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○塩崎委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、参議院送付、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として法務省民事局長寺田逸郎君、国土交通省大臣官房審議官大庭靖雄君、国土交通省大臣官房技術参事官中尾成邦君、海上保安庁交通部長地引良幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○塩崎委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。松本大輔君。
○松本(大)委員 きのうからスライド登板いたしました民主党の松本大輔でございます。
国会も少しきな臭くなってきたということかもしれません。最近では、私も地元を回っておりますと、次の選挙が厳しい人はさすがに首が涼しそうだねとか、あるいは法務委員会というのは答弁に立っているのは裁判官とか検事さんらしいね、政治家がノーネクタイでいると何か悪いことをして捕まっちゃったみたいだねとか、しゃれにならない言われようをしているきょうこのごろでありますけれども、あのカメラに映っている映像が本当にそんなふうに見えていないことを祈りつつ、きょうの質問に入りたいと思います。
まず、きょうのこの船責法の改正の趣旨についてであります。先週金曜日の質疑で、井上委員からの御質問に大臣が御答弁をされていたと思うんですが、改めて確認をさせていただきたいと思います。
今回の船責法の改正の趣旨というのは被害者の保護の強化である、こういう理解でよろしいでしょうか。端的にお答えください。
○南野国務大臣 先生おっしゃるとおりでございます。
○松本(大)委員 端的なお答え、ありがとうございました。
同じ先週金曜日の質疑で、漆原委員が外国船と第十八光洋丸との衝突事故というものを例に挙げまして、責任制限額が実際の損害額を下回る割合というものをお尋ねになられています。簡単に言えば、被害者が泣きを見た割合は一体どの程度あるのかという御質問だったわけですけれども、それに対する御答弁が、寺田民事局長の御答弁なんですが、「損害額が限度額を上回る割合全体はどうなっておるかと申しますと、日本の船主責任相互保険組合における保険金の支払い件数全体、約八千件から九千件の間でございますけれども、そのうち、損害額が責任限度額を超えている、そのために保険金が限度額に抑えられるというのは、ほんのわずか、全体の〇・一%前後であろう」、こういうふうにお答えをされています。
聞きようによっては、現状でも九九・九%カバーされているんだからいいじゃないかという考え方もあるんでしょうけれども、政府として、今回法改正をされるからには、そうじゃないんだ、わずか〇・一%でもカバーされていない、実際の損害額が保険金額を上回っているケースがあるのであれば、それはできるだけ一〇〇%救済できるように近づけていくんだ、被害者保護を強化するんだと。おお、そうか、大変結構なことじゃないかというふうに私は一見納得してしまいそうになったんですけれども、ただ、よく考えてみると、実はこの答弁は漆原委員の質問の御趣旨に沿っていないんじゃないか、実はミスリーディングな、すりかえ答弁だったんじゃないかなというふうに私は思っております。
そこで、ぜひ局長にお伺いしたいんですけれども、御答弁にあった「損害額が責任限度額を超えている、そのために保険金が限度額に抑えられるというのは、ほんのわずか、全体の〇・一%前後」というこの〇・一%前後という数字についてなんですが、この数字の中に、外国船が加害者になっているケースというのは含まれているんでしょうか。
○寺田政府参考人 これは、具体的に何件外国船かということは承知しておりませんが、全体の数字でございますので、外国船も含めた数字でございます。ただ、大半は日本船ではないかというように私どもは数字の上では考えてはおりますが、確たることは私どもとしては承知をいたしておりません。
○松本(大)委員 今のは少し乱暴な御答弁だったんじゃないかなというふうに思います。
局長は御答弁の中で、「日本の船主責任相互保険組合における保険金の支払い件数全体」とされていまして、日本のPIに入っていない外国船の場合はこの件数に含まれていない。だからこそ、局長御自身が、大半は日本船じゃないかというふうにお答えになられたということではないかなと思うんですが、当然、加害者には、日本船のケースもあれば外国船のケースもあるわけですし、しかも、漆原委員は、第十八光洋丸のケースを例に挙げて御質問をされているわけでございます。これはまさに外国船が加害者になっているケースでございます。
