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午後一時四分開議
○塩崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。松本大輔君。
○松本(大)委員 民主党の松本大輔です。
水曜日の新聞報道だったと思いますが、大臣が答弁に立つたびに泣いておりましたという報道があったんですが、中には、答弁を聞いた私も思わず泣きそうになるというケースもあるわけでございまして、お互い、泣きを見ないような、そんな委員会にしていきたいなというふうに思います。
きょうは、先般の佐々木委員の御質問に触発されたというわけではないんですが、まず、ある詩を紹介させていただきたい、このように思います。
あやまちは 誰でもする
つよい人も 弱い人も
えらい人も おろかな人も
あやまちは 人間をきめない
あやまちのあとが 人間をきめる
あやまちの重さを
自分の肩に背負うか
あやまちからのがれて
次のあやまちをおかすか
あやまちは 人生をきめない
あやまちのあとが 人生をきめる
こういう詩なんですけれども、大臣、今この詩をお聞きになられて、どのようにお感じになられたでしょうか。
○南野国務大臣 本当に人の心をよくとらえているな、私にとっては過ちは私の足台になっていると思っております。
○松本(大)委員 ありがとうございます。
実はこれは、私が、文部科学委員を兼務しているということもあるんですけれども、ある小学校に授業参観に行きましたときに、その教室に掲げられていた詩でございまして、ブッシュ・孝子さんという方の詩だそうでございます。
小学生に読ませるにはちょっと重い内容かなというふうにも思わなくもありませんが、ある教育サークルのホームページを見ますと、これは教室内で、例えば靴が隠されたとか体操服が隠されたとか、そういうときに道徳教育の見地から読み聞かせる教材となっているようでございます。
私が思いますに、過ちを犯してしまった子に、勇気を出して過ちを認めろ、過ちは取り戻せるんだと伝えたいという趣旨はわかるんですけれども、むしろ過ちを認める勇気が必要なのは、小学生よりも、例えば竹中さんであるとか、あるいは政治倫理を疑われているような方ではないかなというふうに思うんです。過ちを認める勇気が出せないということとか、あるいは、落ちたら二度とはい上がれないんだ、過ちは取り戻せないんだという風潮をよしとしてきたこととか、監獄法の改正を百年ほったらかしにしてきたこと、これはすべて根っこではつながっているんじゃないかなというふうに私は思うわけでございます。
こうした百年の不作為の非を認めて、過ちは取り戻せるんだ、大臣のおっしゃるところでいいますと、人はリボーンできるんだという、人間再生の可能性を信じていくということが、与野党問わず、あるいはもっと言えば、政治、行政、司法を含めた社会全体が共有することが、まず行刑改革の出発点ではないかと私は思うんですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○南野国務大臣 先生の哲学をお聞きいたしました。私も、感銘を受けて、同じように考えております。(発言する者あり)
○松本(大)委員 いや、泣きたくはないですけれども。うれし涙でございます。
本法案の第一条には、「刑事施設の適正な管理運営を図るとともに、受刑者等の人権を尊重しつつ、適切な処遇を行うこと」が目的というふうにされています。平成十六年版の犯罪白書説明資料、ちょっと犯罪白書本体は重いのでこっちを持ってきたんですが、四十四ページに、過剰収容は、受刑者の居住環境、行刑施設の管理運営、適切な矯正処遇の実施、それぞれ1、2、3という番号が振ってありますけれども、この面で看過しがたい支障を生じさせており、いずれの観点からも、収容人員に応じた収容定員とスペースを確保することは不可欠であるというふうに書いてあります。
今読み上げた犯罪白書、それからその前に読み上げた本法案の目的がそれぞれ対応しているんじゃないかなというふうに思います。つまり、この犯罪白書でいうところの1の受刑者の居住環境というところは、本法案の第一条の目的でいえば、「受刑者等の人権を尊重」というものに当たりますし、2の行刑施設の管理運営というところは、同様に、本法案の目的の「刑事施設の適正な管理運営」、また3の適切な矯正処遇の実施ということは、同じように、本法案第一条の目的の「適切な処遇を行うこと」にそれぞれ対応しているというふうに私は考えますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○南野国務大臣 そのとおりだと思います。
○松本(大)委員 ということは、本法案の第一条の目的とこの犯罪白書を合わせて読んでみると、本法案には、刑事施設の適正な管理運営と受刑者等の人権尊重、それから適正な処遇という三つの目的があるけれども、過剰収容というものはそのすべての面で看過しがたい支障を生じさせているんだ、したがって、この法案の目的達成のためには、過剰収容の解消を図っていくということが不可欠であるというふうにこの両方を合わせると読み取れるわけなんですが、法務省もそういう認識をお持ちであるということでよろしいでしょうか。
○南野国務大臣 法務省もというよりも、我々もそのように思っております。
○松本(大)委員 ありがとうございます。
確認させていただきますと、本法案の第一条には三つの目的が書いてある、刑事施設の適正な管理運営と受刑者の人権尊重、それから適正な処遇という三つの目的があるんだ、しかし、そのいずれの面からも過剰収容の問題が看過しがたい支障を生じさせているんだ、したがって、この法案の目的達成のためには過剰収容の解消を図っていくことが不可欠であるんだという認識を私も法務省も共有しているんだということをまず確認させていただいた上で、では、実際の過剰収容対策がどうなっているのかというところをちょっと確認してみたい、順を追って見てみたいと思います。
