159-衆-文部科学委員会-23号 平成16年05月28日
○池坊委員長 松本大輔君。
○松本(大)委員 民主党の松本大輔です。
私は、野党議員ではありますが、野犬ではありませんので、毎週キャンキャンと大臣にかみつく、わけもなくかみつくというつもりはないのでありますけれども、やはり義憤に駆られたときは、これは、代弁者としてお選びいただいた以上、行政をチェックしてまいるというのが国会における野党の役割かなというふうに思いますので、まず、ちょっと午前中の審議について触れさせていただきたいと思うのであります。
私が非常に気になったのは、心構え発言であります。大臣の答弁も、これは心構えとしか受け取られていない、あるいは附帯決議に法的拘束力はない、海外の権利者が権利行使する上で、附帯決議についても大臣の御答弁についても担保にはならない、権利行使をとめる上での担保にはならないというようなお話がありました。
では、一体何のために我々はこの委員会で審議をしているのかと、ちょっとむなしくなったわけであります。法律に明文上規定していないことについて、では、このケースで具体的にはどうなるんだと、大臣に対して政治的判断をお求めする場合に、後になって、あれは心構えにすぎません、大臣かわりましたので拘束力もありませんということになってしまうと、これはいかがなものなのかなと。
意を決して文部科学行政に当たる、これをなすとまで所信でおっしゃられた大臣の気概、私は感動したんですけれども、その気概に対する冒涜ではないか、非常に問題ある発言ではないかな、私はそのように思うわけであります。
私は元サラリーマンでありますけれども、銀行で働いていたわけです。例えば、支店を代表してお客様のところにお伺いして、例えば支店長を連れていったとします。支店長がお客さんから、この融資、大丈夫でしょうかというお話を聞いて、支店長が大丈夫ですというふうにお答えして、何日かたって私が行って、あの、前に支店長に大丈夫ですと言われた件、どうなりましたかねと聞かれて、私が、いえ、支店長の大丈夫ですというのは心構えにすぎませんからと、もし言ってしまったら、これは確かに契約上は、判こをついていなければ違法性は問われないかもしれませんけれども、組織としての信頼というものは、もう根底から傷つけられてしまうのではないかなというふうに考えます。
もしも、ある省庁のトップの、国会の場で、しかもあんなふうに記録まで残されているような御答弁に対して、それは心構えであるというようなことが通用するのであれば、これはゆゆしき事態だなと私は思うわけでありますし、文部科学行政そのものの信頼は地に落ちてしまうのではないかというふうに思うんですが、まずは大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○河村国務大臣 言葉にとらわれるつもりはございませんが、しかし言葉が大事であるということも事実であろうと思います。
今回のこの附帯決議、あるいは私がこれまで答弁してまいったこと、副大臣もしかりであります、これは心構えというのをどういうふうにとるかだろうと思いますが、今回のこの私が答弁してきたこと、指摘を受けていることは、これは政府として、そういう問題が起きたときはきちっとした対応をしなきゃいかぬという、どうしても、心構えといいますか強い心構えで、心得ておきましょうというようなものではないということは明確に私もしておかなきゃいかぬ、こう思います。
それはやはり、国民の利益の問題、この我々の政治というのは国民にとって利益をどういうふうにもたらすのか、利益相反の問題もありますから、その調整をやらなきゃいけないこともたくさんありますけれども、やはり国民の利益を求めてという観点から対応していくんだということでありますから、今回御答弁申し上げておりますことは、そうした私権に関する法的な縛りは、残念ながら法制上は今回できておりませんけれども、それに対する対応については政府が責任を持ってやらなきゃいけない課題だ、こういうふうに考えて答弁を申し上げているわけであります。
○松本(大)委員 ありがとうございます。責任を持って取り組まなければならないということを非常に重く受けとめさせていただきました。
さはさりながら、その午前中の質疑の中で、附帯決議にも大臣答弁にも、海外の権利者の権利行使をとめる上での担保にならないというような話がありましたので、だとすれば、今回の法案で言うところの百十三条の五、みなし侵害規定のところなんですけれども、この不当な侵害というものが一体どういうことを指すのかということについて、やはり明確にされる必要があるのではないかなというふうに考える次第であります。
先ほど肥田委員の御質問の中でも、国外で販売される際に権利者が得る利益と、それから国内で販売される場合の利益と、ここについて著しい差が生じる場合というような御趣旨の発言があったんですが、午前中にたしか、理事会で協議するとおっしゃられていた、明確な表というか数値というものがあるんだというお話でしたので、ぜひそれを具体的に示していただいて、そのスコアテーブルをどう使って不当な侵害が行われたのかどうかを判断するのかという御説明をいただきたいと思います。
○素川政府参考人 今回の還流防止措置に係ります要件の一つであります、利益が侵害される場合ということにつきましては、午前中よりその考え方というものを申し上げさせていただいているところでございます。
今、先生から、データの一端を示せというお話でございます。