にもかかわらず、局長の答弁には、では外国船全体としてどのぐらいあるのかというケースについては承知していないというか、お調べになられていないというか、それをあえて外された数字というか、日本のPIに入っているケースで、保険金の支払い件数全体の〇・一%ぐらいが実際には損害額が保険金の支払い額を上回ったケースだと。だから、〇・一%という数字には、実際上は外国船のケースはすべて盛り込まれているわけではないということだったんです。
これでは、わざわざ漆原委員が第十八光洋丸の例を挙げながら御質問をされたこの趣旨にかなっていないんじゃないか、誠意ある答弁ではなかったんじゃないかと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
○南野国務大臣 今の先生のお尋ねでございますけれども、やはりそういうような保険にどれだけ入っているかということも、大変大きな課題であろうかと思っております。
外国の保険が幾つあってということを、私、今存じ上げておりませんけれども、そういうものとの兼ね合いでございますので、できるだけ多くの船主がそういう保険に加入していただき、同じ土俵でお話し合いができれば、そこら辺のばらつきは少しでもよくなるのではないかなというふうにも思っております。
○松本(大)委員 今お述べになられたのは、外国の船会社に対する希望というか、はかない願望ではないかなというふうに思うんですけれども、外国の船会社がすべて日本のPIに加入するわけではありませんし、やはり、後にも触れますけれども、外国船が海外の保険会社と契約していて、うまく救済が図られていないケースというのは現に存在をしているわけですから、当然、それについても調べた上で、現状はどうなのかと立法事実の検証を行っていかなきゃいけないと思うんです。
というのは、冒頭の質問で、私、今回の法改正の趣旨は被害者保護の強化なんですかと聞いたら、端的に、そうですというふうにお答えをいただいたわけですから、被害者保護の強化、被害者の視点に立つのであれば、当然、加害者が外国船であろうと日本船であろうと、きっちり立法事実を検証しなければならなかったのではないかなというふうに思います。
残念ながら、かけ声とは裏腹に、どうも、うがった見方をすると、日本の船主に対して、いや、実際には損害額が保険金の支払いを上回っているケースは〇・一%しかないんだから、保険金の上限が引き上がったとしても掛金はそんなに上がりませんよ、だから大丈夫ですと、要するに加害者になり得る船主を説得するためのデータなんじゃないかなと。だから、加害者側の視点に立った説明の仕方なんじゃないかなというふうに私は思っています。
恐らく、被害者になり得る方の立場からすれば、今回の法改正の機会に、泣きを見なきゃいけないというような立法の不作為は解消してほしいというのが人情だと思うんですね。だけれども、外国船のケースは十分な調査、検証がされていなかったというのは、私は非常に残念であります。
本日、お手元に配付させていただいた資料の表ですけれども、これは国交省さんにお調べいただいたんですが、昨年一年間、国有港湾施設で起きた事故が四十七件ありまして、日本船がそのうち十二件、船籍不明の一件を除く三十四件は、つまり七割以上は外国船によるものなんですね。にもかかわらず、外国船が我が国の領海内や港湾施設で起こした事故については、今回の立法事実の検証の中にきっちりとは含まれていないということだろうというふうに思います。
委員長、これまでのやりとりをお聞きになられていたと思うんですが、やはり被害者保護の強化を立法の趣旨に挙げるのであれば、当然、日本船のみならず、少なくとも我が国の領海内、港湾施設で起こした事故については、外国船のケースについても、たとえ日本のPIに加入していなくても、調査をするということを行ってしかるべきですし、そのデータが示されないままにきょう採決が予定されているわけですが、これはいささか尚早ではないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○塩崎委員長 私に対する質問ですか。
○松本(大)委員 ですから、データを出していただいた上で、もっと慎重な審議が必要ではないかなというふうに思うんですが。
○塩崎委員長 そこは法務省の方で御検討いただいたらと思いますけれども、いかがでしょうか。
○寺田政府参考人 大臣から、冒頭に、被害者の救済ということを申し上げたわけであります。それは、もともと、この七六年条約から九六年条約に上がる際に経済情勢が変化して貨幣価値も変わったこと、それから、必ずしも従前では十分でない被害者の救済についてもいろいろ検討された結果、国際的にこういう枠組みができたわけでございます。日本は、海運国全体の中ではいわば率先してこの九六年の議定書に加入しよう、こういう意思決定をして、それが大臣の先ほどの答弁の背景にあるわけでございます。