一昨日の委員視察も含めまして、私、府中と広島と東京拘置所と山口と千葉、あと川越少年刑務所、六施設を訪問してきたんですけれども、六人部屋を八人で使っていらっしゃったり、二名独居というのをやっていらっしゃったり、あるいは教室を十六人部屋に転用していたというケースもありまして、過剰収容の実態は依然として厳しいなという実感を持ったんですが、まず、現状についてのデータからお伺いしたいと思います。
平成十六年度末の既決の収容定員と収容人員、そして収容率を、見込みで結構ですので、お答えください。どなたでも結構です。
○横田政府参考人 お答えいたします。
平成十六年末現在の収容定員と収容人員の数についてお答えします。
まず収容定員でございますが、総収容定員は七万二千百八十二人、うち受刑者等が……(松本(大)委員「既決だけです」と呼ぶ)既決ですか。既決で五万五千二百二十人です。(松本(大)委員「十六年度末」と呼ぶ)十六年度末の定員でございます。それから、収容人員、実際に入っている数は六万四千九百三十一人でございます。
○松本(大)委員 これは、きのうの質問取りのときに実はデータを確認させていただいているんですけれども、その際は、十六年度末の見込みの数字というのをこちらにいただいておりまして、これは既決ですけれども、収容定員の見込みが六万七百二十八人、そして収容人員は、法務省さんから受刑者収容状況という資料をいただきましたが、十六年度末の見込みは六万六千七百二十四人、計算しますと収容率は一〇九・九%になるんですが、今の数字と違っているのはどういう理由。
○横田政府参考人 お答えいたします。
私が先ほど申し上げましたのは平成十六年末現在でございまして、今委員がおっしゃったのは年度末で、この数字は、三月三十一日でございますので、まだ確定しておりません。そこで、見込みの数を申し上げたと思います。
○松本(大)委員 その見込みの数は、今私がここで読み上げたもので間違いないでしょうか。
○横田政府参考人 見込みはそのようでございます。
○松本(大)委員 十七年度予算で、さらに千九百人分の収容能力拡充経費が計上されています。これによって十七年度末には先ほどの数字はそれぞれどういうふうに変化するんでしょうか。収容定員と収容人員、収容率の見込みについてお聞かせください。
○横田政府参考人 お答えします。
ざくっとした数字で御勘弁いただきたいんですが、平成十六年度の補正予算と十七年度の当初予算を合わせまして、トータルで七千三百六十人の収容増が図られることになっております。
そうしますと、数だけで申し上げますと、この建物が全部でき上がれば、おおむね今の過剰収容状態が緩和、解消と言うと極端かもしれませんけれども、大体消えてくるような計算になりますけれども、現実の問題といたしましては、その間にまた次々と新しい受刑者がふえて、最近の年間の純増が大体四千人前後ございますので、そういった点からいたしますと、なおその分が足りないというか、収容する場所が足りないということになってまいります。
大ざっぱなところで申しわけありませんけれども、そんなところでございます。
○松本(大)委員 これも実はきのうの質問取りのときにお答えをいただいておりまして、ここに数字はあるんですけれども、今の局長の御答弁だと、緩和できるとか大体消えてなくなるとか、非常にぼんやりとしているんですが、やはり予算要求たるものは根拠を示す必要があるわけで、定員が何人、人員が何人だと見込まれる、だから収容率はこのぐらいになる、だからこの予算要求には正当性があるんだという話を普通の民間企業であればされると思うんです。
ちょっと細かい数字だという御認識なのかもしれないので、きのうお聞かせいただいた数字をこちらの方で言っちゃいますけれども、十七年度予算で千九百人分の収容能力拡充経費が計上されることによって、十七年度末には既決の収容定員は六万八千五十一人、収容人員は七万一千二百三十人、これによって年度末の収容率は一〇四・七%になるというふうに私はいただいた数字からは計算したんですが、この数字でよろしいでしょうか、御確認をお願いします。
○横田政府参考人 お答えいたします。
あくまでも見込み数字ですけれども、そういうことでございます。それで、それは、先ほど申し上げましたように、十七年度中にまた人がふえていくということを見込んだ上でそういう数字になっているということでございます。
○松本(大)委員 受刑者がふえていくことを織り込んだというふうにおっしゃっていただきました。繰り返しますと、収容定員が六万八千五十一人、収容人員が七万一千二百三十人、収容率が一〇四・七%、そのように年度末にはなるであろうという見込みであるというふうに確認をさせていただきましたけれども、もしこの十七年度の計画が予定どおり進めば、さっきの質問ですけれども、十六年度末で一〇九・九%だった収容率が、これもまだ見込みですが、十七年度予算の収容能力拡充によって、十七年度末、つまり一年後には一〇四・七%まで改善する。現状は一〇九・九%の収容率が、一年後の十七年度末には一〇四・七%まで改善する。
平成十一年度末以来の一〇〇%割れまであと一息というところになってくるわけですが、それでは、悲願の一〇〇%割れというのはいつごろ達成できるとお考えなんでしょうか。十八年度以降の計画や見通しについて教えてください。
○横田政府参考人 大変申しわけありませんが、委員のおっしゃった一〇九%という数字がちょっと私わかりかねましたが……(松本(大)委員「これはいただいた数字から割りました。いただいた数字が違うんだったら訂正してください」と呼ぶ)
いずれにいたしましても、今おっしゃるのは先々の見通しの問題でありますけれども、このように申し上げますと、これまたそういう予算要求の仕方でいいのかとおっしゃるかもしれませんけれども、なかなか既決の被収容者の動向というのは、いろいろな要因で動いてくるものですから、必ずしも予測することは困難でございます。
さて、それでは十八年度末にどのくらいか、十九年度末にどのくらいかということについては、この場で、確たるというか、あるいは大まかな数字ということも率直に申し上げてちょっとお答えをいたしかねますので、その点、御了解をお願いしたいと思います。
