第6号 平成17年3月16日(水曜日)

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    午後一時一分開議
斉藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。松本大輔君。
松本(大)委員 民主党の松本大輔です。
 先週金曜日の質疑で、大臣が中学校時代に野球部で四番バッターでキャプテンだった、そういうお話をお伺いしました。中二の秋に野球部の監督に請われて入部をされて、入ったその日から四番バッターでキャプテンを務められた、格好よかったんだ、こういうことだったんですけれども、大変うらやましい限りだなと私は思いました。スポーツの振興を担当される役所の最高責任者としても大変結構なことだなというふうに感じたわけなんです。
 もちろん、そうはいっても、野球は四番バッターとキャプテンだけでやるものではないわけでありまして、四番の打つホームランがソロに終わるかそれとも満塁ホームランになるかは、その前のバッターにかかっているんじゃないかなと思います。
 とりわけ挑戦者である我々野党、自称政権準備党なんですけれども、とりわけ我々挑戦者は全員野球で臨まなければいけないんじゃないか、このように思うわけであります。午前中の質疑の川内委員が華麗な切り込み隊長であるとすれば、私はよい二番バッターでありたいな、そのように思います。川内委員のようにきれいに、ラインドライブのかかったきれいなヒットは打てないかもしれない、あるいは大臣のように豪快なホームランは打てないかもしれませんが、少なくとも相手ピッチャーに嫌がられるような、そんなしぶといバッティングで、きょうの私の後質問に立つ笠委員、城井委員、肥田委員、本日のクリーンナップにつなげていきたいな、このように思いますので、どうぞよろしくお願いします。(発言する者あり)いや、そんなことはないですよ。
 まず、午前中の質疑についてちょっと振り返りたいと思うんですけれども、午前中の質疑で、参考人質疑が委員会で内々合意していたけれども、最終的には委員長の職権で中止となったというようなお話がありましたけれども、一応お昼休みの間に衆議院規則を読みまして、第七章、委員会、第二節、委員長の権限、第六十六条「委員長は、委員会の議事を整理し、秩序を保持し、委員会を代表する。」から、七十五条「委員長は、委員会において、懲罰事犯があると認めたときは、これを議長に報告し処分を求める。」までの条文がそれだと思うのですが、この中に参考人質疑を中止するというような内容はなかったんですけれども、改めて、高校の先輩に当たられる斉藤先輩にお伺いしたいんですけれども、参考人質疑が委員長の権限で中止となったというのは、こういう理解でよろしいんでしょうか。御確認です。
斉藤委員長 先ほども申し上げましたが、参考人質疑の大前提は、全会派一致でございます。翌日に参考人質疑を控えて、その時点で全会派の合意が得られていなかったということで、委員会の運営に責任を有します委員長として、参考人質疑はできない、このように判断したものでございます。
 なお、先ほど内々の合意というふうにおっしゃっておりましたが、私の認識では、内々の合意は得られていなかった、いなかったからこそ全会一致でなかった、だから参考人質疑を開くということが決定できなかった、こういうことでございますので、御理解を賜りたいと思います。
松本(大)委員 ということは、つまり、委員長の権限で参考人質疑を取りやめたということではなくて、開くに当たっての条件となる全会一致という状態になかったので開けなかった、こういう理解でよろしいですか。
斉藤委員長 そういうことでございます。
松本(大)委員 なぜ全会一致とならなかったのか、与党の理事の方々が反対をされていたのかという理由は、午前中の質疑で川内委員から何度も御質問があったんですが、少なくともこの委員会では明らかになっていない、こういうことなんです。
 なぜ参考人質疑をやりたいか。それは、非常に重要な問題であって、なおかつ国民的な関心も強いテーマだからこそ、池坊先生もおっしゃっていたように、いろいろな人の、人の話を聞くことが重要である、いろいろな方の意見を聞かなければならない、こういうことだと思うのです。いろいろな人の意見を聞こうという場合に、発言したいという方が手を挙げていらっしゃって、にもかかわらず、いや、あいつはどうも気に入らないから当てない、発言させないというような判断があるとすれば、これは非常に問題ではないかなというふうに思われるんです。
 大臣は道徳教育の最高責任者でもあられると思いますので、ぜひ、発言したいと手を挙げている人がいる場合に、いろいろな人の意見を聞きたいとこっちも思っている場合に、それでも、気に入らないからという理由でその人の意見を聞かないという事態があるとすれば、それは道徳教育上からも非常に問題があると考えますが、大臣の御見解をお願いします。