手元にある資料を少し御紹介させていただきたいと存じますけれども、例えば日本を一〇〇といたしました場合に、ちょっと三つほどの具体的なレコードにつきまして御紹介させていただきますと、これはライセンス料ということでございますけれども、アメリカでは九四・二、イギリスでは一〇五・〇、ドイツでは一二三・五、フランスでは一四四・二というような具体的なレコードがございます。
また、もう一つのレコードにつきましては、例えば日本を一〇〇といたしますと、アメリカが八八・七、イギリスは一四八・五、ドイツが一〇八・八、フランスが一三〇・八というようなレコードがございます。
また、もう一つのレコードについて御紹介させていただきますと、アメリカが九七・九、イギリスが一六六・五、ドイツが一二六・二、フランスが一四八・一という、これが一つのライセンス料の比較でございますけれども、この委員会へどのような形で資料をお出しするかにつきましては、御相談させていただきたいと存じております。
○松本(大)委員 数字そのものについては、あるレコードについて幾つという話はわかったのですけれども、では、どれぐらいの差が生じたらということについては、今のは触れられていないんじゃないかなという気がいたします。
そのスコアテーブルを使ってどう運用していくのかということが明示されなければ、行政の恣意性にゆだねられることになってしまう。それは、法治国家の根幹を揺るがしかねないとんでもない話ではないかなと私は考えます。行政のブラックボックスに判断がゆだねられるのではなくて、ちゃんとした透明な判断基準が明示されて、しかも、それは答弁にも附帯決議にも付されない、しかも法的拘束力がないのであれば、法律上の中できっちり明示しなければ、これは業者さんとしてはたまったものではないということではないかと思うのですが、この点については、いつまでにどういう形で提示をされて、どのように運用されていくおつもりなんでしょうか。
○素川政府参考人 午前中にも申し上げましたように、この利益が侵害される場合の利益の差の著しい場合に限定して、その不当に害される場合になるというふうな定性的な御説明を申し上げましたわけでございますけれども、著しい差というものを一定の数値をもって基準とするのかどうかということにつきましては、やはり立法趣旨というものを踏まえて判断するということが適当ではないかと考えております。
すなわち、消費者利益というものを考えますと、今現在、アメリカ等の先進国から直輸入盤が入ってきている、こういうものにつきましては、アジア諸国等の物価の安い国からの還流を防止といういわゆる還流防止措置の趣旨からいたしますと、このアメリカ等の先進国からの輸入につきましては影響を受けないように運用するということがこの立法趣旨にかなうものであると承知いたしているところでございます。
○松本(大)委員 影響を受けないように運用するというのは、明確な基準がある一方で、行政の裁量でそうは判定しないとおっしゃっているに等しいと思うのですけれども、そんな恣意的な運用がなされていいんでしょうか。(発言する者あり)
○素川政府参考人 これは、まず、不当な利益に該当するかどうかにつきましては、実際の運用といたしましては、税関当局で、水際で、その具体的な適用というものが判断されるわけでございますけれども、これは、文部科学省、文化庁と税関当局との間で連携をとりまして、法律の趣旨にのっとった適切な運用、すなわち、利益の差が著しい場合に限って不当に害されることとなるということでございまして、この不当に害される場合というのがまず政府の運用でございますけれども、それは、最終的には、今お話しでございましたような、裁判所での判断、司法での判断というものが最終的にはあるとは思いますけれども、まずは税関当局におきまして政府としてその水際措置の対応をするというものが、きちんとした法律の趣旨にのっとった運用をするということが重要かと存じております。
○松本(大)委員 何度お伺いしても余りよくわからないのですけれども、例えば、アメリカのレコード会社が日本の現地法人に命じて、国内盤の原価率を低く抑えて、価格設定、値づけをしましたと。一方で、直輸入盤は普通の原価設定をして、それに対して並行輸入がされている場合に、並行輸入が入ることによって利益率が下がった、不当に利益が侵害されたというふうに申し立ててきた場合というのは、いかがなんでしょうか。
○素川政府参考人 お答え申し上げます。
この今回の還流防止措置と申しますのは、国内において得られる利益の方が一般的に高いという場合に、海外で頒布されているレコードが、一般的にといいますか、得られる利益が少ないという状況において、一つの要件というものが充足されるというふうに理解しているところでございます。
○松本(大)委員 今のお話を聞くと、さっきの質問では該当するのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○素川政府参考人 典型的な例を申し上げますと、例えば、中国、中国ではなくても、台湾とかという地域でもよろしいのでございますけれども、そのあたりでのレコードの一般的な格差というのは、日本と比べますと、半分前後といいますか、中国の場合にはもっと少のうございます。そうしますと、相対的に、それから得られます権利者のライセンス料というものも、ほぼ比例して少なくなるわけでございます。そういう意味におきまして、安い地域で、その地域の物価水準に合わせて価格設定したレコード、したがいまして、それから得られるライセンス料、権利者のライセンス料というのは相対的に少ないわけでございますけれども、そういうものが国内に還流することによりまして、そのレコードのみが買われるといいますか、そういうことによって権利者の得られる利益というものが侵害されるということが、この還流防止措置の趣旨でございます。