○松本(大)委員 過剰収容対策は、この法案の目的の三つの観点いずれの面からも看過しがたい支障を生じさせているんだ、だから過剰収容の解決が不可欠なんだというふうにおっしゃっているわけですね。なので、では現状はどうなっているんだ、その予算要求をして一年後にどうなるんだ、その後いつまでに解消するんだというのを検証していくというのは、真っ当な話だと思うんです。だから、何回か法務省さんともお話をさせていただいて、資料をもらってきたわけですね。もしその数字が違うのであれば、ぜひ御確認をいただきたいと思うんです。
私あてに出していただいた「行刑施設の現状」の受刑者収容状況、十六年度末に収容人員が六万六千七百二十四人、そしてもう一つ、平成十七年四月七日付で法務省矯正局さんとしていただいた資料には、十六年度末の収容定員見込みは六万七百二十八人、この両者を割ると収容率が出てくるんだというふうに思うわけなんですが、それで一〇九・九%という数字を出したわけです。
同様に、十七年度末の見込みについても、この「行刑施設の現状」という法務省さんからいただいた資料に基づいて、年度末の収容人員の見込みは七万一千二百三十人だ。一方で、十七年度に千九百人分の収容能力拡充経費を計上して、では、十七年度末に収容定員見込みはどうなるのか。この法務省矯正局さんの資料によれば六万八千五十一人だ。両者を割ると収容率一〇四・七%という数字を私は計算したんですけれども、収容率はここで計算すればいい話ですが、では、少なくとも収容定員と収容人員ついて、今の見込みの数字が、私がいただいていた数字が間違っているのかどうかというところだけでも確認していただけませんか。
○横田政府参考人 あくまでも見込み、予測ということでお話ししているわけでございますので、間違っているというふうには認識しておりません。
○松本(大)委員 間違っていないと。それで、先ほどの質問になるわけですけれども、十六年度末で一〇九・九%の収容率が、今回の予算計上によって一年後、十七年度末には一〇四・七%まで改善される。一〇〇%割れまであと一息になっているわけですけれども、十八年度以降の計画や見通しを教えてくださいという私の質問に対しては、先々の見通しはなかなか困難だとおっしゃるんです。きっと、予算を伴う話については、財務省さんに気を使って、この場ではなかなかおっしゃりにくいのかなということもわからなくはありません。
実は、先日、伴野委員からの御質問に対しても、定量的な計画というのは、率直に申し上げてこれは難しいというふうに答弁をされました。一〇〇%割れまであと一歩まで迫っておきながら、では、いつ達成なんですかというふうにこっちが盛り上がって聞くと、急に口が重くなる。非常にいけずだなと思うんですけれども、今のような答弁だと、本当に過剰収容を解消する気があるのか、法務省のやる気を疑われかねないんじゃないかなというふうに思います。
もしも官僚の皆さんが財務省に気を使ってお答えできないのであれば、これはぜひ大臣にお伺いしたいと思います。
看過しがたい支障というのは見過ごせないという意味だと思いますけれども、見過ごせない支障なら、できるだけ短い期限を設定して、そのときまでには必ず取り除くという決意を見通しとともにおっしゃっていただけないでしょうか、大臣の口から。
○南野国務大臣 本当に、この数の算定は大変難しゅうございます。多くの何人が罪を犯して刑務所に入られるか、それを予測するというのは、私は本当に少ない方々に持っていきたいと思うと、それは社会全体でやっていただかないと、教育から何から全部それには関与してくると思いますが、希望的観測ではその時点その時点で切ってしか人数は把握できない。
それで、持っている施設との絡み合わせでやっているわけですが、PFIとか、いろいろな予算をいただく範囲の中でやっております。でも、予算をとることについては、年度末、この前の補正予算から始まりまして、最大限努力したつもりでございますので、その成果はお示しいたしていると思いますが、だから何年度でこれが一〇〇%になる、その先五〇%になるということはちょっと申し上げにくい。
再犯防止ということも一つの問題点であろうかなというふうに思っております。お帰りにならないことを期待しながら我々は努力するしかないと思っております。
○松本(大)委員 結果的に、刑務所、受刑者の方の数が見通しを下回ればそれでいいわけであって、いつまでに過剰収容を解消するのかという目標を立てること自体とそれは必ずしも矛盾していないというふうに私は思います。なぜならば、それは、法務省さん御自身が、看過しがたい支障を生じさせていて、その解消が不可欠だというふうにここに書いていらっしゃるからなんですね。
本当にやる気があるのかというふうに私は思わざるを得ないわけでして、本当に看過しがたい支障がある、目的を本当に達成したいと思っている、普通の人であれば、本当に目的を達成したければ、看過しがたい支障があれば全力でそれを取り除こうとされるはずです。
しかも、十七年度末には一〇四・七%、あと一歩のところまで来るわけですよね。であるならば、では、いつまでに達成できるんだということを明らかにされるというのは政治家としての責任であるとも考えますが、それとも、看過しがたいという言葉はうそなんでしょうか。本法案の一条に掲げられている目的を達成したいというのは、本気でおっしゃっていらっしゃいますか。
○南野国務大臣 それは、まさに本気でございます。そのためには、前回の予算案にもしっかりと財務省にお願いしながら、この問題、この問題ということで、人材または予算、それを申し上げてまいりました。それはもう先生御存じのとおりだと思います。
先生も同じく、いろいろな施設を御訪問されておられます。私も施設を訪問しました。独居なんてあり得ない、独居室なんてないのが今の現状でございますので、そういったことを考えるならば、やはり受刑しておられる方々も自分の精神的なものを取り戻そうと思えば環境から始まらなきゃならないということは私も存じ上げております。
そういう環境の大切さということは切々に考えておりますが、要は、お金の問題があります。そのお金の問題も財務省と交渉しながら精いっぱい、またPFIについても、第二番目のPFIまで決めていただいたというところは大きな成果と思っていただきたい。一〇四%を一〇〇%にしたいのは、心ではあしたにでもしたいと思っております。