したがいまして、私どもは、その引き上げ自体、議定書への加入自体は、被害者のことを十分に考えた上で、しかし、もともとのこの船主責任制限法というのは、海上の非常に危険な地域にあえて企業として乗り出していく、そういう海上企業についての一定の、保険を掛けているという現実を前提にした上ですか、保護ということとのバランスから成り立っているわけです。そのバランスが、私どもとしては必ずしも被害者の救済の方に十分バランスが行っているとは思えない部分もかつてあったわけでございますし、現在でも、一〇〇%これが十分に達成されているとはもちろん思っていないわけであります。
先ほどの、私が〇・一%と申し上げましたのは、もちろん加害者側の保険のことも念頭にないわけではございませんけれども、しかし、全体として、この船主責任の制限があることによって救われない方というのは、日本船の場合も外国船の場合も当然あるので、日本船においてそれほど多くないということは、外国船においても保険がかかっている部分についてはそれほど多くないということを通常示しているということで一応お示しをしたもので、外国船については全くそれと違ったデータが仮にあるのであれば、私はそういうことをあえて申し上げなかったわけであります。
今のお尋ねにございますように、外国船についてもいろいろな事故が起こり、かつ、これはこの前の前の審議で申し上げたところでございますけれども、現に裁判が起こっている中には外国船のものも含まれており、かつ、制限額を超えているのに制限額に結局抑えられたことがあるわけでありますから、被害者の救済が十分でないということは私どもも十分認識をした上で、しかし、国際的な調和を考えて、その枠内で今回の議定書に入って、その議定書に基づく法改正をしたい、こういう考え方で、今回、法案を御提出申し上げているところでございます。
○松本(大)委員 その九九・九%という確率は、恐らくは外国船と日本船とでそんなに差はないんだ、ないんじゃなかろうかという仮説を立てられて、そのもとに今回の法改正の立法事実とされているというような気がしますけれども、仮説であれば、やはりそれは客観的なデータをもとに検証していかなければなりませんし、それをぜひ示していただきたかったなというふうに思います。
もう少しこれをやりたいんですけれども、ちょっと時間の関係もあるので、きょうはせっかく国土交通大臣政務官にもお出ましをいただいていますので、次の質問に移ります。
外国船による事故についての具体的な事例として、私の地元広島県で昨年起きましたロシアの木材運搬船による岸壁衝突事故を取り上げたいと思います。
お手元に地元紙の記事を配付させていただきました。昨年九月の台風十八号については、御記憶の方も多いことと存じます。このケースは、私の地元の広島県の廿日市市の木材港というところに停泊していたロシアの木材運搬船が、台風の波浪で岸壁にたたきつけられて沈没した、ロシアの乗組員がお亡くなりになられて、国有財産である岸壁が百二十メートルにわたって破損した、流出した油によってカキなど地元の漁業にも被害が出たというケースでございます。
ただ、問題なのは、台風が去って九カ月たった今も復旧の見通しが立っていないということでございます。
今回のこの事故の概要を、被害額も含めて、また国有財産であるこの岸壁の復旧に向けた国の取り組みについて、国土交通大臣政務官にお聞かせいただきたいと思います。
○岩崎大臣政務官 昨年の九月七日に、広島港廿日市地区岸壁に係留中のカンボジア船籍木材運搬船が、台風十八号によります暴風雨の影響により、船体を岸壁に衝突させ、木材埠頭の岸壁三百七十メートルのうち百二十メートルを破損したものでございます。
施設を管理いたしております広島県からは、詳細については現在精査中と伺っておりますけれども、当該岸壁の復旧見込み額は約一億二千万円程度、また、別途漁業者に対する補償として約六千六百万円が請求されているとのことであります。
国土交通省といたしましては、原因者であるロシア船主と保険会社、港湾管理者との協議を見守っている状況であります。
また、施設の管理の責任の問題でありますが、国が所有している港湾施設に該当いたすわけでありますが、その場合には、国から港湾管理者であります地方自治体に管理を委託し、その施設使用料収入を港湾管理者の歳入としているというのが制度の建前でありまして、船主責任の制限法によりまして船主の責任が制限される場合におきましても、第一義的には港湾管理者である広島県において対応されるものと考えておるわけであります。
○松本(大)委員 被害額が、岸壁損傷部分が一億二千万、漁業被害が六千六百万ということだったんですが、この新聞を読みますと、保険の手続がおくれているというふうになっていまして、もしもこの保険の支払い額が今の一億二千万と六千六百万の合計を下回っていた場合、保険で賄えない部分については、だれの負担で修復するんでしょうか。
○岩崎大臣政務官 現行法によります当該船舶の現在の船主責任制限法上の責任限度額は約一億円と見込まれているわけでありまして、したがって、この事故に際しましては、それを超える損害額が出ているわけであります。したがいまして、それにつきましては、ただいま御答弁申し上げましたように、維持管理の責任は港湾管理者が一義的に持っておられるわけでありますので、広島県において適切に対応されるものと考えております。
