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緑資源機構の官製談合疑惑

自治体の財政健全度を示す「実質公債費率」が広島県は17.1% 47都道府県中ワースト5位である。

ちなみに広島市のそれは20.8% 政令指定都市の中ではワースト3位。

定率減税が廃止され、つまり増税が行なわれる中、また所得税から住民税への税源委譲が行なわれる中、自治体の税金の使い道については、より厳しい目でチェックを行なっていかねばならない。

私が初当選以来取り組んでいる細見谷林道建設問題は、まさにこの税の無駄遣い一掃、不要不急の公共事業に待ったをかけるための象徴事例だ。

その細見谷林道工事の発注者である、農水省所管の独立行政法人緑資源機構に対して、昨年10月、公正取引委員会が立ち入り検査を行なっている。
現在調査は継続中だが、官製談合の疑いがもたれていると報じられている。
おりしも農水省では、水門談合の疑いがかかっているところである。(2007年2月26日毎日新聞
そこで今日の予算委員会分科会では、この緑資源機構の官製談合疑惑をとりあげた。

質疑の詳細は、いつものように、衆議院TVのビデオ(ネット配信)をご覧いただきたいが、概要、取り上げた論点については以下の通り。

1.緑資源機構における契約の実態
そもそも原則(一般競争入札)と例外(指名競争入札随意契約)が逆転してしまっていることに問題あり。会計規程の大幅な見直しに踏み込むべきだ。

・今回談合疑惑がもたれているのは測量・環境影響調査(←細見谷林道工事でももちろんこれが行なわれている!!)などの建設コンサル業務の入札。
緑資源機構の会計規定を見ると、本来は一般競争入札が原則。それなのに一般競争ゼロ、随契と指名競争入札のみでしかも落札率が92%程度という契約状況は適正なのか?
適正ならば公取の立ち入り検査が入るはずがないと考えるが如何?

・そもそも抜け穴だらけの会計規定だから、談合を生む下地がある。建設・コンサル業務のみならず、例えば昨年も本分科会で取り上げた土木工事がある。こちらは18年度から一般競争入札も行なわれたとはいえ、それ以前の、例えば17年度通期は落札率93%程度。金額ベースでは土木がコンサルの10倍以上。(つまり、むしろこちらが本丸)
測量・コンサルのみならず公取としてはこちらも調査するつもりはあるか?

・土木工事はH18年度から一般競争入札が行なわれるようになり、その落札率も83%程度。節約効果があることは明らか。しかし上半期だけとはいえわずか10件ではあまりにも少なく、件数ベースで林道工事の5.6% 金額ベースでも16.3%に過ぎない。未だに一般競争入札が例外という位置づけ。つまり原則と例外が逆転していることに変わりは無い。会計規定19条2項2号の規定の恣意的判断を許している限り、その適用範囲が際限なく広がり、原則と例外が逆転という状況は不変。
全国知事会指名競争入札原則廃止まで踏み込んだ。会計規定を改正して、指名競争入札を全廃すべきではないか。
・国(農水省)が金も人も出している先。しかもその原資は税金。農水省の姿勢では国民は到底納得しない。

2.受注者側への天下りの実態
安倍内閣は、押し付け的斡旋の実態調査を進める考えを示した。今回公取の立ち入りを受けた受注者も多くの天下りを受け入れている。押し付け的な天下り斡旋の実態を早急に調査・公表し、一定の責任(処分)は明確にすべきではないか。

・道路公団の橋梁談合、防衛施設庁の官製談合ではいずれも天下りOBが深く関与していた。
緑資源機構発注の測量・建設コンサルタント業務の受注者への公務員退職者の再就職状況は、
6つの公益法人に288人もの天下り。内役員も49名で、そのほとんど(44名)は林野庁OB。

緑資源機構発注業務の受注割合はどうかといえば、6法人が占める割合は、緑資源機構の建設・コンサル業務分の契約総額(指名競争入札随意契約しかない)855百万円のうちの実に
50.5%、金額にして431百万円を天下り先となっている6つの公益法人が占めている。(業者は全部で18あるが)

・しかも、この6法人のうちの実に5つが今回公取の立ち入りを受けている。橋梁や防衛施設庁同様、天下りを背景とした官製談合なのではと疑いを持ちたくもなる。やはり天下りの受け入れ実績を勘案しながら業務を割り振ってきたのではないか?逆に言えば、仕事がほしければ、あるいは仕事を発注してやっているのだからOBを受けいれろと要請しているのではないか?