○松本(大)委員 本気だというふうにおっしゃるんですが、いつまでにという期限を区切っていただけないと、目標達成が近いだけに、目に見えているだけに、非常にがっかりしてしまうんですね。
例えば、私と大臣が、お互いが未婚で長年つき合ってきたとします。もうそろそろ結婚も見えてきたかなというふうになって、だけれども、私の両親が反対している。事実上、その両親の承認を得なければ結婚は不可能だというふうになっている場合、ところが、私は、いつまでたっても大臣と結婚したいという話を両親に話すそぶりもない。
こういう場合、大臣が、では、いつになったら両親に自分との結婚の話をしてくれるんだというふうに聞いたとします。この場合、結婚が目的であって、その目的達成のための障害が両親の承認ということになるわけですけれども、大臣がそうおっしゃっても、私が、うん、そのうちねと言うばかりでいつまでたっても両親の承認を得ようとしない、こういう場合に、いや、でも、結婚したいという気持ちに偽りはないんだ、信じてくれと私が申し上げても、大臣はきっと信じられないと思うんですね。本気で私と結婚したいと思っているのかどうか、多分、その本気を信じられないというふうに思うんです。
これは、悪意に基づくものならば、結婚詐欺という話にもなってしまうわけでございまして、もし一条の目的を達成するつもりが本気でおありなら、いつまでにその障害となっているものを解消するのか、過剰収容を解消するのか、政治家としての大臣の決意をもう一度だけお聞かせください。
○南野国務大臣 先生の結婚の例えはおもしろうございまして、これならば別居で愛を交わしていこうかというふうに思うくらいでございますが。
この人数の問題につきましては、先生ならいつと思われますか。(松本(大)委員「すぐですよ、これは一〇四・七%ですから」と呼ぶ)はい。私にしてみたら、一〇四%まで来ている、もう目の前じゃないか。そのためには、やはり犯罪を犯さないような、ITの問題から何からいっぱいあると思います。一人でも減らしていきたいということを皆さん方と協力したいと思っておりますし、できたら、その方たちがいい形で刑務所から社会に出ていく環境をつくってさしあげるということも、またこれは人数を減らすことにもつながるだろうというふうに思っております。
相手方の数が読めない現状では、まだ先生御不満のお顔をしておられますが、私にしたら早急にしたいということだけ申し上げておきます。
○松本(大)委員 ある方のお話によりますと、実は一〇〇%でも十分でないと考えていらっしゃる。実際、現場の感覚としては八割前後が適正な水準ではないかというようなお話も伺いました。年度末にもう一〇四・七%にまでなろうとしているわけですから、次の年度でやるとか、さらにその次の年度中には必ず達成するんだというような計画を、ぜひ大臣の政治的決断で立てていただきたいなというふうに思います。
時間の関係もあるので、未決についてちょっと触れたいと思うんです。
東京拘置所を見たり千葉刑務所を視察させていただきますと、未決の方が例えば六人部屋に四人で雑居していらっしゃる。この場合、収容率は四割る六で六七%になるという計算なんだと聞きましたが、何となく私は釈然としないものを感じたわけでございます。なぜならば、未決の方というのは無罪判決が出るかもしれない方たちですよね。既決の受刑者の方に比べてより一層人権の尊重が図られなきゃいけないんじゃないかなというふうに私は思います。
その意味では、例えばプライバシーの権利なども、受刑者よりもなお一層保護されなきゃならないんじゃないかなというふうに思うんです。現状、スペースがないということを言われてはいるんですけれども、でも、プライバシーの権利を保障する観点からも、未決の方は本来独居を原則として定員を定め、居室もそのように配置するべきではないかというふうに考えるんです。それとも、未決の方のプライバシーその他の人権については、今回の法案の内容じゃないので勘案しなくていいというお考えなのか。ちょっとそこら辺のところ、大臣の御見解をお聞かせください。
○南野国務大臣 未決の方だからどうでもいいというわけではございません。このたび法案を考えていないということでおはかりになられるのは、これはちょっと別問題だというふうに思います。
未決の被収容者の処遇に関しましては、逃走及び証拠隠滅を防止するという勾留の目的及び訴訟法上の防御権を尊重する必要性から、なるべく独居拘禁とするよう監獄法施行規則において規定されているということは、先生御案内のとおりだと思います。そのために、未決収容者を主に収容する拘置所や拘置支所の施設整備に当たりましては、単独室の確保に努めてきたところでありますけれども、やはり拘置所等は、検察庁などの都市部にある司法機関と近接している場合も多く、その立地条件は制限を受けざるを得ないところから、限られた立地を最大限有効に利用する必要がある。また、警察の留置場から円滑な移監を行うためにも、一定の収容能力を効率的に確保することが求められております。
これらの諸事情を総合的に勘案してみますと、ある程度は共同室の整備もやむを得ないものというふうにも考えておりますが、なお、共同室に収容する場合におきましても、同一事件に関係する被収容者は居室を別にして、いろいろな配慮をとりながらお部屋の割り振りをしておられることは、先生、御見学でも御理解していただいていると思います。
そういう居室のほかにおいても接触の機会がないように、あらゆる環境を想定しながらお部屋割り、またはいろいろなことを施設の職員はしておりますことも念頭に置いていただきたいと思います。そういう環境にございます。
○松本(大)委員 限られたスペースの中でいろいろ配慮をしているんだというお話なんですが、ただ、きのうの委員視察で皆さんもお聞きになられたと思うんですが、警察の留置場に未決と既決の方が雑居している例があるというお話を聞きました。全国の警察でも同様の例は多いのでしょうか。これについて警察庁にお伺いしたいと思います。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