中山国務大臣 その前にちょっと、私の中学の野球部の話がありましたが、あれは別に自慢しようと思って話したんじゃなくて、家が貧しくて、農作業で忙しくて表に出ていなかったんですけれども、担任の先生が、そういう私を抜てきしていただいてありがたかった、これは本当に先生次第だというふうなことを申し上げたかったということでございまして、決してそういう、自慢するつもりは全くございませんから、御了解いただきたいと思っています。
 発言したい人がいたら、もちろんこれは発言を許すというのが民主主義の世の中だろう、当然の常識だろう、こう思っているわけでございます。そのことと、どうも今回の参考人の話とはちょっと違うような気がするわけで、やはり、道徳ということを言われましたが、発言したい人は発言させる、これは道徳というよりも民主主義の根源だと思うわけです。自分の主張ばかり言って相手の話を聞かないというのは道徳の問題かな、こう思うわけでございまして、自分の意見も主張すると同時に、ほかの人の意見もよく聞いて、そしてやっていく、その一番の象徴が私はこの委員会ではないかな、こういうふうに感じております。
松本(大)委員 私は次元の違う問題だとは考えておりません。委員会の中で質疑することも十分、その重要性をもちろん否定するわけではないんですけれども、各界から見識を持った方をお呼びして、それでより我々の問題意識を深めていこうというのは大変有意義なことではないかなというふうに考えるわけであります。
 もう一点、ちょっとお伺いしたいんですが、特定の個人が出席できないという場合に、これは道徳という観点から先ほど御質問したんですが、憲法第十四条には「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」とあります。
 昨日、記者会見を行われた田中知事は、アパルトヘイトだというようにおっしゃったということなんですが、これはまさに田中知事の信条によって、政治的関係において差別されたということではないかと思うんですが、大臣はいかがお考えですか。
中山国務大臣 発言したい人はいっぱいいると思うんですね。特に義務教育についてはもう全国何万何千という方が発言したいと思っていらっしゃると思うので、その方々の声を全部聞くわけにいきませんので、その人選をだれにするか、だれを参考人にするかということがまさにこの委員会の方に相談して決めていただく問題じゃないかな、こう思っていまして、アパルトヘイトとかそういうふうな大げさな話になるようなことじゃないんじゃないかと私は思っています。
松本(大)委員 いろいろな方の話を私はぜひ聞いてみたいと思いましたし、恐らく、田中知事がこの場に出られて発言されれば、この文部科学委員会の質疑の模様をごらんになりたいとお考えになられている全国の保護者の方も多いと思うんですね。大臣は、とりわけ現場を重視されている、三百校近いスクールミーティングをされようという方だからこそ、保護者の方あるいは教員の方と生の声を闘わせていこうとお考えになられている方だからこそ、その保護者の最大の関心事と言ってもいいかもしれないこの義務教育の問題に関して、世間が非常に注目されている方の発言をかたずをのんで見守っていらっしゃったかもしれない可能性を消してしまったということが大変私は遺憾であるというふうに考えているんですが、大臣はその点はいかがですか。
中山国務大臣 いろいろな人の話を聞くのは大変いいことだと思っていまして、今スクールミーティング等を通じまして現場の声を吸い上げようとしているわけでございまして、そういう意味で、知事の方々の御意見も聞いてみたい、四十七都道府県全員の方にお聞きしたいと思っているんですけれども、何か聞きますと知事会の方が、石井さんですか、だれか来られるということでございますから、その方の話も十分に聞きたいなと。どういうことを言われるのか私はわかりません、そしてまた田中知事がどういうことを発言されるのかはわかりませんが、できるだけたくさんの方の声、しかも地方におきまして教育を担当しておられる知事さんたちの話はできるだけたくさん聞きたいとは思っております。
松本(大)委員 知事の方のお話はできるだけたくさん聞きたいと今大臣にもおっしゃっていただきましたし、午前中の質疑では、参考人質疑をやるかどうかというのはまた理事会で協議しますというふうに委員長からもおっしゃっていただきましたので、ぜひ前向きに御検討をいただきたい、このように引き続き強く要請というかお願いを申し上げます。