○松本(大)委員 国有財産であるのに、一義的には広島県が全額負担すべきだというのは、私は正直なところ違和感があります。
先ほど、保険の金額は恐らく一億円だというふうにおっしゃったんですが、ロシアは我が国に先んじて九六年議定書を批准していまして、もし九六年議定書で計算すると、責任限度額が二億四千万になるはずでございます。したがって、九六年議定書ベースの保険にきちんと加入をしていれば、先ほどの一億二千万の岸壁損傷と六千六百万の漁業被害についてはこの二億四千万の保険でカバーされるということになるわけです。
したがって、その保険がどうなっているんだという事実確認が何より大事だと思うんですけれども、実際にこの船が加入してるPI保険の金額が幾らになっているか調べていらっしゃいますでしょうか。事務方の方でも結構です。
○中尾政府参考人 お答えいたします。
今調べている範囲は、広島県の数字でございますけれども、約一億円というふうに聞いております。
○松本(大)委員 なぜ一億円になっているのかというのは、ちょっと私もこの場ではすっきりはしないんですけれども、ロシアが議定書に批准をしている、であれば当然、このトン数であれば二億四千万の保険に加入してしかるべきであると思いますので、実際のところはどうなのか。今、聞いておりますということだったんですが、九六年議定書に批准をしているんだという事実をもとに、これは二億四千万じゃないんですかという突き返しというか切り返しを、ぜひ、設置者であり所有者でもある国が、県に対して、確認をとらせるというか、連携して確認を急いでいただきたいと思いますね。
もしこれが保険でカバーされていれば、先ほど政務官がおっしゃった、その上端の部分というか、カバーされない部分は県が一義的に負担すべきだというところも、県の負担は少なくなるわけですから、そういった意味でも、実際の保険の金額が幾らなのかという調査をぜひ県と連携をとって行っていただきたいと思います。
さて、この船責法なんですが、三条三項に「船舶所有者等若しくは救助者又は被用者等は、前二項の債権が、自己の故意により、又は損害の発生のおそれがあることを認識しながらした自己の無謀な行為によつて生じた損害に関するものであるときは、前二項の規定にかかわらず、その責任を制限することができない。」という責任制限の阻却事由が付されております。
そこで、今回の事故については、海上保安庁の沖合への避難勧告を無視してそのまま停泊し続けたというケースでございますので、その海上保安庁を所管している国交省さんに伺います。
このロシア船の船長による行為、避難勧告を無視して停泊し続けた行為というのは、現行法、船責法の三条三項に規定される責任制限の阻却事由に該当するのかどうか、政府としての見解をお示しください。
○岩崎大臣政務官 これは、具体的事案の関係でございますから、そうした観点も踏まえて、現在、原因者でありますロシア船主、それから保険会社、港湾管理者であります広島県の間で協議しているわけでありますから、ただいま御指摘の点も十分協議の対象になっているものと考えているわけでございます。
○松本(大)委員 我が国の国内法に抵触しているかどうかを協議する必要はないと私は思います。
では、この法律の所管官庁である法務省に伺いたいと思います。
民事局長に、先ほどのケースがこの三条三項の責任制限の阻却事由に該当しているのかどうか、見解をお示しいただきたいと思います。
○寺田政府参考人 この責任制限阻却事由というのは、具体的な事実を前提に考えなきゃならないわけでございまして、今委員がまさにお取り上げになられました、台風が接近しているあるいは暴風雨が来ている、どのぐらいの強さなのかというような、さまざまな事実関係をもとに判断いたしますので、私どもとしては、一義的にこれがどちらに当たるか当たらないかということを今申し上げることができる状況にはございません。
○松本(大)委員 何か大変寂しい御答弁なんですけれども、なぜ私がここにこだわるかといえば、要するに、保険で賄えなければ広島県が全額負担して直してくださいよと言っている。では、保険でカバーされているかどうか確認したんですかと聞けば、いや、一億円だと聞いているということなんですが、実際にロシアは九六年議定書を批准しているわけですから、二億四千万であったとしてもおかしくない。さらに言えば、責任制限の阻却事由に該当していれば、そもそも保険金云々ではなくて、全額の賠償責任がこのロシアの船に生ずるということで、広島県としてもあるいは国としても、国有財産の復旧に向けて交渉のハードルが下がっていくということになるから、私はここにこだわっているわけでございます。
昭和五十七年の改正の際に、太田誠一委員がこの三条三項に定める無謀な行為について質問をされています。当時の中島民事局長は次のように答弁しています。「たとえばあらしが来ておる、その最中に出航をすれば事故発生の危険は非常に高い、そういうことを認識しながら、通常人であれば当然思いとどまるべきであるような状況のもとで出航をした、あるいは船主の場合であれば出航を命じたというようなことが、この「損害の発生のおそれがあることを認識しながらした自己の無謀な行為」に当たるであろうというふうに理解をしておるわけでありまして、」というふうに答弁をされています。