警察留置場は、御案内のとおり、刑事施設と比べますと小規模なものでございますので、この中で十分な収容を確保するためには、警察留置場におきます居室は複数留置を基本といたしております。現下の過剰収容状況のもとでは、受刑者を複数定員の居室に単独留置することは、収容効率を著しく低下させるため現実的に困難であると考えておりまして、そのため、受刑者につきましても他の被留置者と同一の居室において処遇を行っているのが全国的に実態である、そういうことであると承知しております。(松本(大)委員「数としてはどのくらいになりますか」と呼ぶ)数として、全国の留置場というのが約千三百カ所以上あるわけでありますが、現実にどれくらいの、実態として未決と既決が雑居しているのがその日によって違いますので、その辺の正確な数字は承知しておりません。
○松本(大)委員 推定無罪の働いている未決の方と、有罪判決を受けた受刑者の方とでは、当然拘禁の目的が異なると思うんですね。逃亡または罪証隠滅と先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、逃亡または罪証隠滅の防止を目的とした未決勾留と、有罪判決を受けた者に対する懲罰としての拘禁が同じ施設で行われているというのは、先ほどいろいろ配慮されていると言いましたが、これは不適当ではないかなというふうに思うんですが、警察庁の見解と、その後でちょっと法務省の見解もお伺いしたいと思います。
○安藤政府参考人 お答えいたします。
もちろん、単独収容することといたしても十分な収容力を維持できるのであれば、その方が望ましいというように我々も考えているわけであります。しかしながら、先ほど申し上げましたように、受刑者を他の被留置者と分離して収容するとなると、現在の警察の留置場の現状、キャパシティーから見まして、本来複数の者を収容する居室に今度は単独で収容しなければならないということで、収容効率を著しく低下させることになりますので、現実的に困難であると考えておるわけであります。
なお、受刑者と未決拘禁者を同一の居室に収容いたしたとしても、その性質に応じた適切な受刑者処遇を行うことは可能であるというふうに考えております。
加えまして、警察留置場に収容される受刑者というのは、御案内のとおり、収容期間が一カ月未満に限られております。そういうことで、受刑者の処遇の多くを占めます矯正処遇をここでは行わないことにしておりますので、実施される処遇の多くは未決拘禁者と同様のものであるというふうに考えております。
○松本(大)委員 現実的に困難であるからといって、本来そうあるべきかというところの考察を怠ってはならないと思うわけです。適切な受刑者処遇をやっていますよというふうにおっしゃるんですが、監獄法には三条二項みたいなものがあって、分けなきゃいけないというような、ちょっとこれは私の法律の理解が不足しているのかもしれませんが、そのような規定もあるわけで、今のような警察庁の見解に対して、法務省さんとしてはどのように思われるのか。これは大臣の見解もちょっとお伺いしたいと思います。
○横田政府参考人 まず、警察留置場に受刑者と未決拘禁者を同一の居室に収容している点についてのことでございますけれども、この点につきましては、警察留置場における処遇、これは所管外の事項でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
それから、監獄法の分界の規定が代用監獄に適用がないのかという問いでございますけれども、これは、分界を定めました監獄法第三条第二項の規定がどのように代用監獄に適用されるか、必ずしもはっきりしないところが実はございます。少なくとも、この第三条第二項は、監獄は、懲役監、禁錮監、拘留場及び拘置監の四種であるという第一条第一項の規定を受けているものでございます。したがって、代用監獄である警察留置場に必ずしもそのままの形で適用されないというふうに考えているところでございます。
○松本(大)委員 視察させていただく中で僕も幾つか資料をもらったんですが、その中に法務省の英文表記があったんですけれども、法務省の英文表記はどうなっているか、局長は御存じですか。
○横田政府参考人 ミニストリー・オブ・ジャスティスだと思います。
○松本(大)委員 ジャスティスは正義ですよね。僕はそれを見たときに、法務委員であるというのはなかなかすごいことなんだなと思ったんですが、今の答弁を聞いて、いや、所管外の事項だから答弁できない、所管外の事項だったら、正義はどうあるべきかという考察を怠る、本来どうあるべきかを考えることはしないというふうに私には聞こえてしまいました。本当にこれでいいのかというふうに思うわけなんです。
大臣、今局長の答弁をお聞きになられて、いかがですか。
○南野国務大臣 担当として精いっぱいの御答弁をしたというふうに思っております。
○松本(大)委員 泣きたくなるような答弁というのはやはりあるものだなと思わなくもないわけですけれども、大臣の見解を伺いたかったんですが、ちょっと時間の関係もあるので、これは、来年度には未決の部分の法改正も予定されているということなので、またそのときにでもぜひお話をさせていただきたいなというふうに思います。
過剰収容の問題についてぜひ全力で取り組んでいただきたいと思うわけなんですが、その方策の一つに、外国人受刑者の移送という手段も考えられるところではないかなというふうに思います。
平成十六年版犯罪白書によると、F級の新受刑者が平成九年以降毎年過去最多を更新している、十五年は千五百八十四人で新受刑者の約五%、年末の在所受刑者数約六万人のうちの三千人、これもおよそ五%がF級受刑者である、そしてその約半数が中国人である。
これまでも、本委員会で何人かの方が取り上げていらっしゃったと思うんですが、局長の御答弁は「できるだけ早く中国との間で受刑者移送条約を結びたいと考えておりまして、その締結につきまして、外務省を通じて、現在中国側に打診しているところでございます。」とあります。十二月に打診をされたということがホームページか何かに載っていましたけれども、中国側からの反応はあったのでしょうか。