ちなみに、六十五カ国で、アメリカも含めまして、輸入をコントロールする権利、これは輸入権という支分権でありましたり、または頒布権、譲渡権の消尽という形で適用するという場合もございますけれども、そういう具体的な支分権の付与等によって輸入をコントロールするという例が、例がといいますか、日本以外は基本的にはそういうようなことで対応しているわけでございます。
そのような場合、例えばアメリカを例にとってみますと、アメリカが海外において、安い東南アジアの国においてライセンス生産したレコード、これはその地域の物価水準に応じて価格設定をするわけでございますけれども、それがアメリカの国内に入ってくるということを権利者が防止することができる、そういう権利をアメリカの権利者に与えているわけでございます。
EUの場合におきましては、もともとは、幾つかの国で国別に輸入権もしくはそれに準ずる権利を与えていたわけでございますけれども、EU全体でEUディレクティブというものを設定いたしまして、個別の国ということでなくて、最近は、EU域内を一つの地域ととりまして、EU域外でライセンス生産されたものがEU域内に入ってくるということを防止する、コントロールするという権利を与えるようにしたということでございます。
基本的には、そういう意味におきましては、還流防止といいますか、輸入をコントロールする権利が具体的に発効される場合は、その本国というものがより高いケースが一般的なわけでございます。
○松本(大)委員 御質問の仕方を変えます。
アメリカ国内のレコード会社が日本に現地法人を持っていて、並行輸入もやるし、並行輸出もやるし、それから日本国内でもプレスして、現地法人がプレスして売るという場合においては、利益率の設定も価格の設定も同じ会社でできるわけですから、現法も本体も同じですから、利益率の設定も価格の設定も本体でできるわけですから、価格差が著しいとか利益率が著しいとかということは意味がないんじゃないかということを申し上げているんです。
○素川政府参考人 理論的には、外国のレコード会社が本国でレコードを売る、その価格設定、それから、別の国におきましてライセンスを与えて生産する、そのときにどういう価格で設定するかということについては、権利者が判断するといいますか、権利者がそのような地位に立つということは先生御指摘のとおりだと思います。
ただ、現在におきましても、日本におきまして、例えばアメリカからは、ライセンス生産されたレコードと、それから並行輸入といいますか直輸入されましたレコード、二つのレコードがありまして、それはそれなりに、それぞれ、多様な消費者の要望にこたえる形で二種類のものが、基本的には同じレコードでございますけれども、パッケージとかいろいろその附属のものとかというのが違ってくるわけでございますけれども、そういうことで、より多様な多くの消費者のニーズに合うという形で、ライセンス生産されたものも並行輸入盤も両方売るということによってそのアメリカのレコード会社が利益を、利益といいますか、そういうビジネスを展開しているということでございますので、通常、合理的な経営的な判断からいいますと、より多くのレコードを買っていただくという意味においては、必ずしもどちらかをとめなければいけないというインセンティブが働くものではないというふうに理解しているところでございます。
○松本(大)委員 それはあくまで希望的な観測であって、お情けというか、権利行使しないでくれと頼んでいるだけにすぎないような気がします。価格設定を変えちゃえば不当な侵害だと訴えることができる、すなわち、並行輸入盤をいつでもとめる権利が生じてしまうということです。
この質問はこれでやめますけれども、スコアテーブルというか、その判断基準の材料、それをどうやって使うのかということを資料として示してください。委員会にぜひ出してくださいよ。具体的にどうなんだというのを我々に示してほしいと思います。資料を出してください。
次の質問に移りたいと思います。
先ほど、六十五カ国というような表現がありました。これは肥田委員の御質問にも関連するわけですけれども、参議院の文教科学委員会での審議の中でも、河村文部科学大臣も次のように答弁されています。「一方、既に外国を見てもほとんどの先進国、イギリス、フランス、ドイツ、あるいはアメリカ側ではアメリカ、カナダ、六十五か国がこうした問題に対して還流防止措置を取っておるわけでございます。」ということなんですけれども。
それで、文化審議会著作権分科会という、恐らくは今回の立法の参考にもなったと思われる資料にも、やはり六十五カ国という数字が挙げられております。「社団法人日本レコード協会が、国際レコード産業連盟に聴取したところによると、」と書いてありまして、午後、肥田委員の御質問の中でも、この六十五カ国という数字は六カ国が正しいんじゃないかというようなお話がありました。ひどい話だなというふうに思うわけですけれども。