 次に、先週金曜日の委員会についてちょっと振り返ってみたいと思うんですが、これは八千五百億円の根拠という部分になろうかと思います。まず私が審議を聞いていて思ったことは、大臣の先週金曜日の答弁内容は、三月二日の予算委員会における牧委員と大臣とのやりとり、この際の、つまり予算委員会での答弁と明らかに変わっているのではないかなというふうに感じたということをまず申し上げておきたいと思います。
 ちょっと答弁を引用してみたいと思うんですが、まず三月二日の予算委員会において八千五百億という数字の根拠をただした牧委員に対して大臣は次のように答弁をされております。「今申し上げましたように、この八千五百億円というのは、まさに中学校の分の先生方の給料の半分ということで、それがそのままだというふうに御理解いただきたいと思います。」と。この予算委員会における答弁については、三月九日のこの文部科学委員会の審議において説明不足を大臣は陳謝されたわけですけれども、一方で、終盤と申しますか、「何か間違ったことを言っているとは思わないんですけれども。」ということをおっしゃっていらっしゃいます。
 その後、先週金曜日ですが、三月十一日の審議において牧委員は再度同じ趣旨の御質問をされました。それに対して大臣は次のように答弁をされています。「額として、相当する分であるということで、その中身が中学校の先生方の給料の分そのものであるということじゃなくて、」「わかりやすく言えば、かりてきたと言えばわかっていただけるかなと思いますが。」と。このように答弁が三月二日、三月九日、三月十一日とこういう変遷をたどっていらっしゃるわけです。
 大臣、御質問したいと思いますが、これは説明不足ではなくて、同じ質問に対して明らかに前言を翻していらっしゃると私は思いますが、実質的に予算委員会の答弁を修正されたと考えてよろしいでしょうか。
中山国務大臣 修正したとか陳謝したとか、そんな思いは全くございませんで、牧議員もいらっしゃいますけれども、議論がありまして、最後のときで時間がなかったものですからはしょったという点はあるんです。この点はおわびしなければいかぬと思うんですが、その前に牧議員がいろいろ言われる中で、八千五百億を案分して地方に渡すとか、そういう話をしておられましたから、当然そういうことはわかっていらっしゃって聞かれるので一体どういうことなのかな、そういう感じがいたしましたものですから、八千五百億というのはまさにそのものです、こういうふうにお答えしたということ、しかも、急げ急げ時間がないぞということでせかされて答えたものですから、ちょっと説明不足だったかな、こう思うわけでございます。八千五百億円というのは額としてそのものです、そういう分です、向こうの六団体が要求してきた削減してくれという八千五百億円のそのものの数字でございます、こういうふうな意味で答えたところでございました。
松本(大)委員 私はどうしても納得できないわけなんですが、修正もしないし陳謝もしていないというふうにおっしゃるので、もう一度ちょっと引用したいと思いますが、三月二日の予算委員会では、「まさに中学校の分の先生方の給料の半分ということで、それがそのまま」とおっしゃっています。しかし、三月十一日、先週金曜日のこの文部科学委員会では「その中身が中学校の先生方の給料の分そのものであるということじゃなくて、」とおっしゃっておりますね。
 私が辞書で調べましたら、そのままというのはそれと比べたときに違いのない様子ということでございました。まさにというのは間違いなくということだそうです。そのものというのはそれ自身ということなんですが、つまり三月二日は、間違いなく中学校の分の先生方の給料の半分ですとおっしゃった、しかし三月十一日のこの文部科学委員会では、中学校の先生方の給料の分それ自身であるということじゃないとおっしゃっているんですよ。ということは、間違いなくそれだと三月二日にはおっしゃったけれども、三月十一日はそれ自身ではない、このようにおっしゃっているわけですね。これは、明らかに前言を翻していらっしゃるとしか思えないわけであります。
 なぜ私が言葉にこだわるかといいますと、大臣みずから国語力の強化が重要だというふうにおっしゃっていらっしゃるからであります。二月二十三日、大臣所信に対する質疑において、いつも男前の馳委員がかつて国語教師であられたということで御質問をされています。大臣は、「すべて国語が基本になるわけでございまして、この国語力の強化ということについてはどうしても力を入れないといけないと思います。」と答弁されていらっしゃいます。日本語を正しく使うということは大臣が強化しなければいけないとおっしゃっている国語の基本中の基本だというふうに考えますが、いかがですか。
中山国務大臣 牧議員に対して答えたのは、額としてはそのままですということでございますし、その後この委員会で答えましたのは、それ自身ではない、それ自身というのは中学校の先生方の給料の二分の一というそれ自身ではないということでございまして、そのままという言葉もその都度そのときで理解してもらわなければいかぬ、読解力の問題だと思います。