○横田政府参考人 今委員御指摘のように、政府といたしましては、昨年十二月に、これは外交ルートを通じて、日中間での受刑者移送条約の必要性について中国側に提起したということでございまして、これに対しまして、中国側は、この移送条約の必要性には理解を示しまして、日本側の意見は重要なものであるとした上で、その条約は他国の裁判結果を自国内で受け入れた上で自国民に対して刑を執行するという問題を含んでいるとして、慎重な姿勢を示しているという状況でございます。
私どもといたしましては、日中間での人的交流がふえるに従いまして、刑事司法分野での協力をさらに進める必要があると考えておりまして、受刑者移送条約の締結につきましても、引き続き努力をしていきたいと考えております。
○松本(大)委員 結論からいえば、慎重な姿勢というのが中国側の姿勢だということですか。こっちからの受刑者移送条約の締結の申し入れに対して、理解を示すけれども、結局は、向こうの姿勢というのはなかなか慎重で及び腰である、こういうことでしょうか。
○横田政府参考人 及び腰であるかどうかという、そこまでの形容が適当かどうかはわかりかねますけれども、いずれにいたしましても、私どもとしてはぜひとも少しでも早くやりたいという気持ちがあるのに対して、慎重な姿勢であると評価をせざるを得ない対応であるというふうに考えております。そういう趣旨でございます。
○松本(大)委員 その慎重な姿勢を受けて、過剰収容の解消が不可欠である、この法案の目的達成の上でも看過しがたい支障を生じさせているんだとされている法務省さんとして、その慎重な姿勢であるということをこのままよしとされるのか、それともこの次の段階、二の矢、三の矢があるのか、今後の交渉スケジュールなどを教えてください。
○横田政府参考人 私どもといたしましては、ぜひとも中国との間で移送条約を締結したいと思っております。これは間違いのないところでございます。
今後のスケジュールということでございますけれども、これもやはり相手あってのことでございますので、私どもといたしましては、あらゆる機会、ルートを通じて、引き続き、中国側にこの条約の必要性、それからどのような問題点が両者の間にあるのか、また、あるとすればどのようにしてその障害を取り除いていったらいいかといった点につきまして、真摯に協議を進めてまいりたいと考えております。
○松本(大)委員 ポンチ絵というんでしょうかね。法務省さんからいただいた資料の中に、外国人受刑者移送条約の締結に向けては十七年度中に何かをやるんだというようなお話があったように記憶しているんですけれども、十七年度中にはどこまでのことをおやりになられるのか、そこだけでもお答えいただけませんか。
○横田政府参考人 委員がごらんになった資料というのはちょっと私どもわかりませんけれども、私どもとしては、そのようなことは承知しておりません。
○松本(大)委員 それは十六年度のお話だったのかもしれないんですが、この先一年間何をされるのかという予定もまだ全く白紙であるということですか。
○横田政府参考人 白紙と言いますと、また、全くする気がないのかというふうに思われても困るんですけれども、決してそうではなくて、今後とも、いろいろな機会を通じて鋭意やっていく。それにつきましては、申し上げましたように、やっていきますけれども、これまた繰り返しになりますけれども、何しろこういう二国間の話でございますので、相手あって、それに対する対応ということになりますので、いずれにいたしましても、私どもは、ぜひこれは実現したいと考えていることは間違いのないことでございますので、その点は十分御理解をいただきたいと思っております。
○松本(大)委員 相手のあることとはいえ、こうもはっきり過剰収容の解消は不可欠だというふうにおっしゃっているわけですから、本当にこうやって提出された法案の一条に掲げられている目的を達成するおつもりがあるのであれば、今後とも、この過剰収容問題の解決の一つの手段として、この外国人受刑者移送条約、とりわけ中国との締結に向けてぜひ全力で取り組んでいただきたいなというふうに思います。
次に、法案の目的の一つでもある適切な処遇という観点からの御質問を行いたいと思います。
受刑者の総就業人員のうち、職業訓練、生産作業、自営作業、それぞれの就業人員と割合を教えてください。たしか、十六年十二月末時点で数字を持っていらっしゃるということなので、これで教えてください。――済みません、きのういただいているんですが、答弁としていただきたかったので。でも、資料を探されるのにお時間がかかるようであれば、では、きのうお伺いしたので正しいかどうかだけ確認したいと思います。
十六年十二月末時点で、職業訓練が一・九%、生産作業が八一%、自営作業が一七・一%という数字を法務省さんからはいただいたんですが、この数字でよろしいでしょうか。おおむねでも結構です。
○横田政府参考人 申しわけありません。
法案の関係資料、これにも載っておる数字でございまして、間違いございませんというのが結論でございます。
○松本(大)委員 職業訓練一・九%、一方で生産作業は八一%。作業にかかわる人が大半を占めていて、職業訓練に携われる方というのは大変限られているなという印象を持ちます。これで本当に出所後の円滑な社会復帰が可能なのか。再び罪を犯すことなく、真っ当な道で食べていけるだけの就業能力を身につけられるのか。大臣のおっしゃるところのリボーンというのは本当に可能なのか。多くの人は逆に出所してからも職にあぶれる可能性が高いんじゃないかなというふうに思わざるを得ません。
所内では、現状では職業訓練には多くの人は携われない、つまりスキルを身につけられない。しかし、では逆に作業に励めば、スキルは身につかないけれども、出所後の社会復帰の元手となるようなお金は稼げるのかといいますと、それもかなわない。「刑務所の中」という映画が以前、山崎努さんか何かの出演でありましたけれども、原作の作者、花輪和一さんという方ですが、三年のお勤めを終えて手元にもらった金というのは五万九千二十五円だったというふうにおっしゃっています。山本譲司さん、「獄窓記」に書いていらっしゃいますけれども、十四カ月で三万七千八百七十七円だった。法務省さんからいただいた資料によると、十五年の出所者二万八千百七十人のうち、およそ二万人が五万円以下の作業賞与金しかもらっていらっしゃらない。とてもではないですけれども、出所後の社会復帰の元手となるようなお金ではないわけですね。
