今日は国会における法案成立までのプロセスを一通りご紹介します。
スポーツの試合に例えるならルールの説明ですので、少々つまらないですがお付き合いいただければ幸いです。明日以降はプレーヤーである与党、中央省庁、野党のそれぞれの立場からみた試合(法律ができるまで)をご紹介する予定ですので、ルールがわかっていると試合の様子がよくわかるはずです。
法律案が国会に提出されてから後の、法律ができるまでの流れを示したのが次の図です。
(参議院ホームページより)
■法案が提出されると委員会に付託されます
法律案は通常、まず衆議院議長に提出され、法案の内容に応じて委員会に付託されます。わかりやすく言えば「割り振り」です。
■付託された法案は分野別の委員会で審議され、最後に多数決を取ります
法律案が委員会に付託されると、委員会で法律案の内容についての審議が行われます(法案審査)。どの法案から審議するか、審議にどの程度の時間をかけるか、いつ採決するかなど、各委員会の運営についてはその委員会の「理事会」で決定されます。
理事会のメンバーは委員の代表である理事と委員長です。政党から見た場合、委員長を押さえることができるか、また理事会に対して自分の党の理事を送り込めるかどうか、がその委員会での主導権を握る上で重要になります。例えば松本が先の国会で所属していた文部科学委員会の名簿を見ると分かりますが、委員長は公明、理事8人のうち自民4、公明1、民主3となっています。共産と社民は理事がいません。これは議席に占める政党別割合、すなわち選挙の結果が理事の数に反映されているためです。
委員会での審議は法案提出者に対して委員(国会議員)が質問する形で行われます(質疑)。内閣提出法案の場合は委員の質問に対して、大臣や官僚が答弁します。質問できるのは委員だけで、大臣や官僚は委員に対して質問はできないことになっています。
ちなみに質問時間も議席に占める政党別割合が反映されています。例えば、松本が質問に立った5月13日の文部科学委員会は総質問時間が180分でしたが、自民党は質問せず、公明党が30分、民主党が110分、共産党と社民党が各20分となっています。みなさんの選挙の結果がこんなところにも反映されているわけです。しかし、議席数が一番多い自民党がなぜ質問しないのでしょうか。(この答えも今後の日記をお読みいただければわかると思います)
理事会で決めた質問時間が終わると(質疑終局)、討論に続いて多数決による採決が行われ(委員会採決)、その法律案に対する委員会としての賛否を決定をします。これで委員会による法案審査は終わりです。
■最後にもう一度全員参加の本会議で多数決を取ります
法案審査結果は委員長によって本会議で報告されます。その後、改めて衆議院議員全員に対してその法律案に対する賛否を問う採決が行われ(本会議採決)、賛成多数で可決すると参議院に送られます(衆議院通過)。
参議院でも同じように委員会への付託、法案審査、委員会採決の後、参議院本会議で採決が行われ、可決すると法律案は成立し、天皇に奏上の後、官報により国民に対して公布されます。
以上が「法律ができるまで」の国会におけるプロセス、いわば試合ルールの説明です。
(衆議院で可決したものの、参議院で否決された場合の手続きには、衆議院での再議決や両院協議会がありますが、ここでは省略しました。)
明日はこの試合を野党から見た場合について、私たち民主党の場合を例にご紹介します。
18:41 | 掲載者:井山