本当に、レコード協会さんが国際レコード産業連盟に聴取したところによるとというこの六十五カ国について、法案提出までの間に政府として検証というか精査はされなかったんでしょうか。外交ルートを通じて直接その国に御確認されることはなかったんでしょうか。私、国立国会図書館にも照会しているんですけれども、違った回答を得ております。一体本当に、特定の業界におもねらないような中立な立場でちゃんとこの六十五カ国という申請ベースの数字を精査されたのかどうか、お聞かせください。
○素川政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘のように、私ども、六十五カ国というのを紹介いたします際には、社団法人日本レコード協会がIFPI、国際レコード産業連盟に聴取したところによると、ということでございます。
IFPIは、世界のレコード関係の情報につきましては豊富なデータ、情報を持っているところでございますので、そのような数字というものを御紹介させていただいたところでございます。
○松本(大)委員 これは根本的な疑問というか質問なんですけれども、規制をしてほしい、規制をかけてほしいという業界の主導で行われた調査を、何の精査もしないで、みずから情報をとることもしないでうのみにされたんですかということをお聞き申し上げているわけです。
○素川政府参考人 国際的な組織であるIFPI、このデータにつきましては、その検討の十分な参考になるものということで我々は扱わせていただいたところでございます。
○松本(大)委員 行政官庁というか監督官庁というか、そんなことで果たして中立性が保たれるのかどうか、私は非常に疑問に思わざるを得ません。
私は国立国会図書館に調査を依頼いたしました。調査結果をちょっと引用させていただきたいと思います。
域内消尽を採用するEU・EEA諸国では、加盟国内での並行輸入を禁止できないため、例えば物価の安いギリシャやポルトガルで発行された音楽CDをイギリスやフランスに輸入することは禁止できない。これは先ほど肥田委員の御指摘のとおりであります。このため、二〇〇四年一月十四日に公表された文化審議会著作権分科会報告書が、還流を防止することが可能な国として掲げている六十五カ国、先ほどの六十五カ国という数字ですね、この中にEU・EEA諸国十八カ国を含めていることについて、妥当性を疑う見解も出ている。では、この十八カ国を除くとどうなのかということなんですけれども、仮にこの十八カ国を除外すると、欧米主要国のうち平成十六年報告書が還流防止措置を導入しているとする国は、アメリカ合衆国及びカナダの二カ国となる、このように書いてあるわけです。
審議会の報告書によれば、先ほどのEU十八カ国とカナダとアメリカを除いた国は何があるか、東欧、東ヨーロッパ、アフリカ、ラテンアメリカの国々が列挙されておりまして、この調査官のお話によれば、こういった国々では自国の音楽産業が盛んであるとは言えないことから、そもそも日本のような問題が生じないものと考えられるため、これらの国を数える意味はほとんどないものと思われると。
すなわち、今回の立法に当たった調査の妥当性がそもそも疑われるべきではないかな、私はそのように思うわけです。実質上はアメリカ合衆国とカナダの二カ国のみじゃないかというお話を国立国会図書館も認めているわけです。
今回は、文化庁は、規制をかけてほしいという業界から出された調査書をそのままうのみして精査しなかった。これは監督官庁、所管の官庁として一体どうなのかという気がするんですけれども、憲法十五条第二項には、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」というふうに書いてあるわけですけれども、大臣、このような調査のあり方でいいんでしょうか。
○河村国務大臣 これは、あらゆる角度からこの問題については検討しなきゃなりませんから、ヨーロッパの情勢、アメリカの情勢、それも当然調査の視野の中に入れなきゃいけません。ただ、それをどの程度、一国一国、直接外交ルートを通じて調べたかと言われれば、今回のケースは調べてなくて、IFPIの調査を参考にさせていただいたということであります。
著作権の問題、いろいろな、どういうふうに守っていくかという問題、それから国民の利益の問題、そういうものを総合的に勘案し、いわゆる審議会の意向、また事業者間の調整の問題、関係者の調整の問題、そういうのを踏まえて総合的に判断をしておるわけでありまして、今回そのことだけ言われてやっていないと言われれば、それはもっとそこまでやればよかったということは言えるかもわかりませんが、私は、全体的なそういうものも参考にしなきゃならぬ一つの過程として、IFPIの国、そしてそれから出てきた数字を参考にするというのは、これは適正ではないか、こういうふうに思っています。
〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕
○松本(大)委員 先ほども御紹介したとおり、参議院の委員会審議の中でも、大臣が六十五カ国という数字を述べていらっしゃる。つまり、似たような制度を導入している国が世界にこんなに多いんですよ、だからとりたてて変な制度じゃないんですよという理由として挙げられたその数字にそもそも根拠がなかったということになるのではないんですかというお話をしているわけであります。
次に移りたいと思いますけれども、データの妥当性、要するに、法案提出に至るまでの妥当性というところの検証が非常におろそかではないかということをこれから検証していきたいと思うわけです。
先ほど御答弁の中で、還流防止措置の必要性について触れた部分、肥田委員の御質問だったと思うんですが、還流量六十八万枚ということだったんですけれども、その調査を行ったのは、だれがどのような機関に依頼をされたんでしょうか。