では、それならば、一方でこの作業が生み出している価値というのはどのぐらいあるのかというお話なんですが、急遽委員長の御承認をいただきました配付資料なんですけれども、左下の方に国庫納入額というものがあります。平成十五年度で刑務作業収入は七十二億円となっているわけですが、これだけの作業収入があるなら、いっそのこと、これを毎年犯罪被害者の救済に充てるという制度をつくってはどうかなというふうに私は思います。それならば、たとえ受刑者への賞与金は少額だ、蓄財には資するものではないんだというものであったとしても、少なくとも、受刑者が懲役として、つまり贖罪の一環として取り組んでいるという作業そのものの意味合いがより深まるんじゃないかなと私は思うんですが、これについては大臣の御見解をお聞かせください。
○南野国務大臣 刑務作業による収益ということに関連いたしておりますけれども、現行監獄法におきましては、作業収入はすべて国庫の歳入となっております。本法案におきましても、第七十六条におきまして国庫に帰属することとなっておるわけでございます。
犯罪被害者の救済のあり方については、現在各方面で検討が加えられているものと承知いたしておりますけれども、いずれにしましても、受刑者の贖罪意識の涵養を図ることは重要でありますので、今後とも矯正教育の充実に努めてまいり、先生のおっしゃっておられるように、仕事といいますか、出られた後の状況なども検討していかなければならないというふうにも思っております。
○松本(大)委員 官僚の答弁を求めているんじゃないんですよ。政治家としてあなたがどう思うか、あなたの判断を聞いているんですね。現行の監獄法では国庫の収入になるということなんて別に聞いていないんですよ。それから、本法案においても国庫に帰属することになっているんです、そんなことは聞いていないんですよ。
本来どうあるべきだと考えていらっしゃるのか。だからこそ、こうやって政治家同士の議論をする意味があるわけですよ。しかも、各方面で考えていただけると。小泉さんじゃないんですから。あなたが法務行政の最高責任者なんですよ。だから、各方面で考えるんじゃなくて、トップのあなたが率先して、どう考えているのか、どうしたいのか、本来どうあるべきなのかという大臣の御見解をお伺いしているわけです。
もう一度、大臣の政治家としての御見解をしっかりとお聞かせいただきたいと思います。
○南野国務大臣 今先生がお配りくださいましたこの七十二億円という問題点、これがどのような形でこのような数字になっているのかということも考えながら、どのようにこれを検討していくのかということもやはり考えてみなければいけないと思いますので、私の今の気持ちで、これはこうしましょうというようなことは申し上げられないと思っております。
○松本(大)委員 法律がどうなっているとか、法案がどうなっているかという話を確認するだけなら政治家は要らないんですよ。前例がない、正解がない、そういう蓄積がないケースで、ではどう考えるのか、どうしていくのかということに答えを出していくのが政治家の仕事じゃないですか。でも、ひょっとしたらその判断が間違っているかもしれない、そのときは選挙で結果責任を問われるわけですよ。だから政治的判断というものが必要になってくるわけですよ。
でも、今の大臣のお話をお伺いしていると、今の法律がどうなっているからできないとか、今回の改正案でもそうなっていないからできないとか、あるいは難しいのでこれからいろいろ各方面に考えてもらうとか、私にはどう聞いても政治家としての思いというものが伝わってこないんですね。その種の御答弁を繰り返されていると、やはり官僚に政治家というのは本当に要らないよねというふうに思われてしまうんじゃないかなという気がいたします。
そこで、ちょっと、さらに聞く気がだんだんなくなってきつつあるんですが……(発言する者あり)ありがとうございます。もう少しだけちょっと突っ込みたいと思います。
この資料で、刑務作業の中には、図表の上の方ですが、刑務作業協力事業部、財団法人矯正協会というものが載っているわけでございます。国はこの矯正協会から、刑務作業収入七十二億円のうちの二十三億円を得ています。この表でいうところの4の国庫納入金二十三億というのがそれです。そして、この矯正協会が払っている管理運営費九・八億円、上に書きましたけれども、これの一部は、これは御答弁いただこうと思ったんですが時間がないので省きますと、実はこの矯正協会には三十七人の公務員再就職者の方が在籍をされていらっしゃるというお話をきのう法務省さんから確認させていただきました。そして、管理運営費九億八千万円のうちの一部は、その三十七人の公務員OBの方への報酬とか給与として支払われているわけでございます。
しかしながら、もとはといえば、その販管費、管理運営費の出どころは矯正協会の粗利益ですね。この粗利は何かというと、つまりは刑務所内で受刑者の方が作業を通じて生み出した価値、利益です。であるならば、先ほどの質問と同様だということですが、先ほどの刑務作業収入と同様の考え方がこの管理運営費について、少なくとも人件費部分についてやってはどうかなということなんです。
つまり、公務員OBの方であれば、既に退職金や年金を受け取れる方なわけですから、それらの方にここへの再就職を我慢してもらうかわりに、その分浮いた人件費を、先ほどの刑務作業収入七十二億円同様に、これもやはり犯罪被害者救済に充てるという考え方も可能だと思いますが、大臣、もう一度御見解をお聞かせください。
○南野国務大臣 もしそういうことができればいいなと思いますが、いろいろ検討してみたい。今ここで、それでいいですよ、それをやりますよということは、やはり難しい問題点でございます。