このケースは出航したわけではありませんが、「たとえばあらしが来ておる、」「事故発生の危険は非常に高い、そういうことを認識」というケースに該当しておりますし、そういうことを認識したからこそ、海上保安庁はそう認識したからこそ沖合への避難勧告を出したわけですね。海上保安庁に沖合への避難勧告をされれば、損害の発生のおそれがあることを当然認識し得たはずなんですね。
ですから、この答弁で言うところの、「通常人であれば当然思いとどまるべきであるような状況」、この場合は、勧告を無視して停泊し続けるようなことは、当然思いとどまるべきであった状況に該当する。したがって、「損害の発生のおそれがあることを認識しながらした自己の無謀な行為」に当たるというふうに私は思います。
改めて民事局長にお伺いします。
過去の中島民事局長の答弁に照らして、今回のロシア船の行為はこの三条三項の無謀な行為に該当する、したがって責任制限は阻却されるべきであると考えますが、もう一度御見解をお願いします。
○寺田政府参考人 当時の中島民事局長の答弁、私も記憶いたしておりますが、これは、一般論といたしまして、どういうケースがここの無謀な行為に当たるかということを問われましてそのような答弁をしたわけでございますが、先ほども申し上げましたように、では具体的な事実が本当にこの三条三項に当たるかどうかということは、これはやはり事実関係によりますので、おっしゃられたように、それに当たる可能性があるかというお尋ねであればその可能性はあるとは思いますが、それに当たるかどうかということを政府として確定的に申し上げるような問題ではないだろうというふうに先ほど御答弁申し上げたわけでございます。
○松本(大)委員 可能性はあるのであれば、ぜひ、それに該当するのかどうか突き詰めていただきたいと思います。これは国有財産ですから、このまま、台風が去って九カ月間もそれが復旧されていない、国益が損なわれ続けているわけですから、ぜひその点を詰めていただきたいなというふうに思います。
このお手元の資料に戻っていただきますと、復旧の見通しが立っていないケースというのは、私の地元のケースだけかと思いましたら、実は八件あるんですね、黒いマジックで囲んだところなんですけれども。その八件のうち五件が外国船が原因になっているんですね。
先ほどから官僚の皆さんからはつれない答弁が続いておりますので、ぜひ、せっかくお出ましいただいた、政治家である政務官の政治的判断を求めたいと思うんですが、この廿日市の木材港の岸壁の復旧に向けて、例えば保険内容の確認であるとか、加害者との交渉、事実関係の確認であるとか、あるいは最悪の場合の財政支援も含めて、私は、設置者であり、そして所有者であり、そして被害者でもある国がもっと主体的、積極的に関与すべきである、広島だけではないわけですから、こういったケースについては国が積極的に関与すべきであるというふうに考えますが、政務官の御見解をお聞きしたいと思います。
○岩崎大臣政務官 先ほどもお答えしましたように、国有施設である港湾施設については、港湾管理者に維持管理をすべてゆだねているわけで、その対価といたしまして使用料の徴収権限を与えているわけであります。
したがいまして、幾つかの件についてまだ処理が済んでいないということでありますが、当然、港湾管理者としてそこは港湾機能をきちっと確保しなきゃいけませんから、港湾機能に支障のないように話し合いをできるだけ早く進めていただきたい、このように期待をいたしているところであります。
○松本(大)委員 そもそも、前回の改正並みに今回の改正が早く行われていれば広島県もこんな苦労をしなくて済んだわけですから、やはり岸壁の所有者である国も、今ずっと連なってきた答弁のように、何か傍観者のような立場をとられるんじゃなくて、国民の税金で建設された国有施設が復旧されないまま放置されている、国益が損なわれ続けているということに関して、ぜひ主体的な取り組みを行っていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
○塩崎委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○塩崎委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、参議院送付、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○塩崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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