松本(大)委員 読解力の問題だと言われると非常に心外であります。
 大臣は、額としてはそのままですというふうに今答弁されたんですが、正確には違います。三月二日の予算委員会では「まさに中学校の分の先生方の給料の半分ということで、それがそのまま」とおっしゃっています。つまり、額という言葉なんて入っていないんですよ。中学校の分の先生方の給料の半分、それがそのままなんだとおっしゃっているんですね、つまりそのものだとおっしゃっているわけですね。額としてそれをとったとは一言もおっしゃっていないわけです。明らかに前言を翻していらっしゃるのじゃないかなというふうに思います。
 それについて、国語力の強化を述べられる一方で、読解力の問題であると言うのは非常に心外であると思います。むしろ、そのように開き直られるのであれば、大臣みずから国語力を疑われかねないような状態が起こってくると思いますが、大臣、いかがですか。
中山国務大臣 中学校の先生の分の半分ですというのは額じゃないでしょうかね。中学校の先生の給料の分の半分ですということの半分というのは、額としての半分ということでしょう。(松本(大)委員「違います、違います」と呼ぶ)そうだよ。それはもう見解の相違で、読み方の相違、読解力の差でございます。
松本(大)委員 中学校の先生方の給料の半分ということで、それがそのままとおっしゃったということは、額としてもそうですし、中身もそうだとおっしゃっているということですよ。だって、それがそのままとおっしゃっているのですから。大臣、いかがですか。
中山国務大臣 八千五百億円というのは何かと言われているから、額ですと。半分ですと言えば額のことでしょう。中身のことを聞いておられるわけではなかったのですからね。
松本(大)委員 先ほど道徳教育の最高責任者でもあられるというふうに私申し上げたのですが、過ちを改むるにはばかることなかれという言葉がございまして、先週の委員会のときにも大臣は高井委員に非常に心優しいお言葉をおかけになられていました。知りませんでした、無事の御出産をお祈りしておりますというふうに非常に心優しいお言葉をおかけになられたので、間違っていることを、説明不足だ、そういう趣旨で最初から言ったのだというのは、これは非常に胎教上もよろしくないのではないか、教育の観点から非常によろしくないのではないかというふうに考えるのですが、大臣、いかがですか。
中山国務大臣 私は間違っていることはもう素直に謝る性格、これは今いませんけれども、川内君も同じ、薩摩の人間はそうなんですけれども、間違っていないと思うから話をしているわけでございまして、あのときの議論の中でも八千五百億円という額は、規模は何なんだ、こういうことでございました。ずっとそういう議論をしてきたわけでございまして、何度も申し上げますが、あのとき、何でこんなに何度も聞かれるのかなということで、読解力不足というより理解力不足だったかなと思いますけれども、私は、牧委員も当然理解された上で八千五百億円という数字を聞かれたので、これはまさに額の、中学校の分の半分ですと、あくまで中身じゃなくて額を念頭に置いて答えたつもりでございます。
松本(大)委員 先ほど大臣からは理解力不足だという御指摘があったのですが、牧委員の御質問というのは八千五百億の根拠を問われたわけですね。その根拠を問われて、いや、それは中学校の先生の給料の分の半分なんですと大臣がお答えになられたから、それがそのままなのか、金額もそうだし中身もそうなのかというふうに当然ながら思ってしまうということです。大臣、いかがですか。
中山国務大臣 中身ということは一言も私は言っていませんで、これはもう長い経緯がありまして、三兆二千億のうちの八千五百億円なんですよね。それがずっと議論になってきたわけでございまして、何を削るかといったときに、その八千五百億円というのを削るということでございまして、もう中身の問題ではなくて、額として削る、それで十七年度についてもその半分の四千二百五十億を削減するということなんです。
 だから、中身の議論じゃなくて規模として、まさにこれは地方側も、要するに三兆二千億、何を詰めるかという議論だったわけですね。たまたま、たまたまと言っては悪いかな、私はもう九番バッターで無理やり見つけ出してこられたのが八千五百億なんだという認識がありますけれども、それを持ってこられた。それで、それを削減することになったということでございますから、私どもとしては反対ではございましたが、二兆五千億の中の中学校の分に相当する八千五百億の二分の一、十七年度はですね、それが削減された、こういう認識でおるわけです。