○素川政府参考人 六十八万枚でございますが、これは文化科学研究所が調査をしたということでございます。
〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕
○松本(大)委員 文化科学研究所ということなんですけれども、思わず、それだけを聞くと文部科学研究所かなと、何となく政府機関かなという名前を想起させるわけなんですけれども、実はこの会社は、前身は株式会社ぴあ総合研究所ということでありまして、イベント情報で有名な「ぴあ」であります。しかも、その調査を依頼したのは日本レコード協会であります。
つまり、先ほども申し上げたように、今回の法改正を希望されている業界が、民間会社、前身はぴあ総合研究所だったわけですけれども、そこに委託された調査をもって六十八万枚という数字を出しているわけです。先ほども申し上げたように、規制をかけてほしいとおっしゃっている業界の情報をやはりここでも使われている、精査をされているのかどうかちょっと聞いてみたいものですけれども。
ちなみに、これは、調査員というのはどういう方でしょうか。(発言する者あり)
○池坊委員長 御静粛に。
○素川政府参考人 調査員がどのような方かというところまでは承知しているものではございません。
○松本(大)委員 そんな御答弁が許されていいんでしょうか。これは法案を提出する際の重要な根拠ですよ、六十八万枚。それは行政責任の放棄ではないかな、当事者能力の欠如を指しているのではないかなと思わざるを得ません。
この調査員がどういう人かといいますと、株式会社文化科学研究所の人ではなくて、何と、日本レコード協会の全国調査室の室長というふうにあるわけであります。
先ほどから申し上げておりますとおり、六十五カ国という数字も実は間違っていました。そして、それはなぜ間違ったかといえば、今回の法改正をしてください、規制をかけてくださいとお願いをされた業界から出されてきた調査書をうのみにされた結果であった。ヒアリングをうのみにされた結果であった。
先ほどの六十八万枚についても、やはり同じように、調査を依頼されたのは日本レコード協会さんの側でした。調査をされているのも日本レコード協会の全国調査室の室長さん。これはお手盛り調査員と言ってもいいんじゃないかなという気がするんですけれども、こんなずぶずぶなことでいいんですか。
こんな調査をされていて、しかも答弁内容まで変わってしまっているわけですね。答弁と食い違っちゃっているわけですよ。先ほどの参議院の委員会審議の中で、本法案の提出における妥当性の根拠、大きな根拠だ、ほかにも採用している国がたくさんあるというところまでもう崩れ去っているわけですよ。調査もレコード協会の全国調査室の室長さんがやっていた。こんな調査結果を引用されて文部科学省が答弁をされるというのは、これは果たして公正さの面からどうなんでしょうか。特定の業界におもねらないという観点から見て、その妥当性について反省すべき点はないのかどうか、御答弁をお願いします。
○河村国務大臣 この調査結果、その数字の妥当性、これをどう判断するかという問題だろうと思います。
法案をつくるに当たってはいろいろなお話を聞かなきゃなりませんから、一方的にレコード協会だけの意見を聞いてこの問題をまとめていったわけじゃないので、これまでの過程を踏んでいることは先ほど来から申し上げておるわけでございます。これは日本だけの問題じゃなくて、こういうことというのは世界の中でも一つの大きな問題になっている、海賊版の問題もありますけれども、これも一つの大きな課題だということで、いろいろな形で取り上げられてきた。それを今回、還流防止という形でとっていこう。しかし、世界の国々もこのことを問題にしていないわけではないわけでありますから、当然、日本としてもこの防止措置をとる、これは私は、日本として考えていかなきゃいけない課題だ、このように判断をしてこの法案を出したものであります。
今おっしゃったように、どこまでこの妥当性として見るかという数字、これは、ほかにも何かこういう数字がいろいろあって、どれをとるかという問題とちょっと違うものでありますから、この妥当性について私の方から、おっしゃるように、ほかにもっとやる方法があったんじゃないかと言われればそうかもしれませんが、実際に数字をはじく場合に、一番近いところにおられる方々がどういうふうにこの問題について把握されているか、まずこれを聞いていく、これは当然だと私は思うのでありますが。
○松本(大)委員 一方的にその意見を酌み取ったわけではないということだったんですけれども、では精査されたかといえば、先ほどのお話では特に精査はしていないと。六十五カ国については少なくともそうだったわけです。調査員についても、だれがやったかまでは知りませんでしたというのは、まさに一方的にその意見をうのみにして、精査という作業を怠ったという紛れもない証拠ではないかと私は思うわけであります。
六十八万枚の先ほどの算出根拠、数式でも結構です、教えていただけますでしょうか。
○素川政府参考人 これは株式会社文化科学研究所が行った調査でございますけれども、ディスカウント及びホームセンターの二つの業種の店舗におけるCDとカセットテープの販売量というもので推計したということを聞いているところでございます。
○松本(大)委員 聞いているのではなくて、正式に答えていただきたいんですけれども、どういうふうに求められたんでしょうか。