・安倍内閣としては押し付け的斡旋が実態としてはあったのではないかと考えていると予算委で答弁あり。報道では渡辺規制改革担当大臣も実態調査を指示したと言われるが、農水大臣自身は過去にさかのぼって調査し、公表されるのか。その結果、押し付け的斡旋があったと判明した場合、一定の責任・処分は明確にするのか?

3.官製談合の疑い(発注側の問題)
報道によれば今回は官製談合の疑いあり。つまり問題はOBを受け入れる受注側ばかりにあるのではない。発注元の緑資源機構が主導した談合であるとすれば、しかも公団時代から林野庁OBの天下りポストが連綿と主導してきた談合であるならなおさら、林野庁として、また農水省としても公取任せにせず、自ら真相究明に乗り出し、進んでうみを出す自浄能力を発揮すべきだ。官製談合は、橋梁(道路公団)、防衛施設庁についでこれで3度目の疑惑。国民は厳しい目で見ている。そのことを強く自覚し、自ら進んで速やかに調査を行なうべきだ。

・報道によれば、機構の森林業務担当理事や林道企画課長が受注調整に関与したのではとされている。関与はあったのか?これは事実か?

・しかもこれらの理事や課長が証拠隠滅まで指示したとの報道もある。証拠隠滅の事実はあったのか?

・なぜ自らの組織内の問題なのに進んで調査をしないのか。機構理事長は職員等に聞き取り調査はしたのか?

緑資源機構のみならず、これだけ出向者を送り込んでおきながら、金も人も出しておきながら、農水省も知らん振りというわけにはいかないはず。当事者意識を持つべき。つまり省庁から出向者・経営陣を送り込んでいる先が、このような疑惑をもたれていることにつき、農水省は自ら進んで調査を行なうべきではないか?自浄能力を発揮すべき。

定率減税も全廃され、納税者は税の使い方に敏感になっている。そういう時期に談合疑惑をもたれているということに思いをいたすべき。
やはり官製談合だから、自ら進んで調査というのは気乗りがしないのかなと思わざるを得ない。

4.2001年の排除勧告とその対応
農水省が自ら進んで調査はしないということだが、今回は2度目。ならばせめて公取の調査でクロと判明した暁には、厳正な対応を行なうべき。

・実は林野庁天下り先受注者に公取の立ち入り検査が入るのは今回が初めてではない。2001年の排除勧告の概要は?

・今回の疑惑が悪質なのは、受注側が5年前にも排除勧告を受けながら、その後も談合を繰り返した疑いがあるということ。2001年に排除勧告を受けたうちの4つの公益法人は、今回も公取の立ち入り検査を受けている。懲りない4法人は悪質。しかも公務員OBが多いところほど懲りていないということ。また、これら公益法人を監督するよう公取から要請されていたにもかかわらず、また林野庁OBが天下りしている公益法人でもあるのに、再発を招いていしまった林野庁の責任は極めて重い。

・さらに発注元である緑資源機構にも、林野庁からの多くの出向者が在籍し、経営陣の過半を送り込んでいる。そういう法人が自ら主導して官製談合を行なったのだとすれば、2001年に要請を受けていた林野庁がところをかえて、今度は進んで談合を主導した、つまりもっと悪いことをやったということ。つまり全く無反省ということである。これはゆゆしき問題。機構に対しても厳正な対応が必要。調査はしなくても、せめてクロだと判明した暁には、厳正な対応が取られなければならない。

・とりわけ、完成談合の疑いがクロだとなれば、一番責任が重いのは、それを主導した緑資源機構公取の調査で官製談合と判明すれば、補助金大幅削減、出資比率や出資額の見直しなどの厳正な対応があってしかるべき。たとえば指定法人化して、緑資源機構を独占的な地位から外すという手もある。それぐらい厳正な対応を行なう考えはあるか?

公取の調査を見守るという答弁ばかりが目に付く。政治家は、傍観者ではなく、改革者であるべきだ!

なお、時間の関係で触れられなかったが、2001年勧告当時、林野庁国有林野部長という幹部の立場にあった人物が今の緑資源機構の理事長である。
つまり自分たちの再就職先には甘くならざるを得ないというずぶずぶななれあい関係が続いてきたということ。しかも理事長が機構の入札制度の改革委員会委員長。さきほど触れた疑惑の理事もメンバーに入っている。補助金の原資を提供している納税者が納得するはずが無い。実際委員会の議事概要を見ても、天下りのことは全く触れられていない。
与党には天下り・談合を根絶し、税金の無駄遣いを一掃する考えなど毛頭ないということを改めて確認した。

民主党は、天下り談合を根絶し、税金を1円たりとも無駄遣いさせないよう、今後も立法府としてのチェック機能をしっかりと果たしてまいる所存。