松本(大)委員 何度お伺いしていても、どうもしっくりこないというか、違和感を払拭することができません。どう考えても、これはやはり前言を翻されているだろうととるのが普通の国語力を持った人の理解ではないかなというふうに考えます。
 なぜそこにこだわるかというと、平成十七年度予算案というのは既に衆議院を通過しております。予算委員会での答弁、要するに予算の採決のときの前提条件である大臣の答弁と、その予算関連である今回の法案の審議における大臣の答弁が食い違っているというのは、これは説明不足という一言で片づけることはできないんじゃないかと考えるからなんですが、大臣、その点はいかがお考えでしょうか。
中山国務大臣 何回もお答えしますけれども、よく聞こえない、ざわざわしておりましたので、聞こえない中で耳を傾けて一生懸命聞いたのですけれども、同じことを何でこんなに繰り返して聞かれるのかなという思いがありましたし、もちろん牧委員もわかっておられて聞いておられるんだと思ったものですから、何を聞かれるんだろうと思いながら答えたことは覚えています。私としてはあくまで、中学校の給料の二分の一の分です、このように答えたということは、額としてそういう分なんですよと。何も根拠がないわけじゃなくて、まさに中学校の給料の二分の一という額です、その分ですと、こういう意味で答えたものでございまして、全く前言を翻したとかそういうこともありませんし、ずっと同じ考えのもとに私は答弁しているつもりでございます。
松本(大)委員 多分終わりがない議論になっていると思うので、もうこの辺でやめたいと思いますが、まさに中学校の分の先生方の給料の半分ということで、それがそのままというお言葉と、その中身が中学校の先生方の給料の分そのものであるということじゃないというのは、どう考えても、普通の国語力をもってすれば、これは前言を翻したと理解するのが普通であるということを指摘しまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 先週の金曜日の委員会では、総理が四十七年ぶりにこの委員会に御出席をいただいたということだったのですけれども、総理の答弁を伺っていて私が感じましたのは、教育についても地方分権の流れはもはやとめられないというふうに、少なくとも総理は考えていらっしゃるのではないかなという点であります。
 三月十一日の審議で、総理は、「私は、教育を重視しております。まして、地方団体が自分に任せてもできると言っている、その基本的な考えは今後も尊重していきたいと思います。」と答弁されています。総理は、端的に言えば地方を信じると、このようにおっしゃっているわけなんですが、一方で文科省さんの御認識はどうなのかな、大臣の御認識はどうなのかなという点でございます。
 これまでの審議でも、一般財源化された教材費あるいは学校図書整備費の話が何度となく取り上げられまして、一般財源化されたら地域格差が生じるということをおっしゃっているわけです。
 総理は地方を信じるとおっしゃっているわけですが、大臣はいかがですか。地方を信じていらっしゃるのでしょうか、それとも信じていらっしゃらないのでしょうか。
中山国務大臣 小泉総理が地方にできることは地方にという方針のもとに地方分権を進めておられる、このことは私どももよく承知しているわけでございまして、文部科学省といたしましても、できるだけ教育は現場現場でということで地方分権を進めている、この点では同じ方向だろうと思うわけでございます。
 私どもとしては、そういう地方分権で地方に任せながらも、しかし国は国としての責任があるだろう、それが、標準法とかいろいろなことで基準を決めておりますし、それを裏打ちするものとしての義務教育国庫負担制度である、このように考えておるわけでございます。
 これは午前中の川内議員の質問にありましたけれども、地方を信じるのか信じないのかという話がありましたが、地方を信じたい、信じているわけでございますが、今までの一般財源化された費目について調べてみますと、中には随分減ってきているなというのもありますし、あるいはまた地方によって非常にアンバランスがあるということもあるわけでございます。そういったことを考えますと、本当に地方の方々が教育は大事だということでやってはいただくと思うのですけれども、いわゆる財源ということを考えますと、ないそでは振れぬという事態も生じ得るのではないかな。
 こういうことを懸念して、私どもとしては、少なくとも義務教育の国庫負担制度、これは堅持しながら国の責任を全うしていきたい、こう考えているところでございます。
松本(大)委員 懸念してというお言葉があったのですが、先日発表されました平成十六年度の文部科学白書の百三十一ページに一般財源化の主な問題点を二つ挙げていらっしゃるわけです。