○素川政府参考人 この推計の方法でございますけれども、総店舗数に、その取り扱い率、それから一店の平均の陳列量に在庫の回転数というものをそれぞれ乗じまして、総販売量を推定したということでございます。
○松本(大)委員 先ほどの数式については、さっきも触れました株式会社文化科学研究所の調査結果にも触れてあるんですけれども、最後の在庫回転率という三・五という数字なんですけれども、この数字を例えば半分の一・七五にすれば、六十八万枚は一気に三十四万枚に減ってしまうわけです。
年金制度改革をめぐる議論の中で、いや、絶対大丈夫です、出生率は一・三二から一・三九までなぜか回復します、四%で回しますと、鉛筆なめて都合のいい数字を出す。あるいは、道路交通量予測も、絶対達成しそうもないものを設定して着工してしまうということは大いにある話なんですけれども、この三・五という数字の根拠は何なんでしょうか。
○素川政府参考人 この在庫回転率の三・五の根拠については承知しておりません。それは、調査の結果、調査の中で示されているものでございます。
○松本(大)委員 いや、これは大事なことですよ。大事なことですよ。法案の提出の根拠が六十八万枚というのははっきり述べているわけですから、その数字が根拠がない、知りませんなんということが許されるんですか、答弁として。知りませんなんてあるんですか。知りませんなんて言われたら、審議を続けられないじゃないですか。いいんですか、大臣、あんな答弁を認めて。(発言する者あり)
○池坊委員長 松本大輔君。はい、どうぞ。
○松本(大)委員 もう一度、同じことを申し述べさせていただきたいと思います。
六十八万枚という根拠になっている大事な数字です。三・五というものの数字の出どころは何なんですか。
○素川政府参考人 突然のお尋ねでございますので、この数字につきましては、これは、いずれにいたしましても、文化科学研究所の調査の中で設定されている数字でございますということをお答えさせていただきたいと存じます。
○松本(大)委員 六十五カ国の数字といい、調査をだれが行ったかも知らない、三・五という数字の在庫回転率の出どころも知らない。そんな中で、今法案の大きな根拠である還流CD枚数が六十八万枚というのが出されているわけなんですけれども、こんなことが本当に許されていいのかと、私はこの委員会を通じてかなりあきれ返っているわけです。
調査結果によれば、これは「CD販売店の平均的な数値を用いた。」というふうにあります。先ほどは、ディスカウントストアやホームセンターに陳列してあるであろう並行輸入盤というか還流CDの枚数を調べるというのが目的であるのに対して、なぜか在庫回転率はCD販売店のもの、平均的な数値が用いられている。
私、当選直後に、高輪の宿舎に寝具がなかったものですから、ディスカウントストアで寝袋を買ったんですけれども、ディスカウントストアでCDだけを買いに行くという人は非常に少数派なんではないかなと。つまり、三・五という在庫回転率がCD販売店の平均的な数字であるのであれば、それよりも低いという可能性だって十分考えられるんじゃないか、随分乱暴な数字の使い方ではないかなというふうに思うわけです。しかも、その点については精査されていない、検証されていない、わかりませんということで、本当に還流枚数が六十八万枚もあるのかどうかという、その議論の出発点から疑ってかからなきゃいけないと思うんですけれども、これについては、では、還流枚数がどんなふうにふえるのかということについてもちょっと触れたいと思います。
四月二十日、参議院文教科学委員会で、大臣と政務官、報告書を引用する形で、将来の逆輸入量について次のように答弁されております。
同時に、このままほっておきますと、文化科学研究所が数字を出しておりまして、二〇〇七年にはもう二百四十四万枚になるだろうと、さらに五年後、二〇一二年になると一千二百六十五万枚ということが、それだけのレコードが入ってくるだろうと、こういうことになっておりまして、これはもう早急に対応しなきゃいかぬということで今回の改正に及んだものであります。
とあります。
三年後に二百四十四万枚、五年後に千二百六十五万枚の逆輸入CDが押し寄せるということなんですが、この算出根拠についても教えていただけますでしょうか。
○河村国務大臣 先ほど来から、調査をした会社等に対して、その数値の問題、いろいろ言われます。
これは、どういう数字を使っておやりになるか、それは専門的立場から統計をされるわけでありまして、それを我々の方からとやかく言う立場に私はない。それをどういうふうに使うかというのが我々の立場でありまして、身近なところで実際にこの利益を守る方々が真剣な思いで言ってこられたことだ。これはやはり、これも国民の立場、我々は受けて立たなきゃならぬわけであります。
今の、これからの見通しについては、これは三菱総合研究所が出したものでありますから、これも精度が高いものだというふうな報告をいただいておりますから、これを皆疑ってかかりますと、何を出されたって、我々が一つずつやらなきゃいけなくなる。
しかし、やはり将来の輸出の動向、中国の人口の動態、そういうことを考えたときに、そういう数字というのは出てくる。経済成長率、そういうようなものも全部かかわってきているんだろうと思います。
そういうものを見て、これは今もうやるべきときに来た、そういうふうに判断をしてこの法案をお願いしている、こういう状況であります。
