていると思っています。長期金利もかなり上がっています。

■九州地方における「風」

【記者】明後日の選挙サンデーに、代表は九州にお入りになるように聞いていますけれども、これまで民主党が、非常に最も弱い地域と呼ばれてきましたけれども、今回、少し風が吹いているようにも感じられるのですけれども、現状の認識と手応えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。また、風が吹いているとすれば、その要因は何であるとお考えでしょうか。

【代表】私は、風の問題ではないんだろうと思います。民主党に風が吹いているというよりは、やはり候補者が非常に頑張っている、いい候補者を立てることができた、とういことが非常に大きな要因だと思います。

 それプラス、年金の問題や多国籍軍への自衛隊参加の問題で、政府に対する批判が非常に強い。我がほうは、農業の再生プランとか、いろんな政策を具体的に準備したと。そういうトータルななかで、九州においていくつかの選挙区で、いい戦いができていると思います。

 全体で自民党が上回る議席には、やはり九州、沖縄でも、1人区でかなり勝たなきゃなりませんので、頑張りたいと思います。

■自身の責任ライン/選挙後に与党に求めること

【記者】仮定の仮定の話ですが、結果によってはですね、ご自身の責任が生じる議席のラインがおありになるかということが1点と、今、そよ風が吹いているとおっしゃいましたが、自民党を議席で上回った場合、あるいは与党を民主党単独で上回った場合、当然、年金問題、イラク問題がありますので、早期の解散・総選挙を求めていくということで、よろしいでしょうか。

【代表】選挙結果に基づいてまずやるべきは、年金の白紙撤回ですね。もちろん、自衛隊の撤退ということも、議論になります。

 選挙結果を踏まえて、まずそれを政府・与党が自ら決断できるかどうかということだと思います。その決断を迫っていくということですね。それができないときに、当然、解散・総選挙を求めていくということになります。

 それから、責任ラインということですが、私は数字を挙げて言うことは、あまり意味がないと思っています。私自身の出処進退は、民主党が次の総選挙で政権を取るために、一番いい形で一番いい人がトップを務めればいいと、常にそう思っています。

■年金法案の撤回と与野党協議

【記者】年金の白紙撤回を求めていく具体的な手段として、すでに成立している年金改革法案に対して、民主党としては、次の国会で民主党が法案を提出するとか、具体的な方法についてはどうでしょうか。

【代表】法案を具体的に提出することになると思います。ただ、単に提出して、それで否決されたでは済みませんので、提出するだけではなくて、それが現実化するように、そして、一旦白紙撤回させたうえで、抜本改革の議論に入っていけるように頑張らなければいけないと思っています。

 今日の、日本テレビの党首討論でも申し上げましたけども、私は抜本改革について、与野党で話し合うことについて、それを否定しているものではありません。

 ただ、その中身が本当に意味あるものになるためには、いくつかの問題について、つまり国民年金を含む一元化、その前提となる納税者番号制、そして消費税の扱い、こういったことについて、是非この選挙の最中に与党として、つまり自民党、公明党それぞれ、きちんとした方向性を出してもらいたい、追加マニフェストで出してもらいたい。

 何もなくて議論しましょう、議論しましょうということでは、これは単なるアリバイ工作をしていると言われても仕方がないと思います。選挙が終わってから、抜本改革していくためにも、きちんと方向性が出ていることが必要だと、基本的にそう考えています。

 私が約束違反をしているという批判を、安倍幹事長などはあちこちでしていますが、とんでもないことだと思います。私は、3党合意を否定していませんので、抜本改革を議論しようという前提で、しかし、それをきちんと行うために、当然のことながら公党として方向性を出す責任がありますよ、ということを申し上げているわけです。

 それをまとめる力がないことを誤魔化すために批判していることはとんでもないと思いますね。

■投票率の見通し

【記者】選挙公示前から、代表がしきりにおっしゃってる投票率のことなんですけれども、手応えというものは、どんなふうに見ていらっしゃいますか。期待があればそれも教えてください。

【代表】何度も申し上げてますが、私は数字は申し上げません。それ言ったから実現するなら喜んで言いますがが、それは当てずっぽうで言うしかないわけですから、申し上げません。高ければ高いほどいいと思っています。

 具体的に投票率が上がりそうか、下がりそうか、手応えはまだ分かりません。これから、まさしく残された1日1日しっかり訴えていくなかで、何とか引き上げていきたいと思います。

 いろんな場で申し上げていますが、政治に対して白けていては絶対に政治は変わりませんので、政治を変えるのは国民の皆さん1人ひとりの投票だと、このことをしっかり訴えていきたいと思います。

■自衛隊撤退による米国との軋轢

【記者】オーストラリアの野党も、部隊を撤退させたいと思っているのですが、アメリカ政府から批判を受けました。自衛隊の撤退について、そのような懸念とかはありますか。

【代表】当然、勝手に撤退するわけではなくて、交渉するなかで、いろんな交渉をしなければいけないと思いますね。なるべく留めたいという気持ちが、アメリカ政府、ブッシュ政権にはあると思います。

 しかし、そういうなかでも政権交代することによって、スペインはすでに撤退しましたし、これからオランダも来年3月までということも言われてますし、そもそもカナダなどは隣国でありながら出してないわけですね。

 それはまさしく、主権国と主権国としての交渉、そして最終的には主権国の判断ですから、アメリカがどういう考え方を持ったとしても、最終的に日本がこういうふうに決断したと言えば、それはアメリカから、それ以上にどうこう意見が出るはずはないと、思っています。

 日米関係それで大丈夫かという議論もありますが、それで壊れるような同盟関係、それならそれで本来の同盟関係とは言えないだろうと思います。

 日本としてできる貢献、教育の問題、あるいは警察官のトレーニングとか、あるいは教育とか医療とか、そういうことについて日本なりの貢献をしていくということで、ご理解、納得をいただくと、そこに尽きると思います。

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編集・発行/民主党役員室
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-1
*会見の模様は民主党ウェブサイト〈http://www.dpj.or.jp〉でもご覧になれます。
*掲載内容を故意に歪める形での再配布はご遠慮ください。
 Copyright(C)2004 The Democratic Party of Japan
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18:30 | 掲載者:井山
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