 一つ目は、地方にすべてゆだねた場合には、義務教育に対する国の責任放棄となるんだということ、二つ目は、義務教育に著しい地域格差が生じるという二点であります。一般財源化されたらこれは大変なことになっちゃうんだよという、脅迫というか、不安を駆り立てていらっしゃるわけなんですけれども、文部科学委員の皆様の中にも小学校、中学校のお子さんをお持ちの方も大勢いらっしゃると思いますし、大臣には、スクールミーティングを続けていかれるということでありますので、ぜひ、全国の小中学生のお子さんを持たれる親御さんのお気持ちになって考えていただきたいなというふうに思うわけであります。
 一般財源化されたら非常に困るんだよという、不安ばかりあおるようなやり方のように私はこの白書を見ても思うわけなんですが、こういうやり方について、小学校、中学校のお子さんをお持ちの親御さんに対してこういうやり方はいかがなものかと私は思うんですが、大臣、いかがですか。
中山国務大臣 不安をあおるというふうな気持ちで執筆されたものではない、こう考えております。
 もう既に御承知のように、戦後一時期、昭和二十五年から二十七年にかけまして、これが一般財源化されたことがございました。そのときに、地域間格差ができて、これはいけないということで、知事会を初めとしていろいろなところからの陳情があって、また今の制度に戻ったということもあるわけでございますし、また、先ほども言いましたように、一般財源化されたものの中で本当に減ってきているものもあるんだ、これは事実は事実としてやはり国民一般に、一般の方々にも理解していただかなければならない、これもまた私は文部科学省の責任ではないかな、このように考えております。
松本(大)委員 過去に義務教育国庫負担金が廃止されたときに格差が拡大したということをおっしゃっているんですが、しかし、ちょっと時間の関係で詳しく取り上げられないんですが、これには反論もあります。昨年八月二十七日付の朝日新聞に、地方財政審議会の木村陽子さんの論説として、財源と教育水準は別問題じゃないかという話をされていらっしゃいます。国庫負担金が復活した後でも格差は拡大した、二〇〇一年でも格差は依然として残っている、この五十年間、実はそれほどその格差は大きな変化はないんじゃないかということをおっしゃっているわけなんです。
 もし時間があれば、後でまた取り上げたいと思いますけれども、なぜ不安をあおるのが問題なのかと考えるかといいますと、その不安を払拭するための担保というものを文科省さんとして今用意されようと努力していないように見えるからなんですね。中教審の結論が出るまでの暫定措置だという逃げ方をされているんですけれども、その中教審の結論の取り扱いについてちょっと取り上げてみたいと思います。
 三月二日の衆議院予算委員会で、総理はこの中教審の結論について、「今後のことについては中教審等の意見を踏まえましてよく協議していこうという判断をしたわけであります。」とおっしゃっています。中教審の意見は踏まえるだけにすぎない、ひょっとしたら参考意見になってしまうかもしれないという御認識ではないかなというふうに思います。
 この「中教審等」の「等」の部分について、先週金曜日、三月十一日のこの文部科学委員会で牧委員が御質問されました。その際に小泉総理は、地方と中央政府との協議の場もその「等」には含まれるんだというふうに答弁をされました。この点について、横光委員も同じ趣旨の御質問をされておりますので、改めて大臣に確認させていただきたいと思うんですけれども、中教審の結論がそのまま平成十八年度に講ずる予定の恒久措置に反映されるわけではない、こういう理解でよろしいんでしょうか。
中山国務大臣 この国庫負担制度につきましては、いろいろな方々の御意見も聞きながら判断していくということだろうと思いますけれども、昨年末の政府・与党合意に基づきまして、ことしの秋までに中教審において結論を得ることとされておりまして、政府としてはこの結論を踏まえて判断することとしているわけでございます。判断をする際に、その過程の一部として地方団体との協議の場においても議論するということは考えられるわけでございますが、最終的には、政府・与党合意の趣旨を踏まえて、中教審における結論というものが十分に尊重されるもの、このように考えております。
松本(大)委員 済みません、確認なんですが、はいかいいえでちょっとお答えいただきたいと思うんですが、中教審の結論は必ずしも採用されるかどうかわからないということについて、イエスかノーでお答えください。
中山国務大臣 そのことは、今予断を持って語るべきじゃないと私は考えております。
松本(大)委員 予断を持って語るべきじゃないとか、仮定の話には答えられないとかというような答弁が過去にもあったんですけれども、それで本当にいいのかなという気がいたします。