○松本(大)委員 だろうということではなくて、やはりみずから検証しなきゃいけないんじゃないか。
それは、今回は法案提出というものの根拠になっているからですよ。売り上げたいとか、目標です、じゃんじゃん進出したいというのは、それは企業の目標として結構なことだと思いますけれども、法案提出の根拠とされる以上は、それについて検証されないというのは、私非常に驚きであります。
これがどうやって計算されているかといいますと、先ほどの六十八万枚、三・五という数字の信憑性すら疑われるその数字を分子として、同じ年のアジアへの供給実績四百六十五万枚というのを分母にして、一五%が還流しているだろうという算数をまずはじき出しているわけですね。それで、需要がこれだけ伸びるだろうから、同じように一五%掛けたものが還流CDとなってくるだろうというのが、今回のこの算出根拠だそうであります。
つまり、最初の出発点である六十八万枚の三・五という在庫回転率に根拠がない、わからない、自分たちは精査していないという数字を用いて将来の還流CDの量を千二百万枚まで推測しているのはちょっとやり過ぎなんじゃないかなということなんですが、いかがですか。
○素川政府参考人 将来の推計をするという意味におきまして、幾つかの基礎的なデータ、こういうものから推計するということで、今回の推計、確かに、先ほどの三・五という数字は、今手元には、還流CDの回転率を我が国の店舗販売の平均値である三・五とすると資料に載せておりますけれども、そういうものをベースにしてつくったにせよ、今、三菱総合研究所の報告書を踏まえて、将来、五年後、十年後の推計としてはこのような数値というものを用いて推計するということがその参考資料としては適切であるというふうに理解し、そのように対応したものでございます。
○松本(大)委員 三・五という在庫回転率についても、とんでもない、検証すらされていないんです。
では、それと掛け合わせる需要の伸びなんですけれども、要するに、総ライセンス量というか総需要の伸びが、四百六十五万枚から千六百二十二万枚、七千九十万枚というふうに、二〇〇七年、二〇一二年と伸びる予測をこの三菱総合研究所さんはされているんです。これでいくと、二〇〇七年に現在の三・五倍、二〇一二年には十五倍以上になるということなんですけれども、本当にこんなに売れるんですかね。
文化審議会著作権分科会の文化審議会著作権分科会報告書、平成十六年一月に、十一ページ、「原盤ライセンスの数量(CD+カセット)」「アジア地域にライセンスされた音楽レコードの供給実績」というものが載っていまして、二〇〇〇年五百七十一万枚、二〇〇一年五百四十一万枚、二〇〇二年四百六十五万枚となっているんです。
つまり、漸減傾向にあるという数字が出ているにもかかわらず、なぜ三菱総合研究所の将来予測においては、その三・五も問題ありなんですが、三・五という在庫回転率と掛け合わせるライセンス量、原盤ライセンスの数量までも漸減傾向にある中で、再び、にわかに増加に転じて、二〇〇七年には千六百二十二万枚になるし、二〇一二年には七千九十万枚と、三・五倍、十五倍以上になっていくと。
これは、本当にそうなるんですか。少しは検証をされましたか。どうでしょうか。
○素川政府参考人 お答え申し上げます。
三菱総合研究所の報告書の中には、今後需要を増加させる要因としては、アジアにおけるGDPの成長に伴う音楽市場の拡大などが掲げられているところでございます。そういうことをもとに推計をしたというふうに理解しております。
○松本(大)委員 納得できる答弁を、先ほどから、質問の当初から全くいただけてないんですけれども、今回の法案の提出の根拠となる数字というのが全くもって精査されていないというのは、これはもう法案審議の以前の段階じゃないかなというふうに思わざるを得ません。
実際に、その漸減傾向にある数字というのは、要はアジアにおける日本の音楽需要そのものが実は減ってきているんじゃないかなというふうにも、ひょっとしたら思えるわけです。
では、例えば、これに対して、いや、そうじゃないんだ、海賊版の影響を受けて漸減傾向にあるんだという反論を百歩譲って認めるとしたら、では実際に、先ほどの大臣の御答弁でも、海賊版対策も重要になってくるというお話がありましたけれども、海賊版が正規のライセンス版を現地でどれだけ食っているのかということについては、需要は伸びているんだけれども海賊版で食われて漸減傾向にある、だから、海賊版の取り締まりをしていけば、先ほどの十五倍とか輝かしい未来が待っていて、三・五倍の在庫回転率を掛ければ還流CDはふえるんですということになるのか。
海賊版がどれだけ食っているというデータがあれば、それについて御説明をいただきたいと思います。
○素川政府参考人 例えば、アジアにおきますレコードやCDの侵害状況ということにつきましては、中国におきましては一般的に九一%、台湾においては四八%、韓国においては二五%、香港においては流通している五〇%が海賊版であるというようなデータがございます。
○松本(大)委員 それは日本盤に限らない、日本の音楽に限らない話だと思うんですけれども、もう一度申し上げます。先ほどの総ライセンス量はふえるという予測があるためには、実際に今の足元のデータが漸減傾向を示す中で、ふえているんだけれども海賊版によって食われているという仮定が成り立つのであれば、そういう事実があるのであれば、まあわからなくもないなということを申し上げているんですよ。
だから、需要はふえているんだけれども、これだけ海賊版に日本のCDが食われている、そのデータを示してくださいと申し上げているんです。