財団法人の矯正協会では、社会福祉を増進するため、矯正行政の運営に協力するとともに、矯正活動に関する一般の認識の向上を図って、もって犯罪の防止に寄与することを目的として活動しているというふうに承知いたしておりますが、常任理事などの役員、先生が今おっしゃったようないろいろな方々がおられて組織を守り立てていき、これが一つの課題として役割を展開してくださっているということでございます。
○松本(大)委員 できればいいなという頼りない答弁だったんですけれども、普通の人は法律の範囲内で生活をされている。ところが、政治家というものは、法律の方が逆に間違っているんだと思えば、その法律を改正することができるし、ある法律の不在によって、不備によって人権が侵害されていると思えば、新たに法律をつくり出すことができる、これがやはり政治のだいご味じゃないかと思うんですね。その立法を現実的に担保するために先立つもの、つまり予算の後づけもできる、これがやはり政治家のだいご味だと思うんですよ。
だから、本来持っている権能を十分に使えば、あるべき未来により近づけることができるというのが僕は政治家の仕事だと思いますけれども、今のお話だと、できればいいなと思うけれども、何かいろいろ仕組みがあってと言うばかりで、どうあるべきか、そのためにどういう手順で検討していきたいとか、そういう前向きなお考えは全く聞き取れなかったんですね。私は大変残念であります。
たしか所信表明でも、人権の擁護なんだということをおっしゃっていたはずです。「私は、法務大臣を拝命以来、人権の擁護など、その職責の重大さに改めて思いをいたし、よりよき法務行政の実現に向け、国民の目線に立った、真に国民に信頼される法務行政の推進に取り組んでまいりました。」と書いてありますが、人権の擁護ということをおっしゃるのであれば、現状の法の枠内にぜひ思考を狭めないでいただきたいなというふうに思います。ちょっと前向きな答弁がいただけなかったので、これはまたいつか取り上げたいと思います。
私が思うに、この刑務作業の収入、国庫納入金の七十二億であるとか財団法人矯正協会の管理運営費の部分は犯罪被害者の救済に充てるべきだというふうに思うんですけれども、それが仮に実現されたとしても、だからといって、今の作業がそれでいいんだというふうに考えているわけでもありません。実際、行刑改革会議の提言でも、一日八時間の刑務作業時間を確保しなきゃいけないというわけではないんだという趣旨のこともおっしゃっていらっしゃいます。
刑法が定める懲役だからやらせなきゃいけないんだという理由もわからなくもないですし、就業能力向上を図る前に、きちっとした規律ある生活習慣を身につけさせるんだという必要もわからなくはないんですが、ただ、行刑改革会議も提言しているとおり、やはりその作業時間を一部教育的処遇の充実に充てていくということも行われてしかるべきですし、現に試行的に行われている。それで、四月からは七十四庁全庁で実施ということなんですが、実際どうなのかというお話をしたいと思います。
刑事施設の全職員のうちに占める教育専門官の割合、平成十七年四月一日現在で結構ですので教えてください。それからもう一点、平成十七年度の職員純増分二百七十三名のうち、教育関係業務に従事する職員の数を教えてください。――済みません、ちょっと質問取りのときに細かくブレークダウンしていなかった私が悪いのかもしれませんので、お答えしておきます。だから、確認をさせてください。
教育専門官は、レクリエーション及び生活指導に当たる刑務官及び幹部職員を加えても、全体に占める割合は二・八%、純粋な教育専門官としては百四名で、〇・六%にすぎない。しかも、ただでさえこれだけ少ないのに、十七年度の純増分二百七十三名には教育担当職員の純増はゼロというふうになっているわけです。
まずこれを確認したいんですが、その上で最後に聞きたいんですけれども、これまでも、薬物依存者向けのプログラムが間もなくまとまるし、性犯罪者向けの処遇プログラムも今年度中にまとまるし、今回の法改正によって教育を受けることに関する根拠規定も盛り込まれる、だからこれから変わるんだというふうにおっしゃってきたんですが、今のような状態だと、この法案で適切な処遇というのをうたってはいらっしゃるものの、肝心の、それを担保するための人的手当てが全くなされていないんじゃないか、ということはこの処遇プログラムは絵にかいたもちに終わってしまうんじゃないかというおそれがあると思うんですが、これについてのお考えを最後にお聞かせください。
○横田政府参考人 お答えします。
まず、最初に委員がおっしゃった数字、教育専門官といいますか、これは実は、教育の中で、行刑施設におきましていわゆる学科教育を担当している者を教育専門官と呼んでおりまして、矯正処遇に当たる職員というものは、その人たちだけでは決してございません。心理などを含めて各種の専門家の方もおりますし、それから刑務官もまた、さまざまな形で矯正処遇に携わっている人がございますので、その点はちょっと、これでは余りにも少ないじゃないか、確かにこれだけ取り上げれば少ないことは明白ですけれども、決してこの人たちだけで矯正処遇をやっているわけではないということを御理解賜りたいというふうに思っております。
いずれにいたしましても、今度の法案におきましては、やはり改善指導それから教科指導といったものについてこれから充実をして、受刑者の改善更生、社会復帰を図るわけですので、これにつきましては、これまた抽象的かもしれませんけれども、その必要性ということにつきましては私どもも十分承知していることでございますし、その充実につきまして一生懸命努力してまいりたいと考えております。
○松本(大)委員 教育専門官のお話はまた今度の機会にしたいと思います。
私は、保護観察所を訪れたときに非常に印象的だったのは、更生という二文字をくっつけると甦るという字になるんだということをおっしゃっていらっしゃったことです。大臣もリボーンとおっしゃっていらっしゃるとおりでございまして、ぜひ矯正教育であるとか教育指導の充実ということに今後とも全力で取り組んでいただきたいということを最後に申し上げ、私の質問を終わります。