 というのは、先ほどの文部科学白書、引用させていただきましたけれども、一般財源化されたらこれは地域格差が生じて大変なことになるんだぞと一方では不安はかき立てておきながら、最終的に採用されるかどうかについては予断を持って語ることはしないというのでは、これは余りにも無責任じゃないかなと。最終的に大臣がよしとされている方向性が担保されるかどうかわからない、文科省さんとしてよしとされている方向が担保されているかどうかわからないのに、不安だけあおっておいて、いや、今はそれはどうなるかはわかりません、これにとどまっている限りは余りにも無責任な話ではないかと考えるんですが、大臣、いかがですか。
中山国務大臣 その白書だけではなくて、私ども、スクールミーティング、いろいろなタウンミーティングがありますね、教育改革に関するタウンミーティングとかいろいろなところがありますが、そういうところにおきましては、この義務教育費の国庫負担制度については、過去の経緯も含めてできるだけたくさんの方々に理解していただきたいということで努めているわけでございますが、それを不安をかき立てているというふうにとらえるのはどうかなと思うわけでございまして、私どもは私どもとして、しっかりとこれからもこの義務教育国庫負担制度の重要性については広くPRしていきたい、このように考えております。
松本(大)委員 先ほども申し上げましたが、ぜひ、スクールミーティングに出席された親御さんだと思って僕の質問に答えていただきたいんですけれども、そのスクールミーティングに僕は出席しているとします。それで、一般財源化されたらどうやら大変なことになるんだ、地域格差がついてしまうんだということに不安を持っていらっしゃる出席者の方がいらっしゃったとします。それで、大臣、どうもことしの秋に中教審が結論を出されるそうなんですが、それは必ずしも反映されるとは限らないんですよねと。いや、今の段階では仮定の話には答えられませんと言われたら、おいおい、大丈夫かというふうに親御さんは恐らく不安にお思いになられるんじゃないかなと思うんですね。
 それまでの間、文科省さんとして何か取り組むんですか、そういう地域格差が生じる事態を回避するために、あるいは中教審の結論が採用されるように、何か前向きな努力をされるのかということなんです。仮定の話には答えられないということではなくて、責任を持って主体的に取り組むことは何かないのかという趣旨でお話を申し上げているんです。
 もしもスクールミーティングに参加された親御さんから、今の大臣のお話では非常に不安です、どうなるかわからないと言われているようなものです、ただ、万が一のことがあれば非常に大変なことになってしまうんだというふうに私は感じました、大臣、その辺どうなんですか、しっかりやってくれるんでしょうねと、もしも親御さんから尋ねられたとしたら、そのとき大臣はどのようにお答えになられるんですか。
中山国務大臣 いろいろなタウンミーティングとかそういったところで、まさに松本委員のような御質問も出るわけでございまして、そういうときには、文部科学省としてはしっかり義務教育についての国の責任は果たしてまいりたい、このように考えておるわけでございまして、そういったところのいろいろな意見、議論が出ますから、そういったことも中教審におきます議論の参考として出させていただく、いただいているということでございます。いずれにいたしましても、中教審において議論していただく、政府としてはその結論を十分尊重する、こういうスタンスで臨んでいるところでございます。
松本(大)委員 尊重するというのが採用されるかどうかまでを担保するものではない以上は、親御さんの懸念というのは払拭されないのではないか。しかも、その懸念というのが、文科省さんの側から、地域格差が生じますという形で発信されたものであるがゆえに、なお一層、親御さんの不安は払拭され得ないというふうに私は考えます。
 もし、中教審の結論が尊重されず一般財源化された場合でも、親御さんたちには、大丈夫なんですというようなメッセージを教育の最高責任者として発するべきではないでしょうか。大臣、いかがですか。
中山国務大臣 それこそ仮定の問題でございますから、答える立場にはないと思います。
松本(大)委員 仮定の話には答える立場にはないというのは、一般の人が言うならともかく、教育の最高責任者のお言葉としては余りにも当事者意識を欠いているというか、無責任ではないかなというふうに思います。
 もしも内閣のトップ、総理が、教育の分野でも地方分権の流れは変わらないんだ、このように考えていらっしゃるのであれば、そして中教審の結論が必ずしも採用されないという可能性を残しているのであれば、そうなったときの、万が一のときのリスクヘッジといいますか、当然考えておくのが最高責任者の仕事だと私は思います。