○素川政府参考人 例えば、今申し上げました数字の中で、各国別のデータにつきましては承知しておらないところでございますけれども、各国の流通量というものがやはり相対的に反映しているものというふうに理解しているところでございます。
○松本(大)委員 今のようなちょっと頼りない御答弁ですと、やはり還流CDの今後の伸び、六十八万枚が二百四十四万枚になって千二百六十五万枚になるから、だから今の段階で還流防止措置が必要になってくる、今法案の提出が必要になってくるという話にはどうしても僕は思えないんですよ。
それは、先ほどから申し上げているように、六十五カ国という数字も間違っていたし、調査自体が、規制をかけてほしいという業界の調査をうのみにしているわけですし、調査員はレコード協会の全国室長の方ですよ。しかも、算出根拠である在庫回転率も本人は承知していない、知らない、わかりませんと。さらには、今後のアジアにおける総ライセンス料の伸びというものについても何ら根拠はない、事実として漸減傾向を示しているのに、反転攻勢というか、いきなり増加基調に転じるその理由も確たる理由をお持ちになっていらっしゃらない。海賊版が食っているから事実はそうなんだという証拠もお手元にない。一切の客観的証拠がない中で今回の法案を出されて、数字を並べ立てられていらっしゃるわけですけれども、それらの数字すべてに根拠がないと論じざるを得ないんですけれども、大臣、どうですか。
○河村国務大臣 この数字のとらえ方をもっと検証すべきだという御指摘、これは私も聞く耳を持たないわけではありませんが、先ほど六十五カ国の数字のとり方にしても、それは確かに域内であったという点について説明が不十分であったでしょうけれども、実質的にそうしたレコードの還流をとめる措置を持っていることは事実でありますから、その国が六十五カ国あるということ、これはもう厳然たる事実ですからね。だからこの数字を活用させていただいたし、そういうふうに私も答弁した責任がありますから申し上げておくわけで、そういうものも根底からなかったんだということでお話をいただいたんじゃ、ちょっと誤解を招くことになりかねない。
私の方は、皆さんがいろいろ心配されている点はきちっと対応しなきゃいかぬ、そういう指摘もあったということを踏まえてこれまで検討してきたことでありますし、数字のとり方、いろいろなときにいろいろなとり方をいたします。これは総合的にとっていかなきゃならぬ数字だと思います。
確かに、どのぐらい還流化するかというのはかなり大きな問題だとはそれは思います。しかし、現実に中国等の状況を見たときに、今、海賊版率が九割ということですから、これを五割にとめただけでも大変な数字になってくる。そういうことを考えますと、この傾向はこれから、私は、下がるというよりもむしろどんどん伸びていくと考えるのが当然だ、こう思っております。
あの数字をうのみにしたわけでは決してありませんけれども、総合的に考えてみて、業界の皆さんの御意向、もちろん経団連等々からのこういう点は大丈夫かというような指摘もあった、そういうことを踏まえて、今回、その対応についてはきちっと政府で考えておりますということも表明しながら、今日御審議をいただいて、そのことで参議院においては全会一致をいただいた、このように考えておるわけであります。
○松本(大)委員 海賊版対策については、きのうの知財戦略本部の会議で、知的財産推進計画二〇〇四に模倣品、海賊版の被害を防ぐための条約を提唱するという内容が盛り込まれたそうですので、ぜひ、来月のサミットでも政府としてきっちり申し入れを行っていただきたいなというふうに思います。私は、決して知財戦略の推進という大臣の所信にも述べられたことを否定しているわけではなくて、むしろ賛成の立場におります。
東西の冷戦構造が崩壊して、グローバリゼーションとかメガコンペティションが進展していく中で、長い目で見れば価格ではなく価値で勝負していかなければいけない、だからこそ知財の推進が必要である。それから、安全保障上のメリットを見ても、例えば世界が新しいパラダイムを模索している、混沌としている中で、やはり日本に対して好意を持ってくれる国というものをふやしていかなきゃいけない。
そういう意味では、ジョセフ・ナイの言うところのソフトパワーの最たるものである文化力というものを大いに発信してほしいというその立場には立っているんですけれども、さて、今回の法案がそういった知財戦略の推進に資するものなのかどうか、十分な検証が行われているのかどうかという点について疑問を持つわけです。時代の後追いにもなっているんじゃないか。
アップルのアイポッドが売れまくってアイチューンズというのが一曲九十九セントで売っている。ソニーもコネクトというサービスを使ってそれに追撃をかけようとしている。デジタルコンテンツというものには全く目を向けていないような今のやり方でその場しのぎにすぎないのではないか、こういった点をちょっと指摘させていただきたいなと思いますが、いずれにしましても、先ほども申し上げたように、最後にお伺いしたいのは、法案提出の前段階の調査が不十分であった、調査自体をやり直すというおつもりはありませんでしょうか。
○池坊委員長 質疑者の質疑時間は既に終了しておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。
○河村国務大臣 調査をやり直す予定はございません。
○松本(大)委員 失礼します。