 ぜひ、今後のスクールミーティングを通じて、大臣には、教育の分野においても地方分権がこれから加速していく中で、本当の意味で国と地方の役割分担について、確固たる認識のもとで、それでも大丈夫なんだというメッセージを発信していただきたいと考えますが、大臣、いかがですか。
中山国務大臣 それでも大丈夫なんだと思っているんだったら、私は何も義務教育国庫負担制度堅持ということでこんなに頑張らぬわけでございますから、大丈夫じゃないと思うから頑張っているわけでございまして、ならなかったときにどうするんだ、そのときのことを考えて云々と、それはもちろん考えなければいかぬと思いますけれども、今のところはそうならないように頑張るのが私は義務教育の最高責任者としての文部科学大臣の責任だと思って、今頑張っているところでございます。
松本(大)委員 頑張るというお言葉をいただいたんですけれども、過去の答弁の中で、今、各市町村の教育委員会にアンケートもとっているんだと。本当のところは国庫負担制度についてどのようにお考えなんですかと、県知事の御意見だけではなくて、現場の、市町村の教育委員会の意見も聞きたいということでアンケートを出しているんだというような答弁もなさっているわけですが、その頑張るという取り組みの中には、アンケートを集めて何がしかのアクションを起こすということも含まれているんでしょうか。
中山国務大臣 もちろん、先ほど申し上げましたように、それを資料として中教審にも出しますと先ほどもお答えしたところでございますし、その資料といいますか、統計的にまとめたものを、私は、総理を初めとしていろいろなところに御説明にも回って、そして、この義務教育国庫負担制度の重要性について御理解をいただくような努力を続けてまいりたいと考えております。
松本(大)委員 三位一体改革について、この義務教の問題についての与党間の合意の際に、大臣の署名はそこになかったということで、後から聞いた話だというようなニュアンスの文面を私は読んだことがあるんですけれども、私が心配しているのは、頑張ってまいりたい、事あるごとに主張してまいりたいというふうに大臣がおっしゃっていても、また欠席裁判をされてしまう可能性があるんではないかということについて、私は、そういうことを見据えてどんな手だてを講じられるんですかということを親御さんの懸念の払拭という意味でも取り組んでほしいなと思うからなんです。
 今のお話では、アンケートをとって頑張ると言われても、それが最終的な地方と政府の協議機関の場で担保される保証は何もないわけですから、もう少し何かアンケートをとる以外に、具体的な頑張る中身について御説明をいただきたいと思うんですが、何かほかにあれば具体的に御説明をお願いします。
中山国務大臣 担保される保証はないからまさに頑張るわけでございまして、担保されているなら昼寝でもしていればいいんでしょうけれども、そうじゃないと思って、アンケート調査もその一環でございますし、いろいろなところに出かけて国民的な議論を巻き起こしたい、これもやはり私は頑張っていることだろうと思います。
 また、午前中の議論にもありましたけれども、市町村長さんの中には、堅持してくれ、地方の議員さんの中にも、どうしても堅持してくれ、こういった声もあるわけですから、こういった方々に対する働きかけも必要だろうと思うわけでございます。また、知事さんの中には、やはりこれは国の責任だよと言っていただいている方もあるわけですから、そういった方々をできるだけ多くするというのも、これもまた私は努力の一環かなと思うわけでございまして、そういったあらゆる努力をすることによりまして、この義務教育国庫負担制度を堅持していきたい。
 私は、この前も申し上げましたが、何といっても、十兆円ほどかかる義務教育費でありますけれども、国は三割しか負担していないんですね。それで大きな顔ができるかというのが私の率直な気持ちでございますから、そういった思いを起点にして、私は堅持の方向で頑張っていきたい、こう思っているところでございます。
松本(大)委員 今いろいろと御説明をいただいても、やはり精神論以外の具体的な方策というのが私には聞こえてこなかったんです。
 質疑時間が終了したということなのでこれで終わりますけれども、ぜひ全国の親御さんの懸念を払拭するような具体的な取り組みを、目に見える形でいつまでにどういう取り組みを行っていくんだという、当事者として、教育の最高責任者としてのリーダーシップをぜひとも発揮していただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。

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