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元衆議院議員 松本大輔のホームページ

年金~検証その7

郵政選挙が行われたときは、前年の年金改悪が到底100年安心などという代物ではないことを多くの国民が見抜き、長年にわたる年金保険料の流用に怒りあきれ果てていたときでもあった。

しかし郵政民営化の○×の影にかくれ、こうした問題も含めて与党が信任を得たということになってしまったのではないか。

あれから約2年。

結果どうなったか。

100年安心を語る振り込め詐欺だったのかと思わざるを得ない実態が明らかになった。

5000万件、1430万件、187万件などなど次から次へと新しい数字が小出しにされてきた。

国民年金の納付記録3000件のサンプル調査の結果も当初社保庁は入力ミスは4件と報告していたが、私たちの指摘を受け、実は35件の入力ミスがあったことが発覚した。つまり過小報告、いや偽装・粉飾、事実の隠蔽を行なったわけだ。

そればかりではない。なんと職員が保険料を横領したケースまで指摘されている。会計検査院の資料によると89年から02年までの保険料横領額は発覚した分だけで1億1千万円にのぼっているとの報道もあった。

開いた口がふさがらないとはまさにこのことだ。

管理を怠る、入力を怠る、隠す、横領する。

指摘されない限り、追求されない限り、事実を明らかにしない。

1430万件や187万件は、いずれも衆議院強行採決してから次々と明らかになってきたことだ。

やはり臭いものにふたをするための強行採決だったんだ。そういうそしりを免れないのではないか。

社会保険庁には、国民の大切な年金を預かっているという責任感が根本的に欠けていると言わざるを得ない。

こうした隠蔽体質を目の当たりにすればするほど、「まだ他にも不都合な真実が隠されているんじゃないんだろうか、本当に大丈夫なんだろうか。」
そういった不安や疑いは、返って強まるばかりだ。

3年前の年金制度改悪以来、政府は100年安心の年金制度改革だと強弁を重ねてきた。しかし先日の読売新聞の世論調査にもあったとおり、実に7割を超える方々が、年金不信を抱えていらっしゃるというのが現状だ。
年金制度を支えている国民との信頼関係が、完全に崩れ去ろうとしている今、100年安心だなどと思っていらっしゃる方は皆無ではないか。

民間企業でこのような不祥事が起こった場合、全容解明・被害者救済・責任者への厳正な対応・再発防止といった4点が求められる。

政府も被害者救済を喧伝しているが、強行採決した後で、未入力のデータが1430万件も存在することが明らかになるなど、不都合な真実を隠し続ける姿勢を政府が取っている限り、大前提の全容解明すら困難であり、そうなれば被害者救済も漏れが大きなものとならざるを得ないのではないかとの疑念が拭い去れない。

社保庁は非公務員化というが給料は引き続き全額税金で賄われる。財政上のインパクトは無い。政府の天下りバンク法とあいまって、社会保険庁日本年金機構に衣替えした暁には、天下り規制すら及ばない特殊法人が誕生してしまう。天下りし放題の組織への看板の架け替えが不祥事だらけの組織への厳正な対応だと思うものは誰一人居ないはずだ。

また再発防止にいたっては、実効的な対策が打ち出されていないというのが現状だ。

民主党は、3年前の参議院選以来、こんな社保庁は即座に解体し、その機能を所得データを持っており、高い徴収実績をあげている国税庁と統合することで重複する無駄を省き、かつ納付率と制度への信頼を回復すべきだと訴えてきた。

また、共済年金は積立金の運用が投資ではなく融資であったり、基礎年金の国庫負担も国民年金や厚生年金と違ってこれまで必ず満額(3分の1)出されており、積立金を取り崩して国庫負担の不足分をカバーすることもない(取り崩し額は国民年金で累計2兆円、厚生年金で同4兆円!!)、さらには納付記録の保存についても国民年金や厚生年金と違って紙台帳もマイクロフィルムもすべて保存しているというような不公平を根本的に解消するためにも、年金制度の一元化を訴えてきた。

政府は共済と厚生年金の一元化を84年に決定し、95年に期限を設けていたが、官僚の既得権に切り込むことをためらい続け、以来今日までずっとたなざらしにされてきた。
民主党が訴える国民年金を含む年金制度の一元化にも、出来っこないと及び腰の姿勢をとり続けてきた。

しかし、この一元化を先送りし続けることは、結果として自分たちの共済は大丈夫だから、国民年金や厚生年金の管理などは他人事だというずさんな管理が続いてしまいかねないという状況を放置することになりはしないのか、結果的に再発防止への大きな妨げとなりはしないか。
年金制度への信頼が完全に崩壊し、私たちや子や孫の将来の暮らし、私たちの両親の今の暮らしを不安定で危ういものにしかねないのではないか。

問題はそればかりではない。
今回の政府提出法案については、消えた年金被害者救済の問題のみならず、社会保険庁改革関連法案にも重大な問題が潜んでいる。

年金の掛け金を、年金の支払い以外に使い続ける、しかも来年からは国会の審議すらなくても可能になるという内容が盛り込まれているからだ。

私たちは年金保険料は、年金の支払い以外には使うべきではないと考えており、この年金流用恒常化法案にも反対をした。

これまでも、「福祉を増進するため」に必要な施設と称して、私たちの大切な年金保険料がグリーンピアのような無駄なハコモノ建設にじゃぶじゃぶと浪費されてきたことは皆さんよくご存知の通りだ。年金給付以外の目的に流用された保険料は総額で約6兆円にも上り、いってみれば年金なんでも福祉法とでも言うべき状態だった。
格安家賃の職員宿舎、黒塗りの公用車、さらにはゴルフボール、ゴルフクラブ、カラオケセットまでもが年金保険料で購入されたケースもあった。

ところが今回の改正で、年金保険料の使い途は福祉の増進から、年金に関する教育や広報、相談、情報提供などに変わる。年金教育や情報提供と称しさえすれば不必要なモノやサービスでも年金保険料を流用することが可能となる。

つまりは、今回は社会保険庁改革などと呼べる代物ではなく、年金保険料の新たな流用に道を開くものだということだ。

今年(19年度)も私たちの大切な年金保険料からなんと1000億近いお金が、年金事務費という名目で年金給付以外の目的に使われることが決められている。しかし今までは、まがりなりにも毎年予算関連法案(特例法)として国会審議が行なわれてきた。ところが今回の法改正で、これからは毎年の国会(特例法)審議は不要となる。
政府の社保庁改革関連法案は、こうした年金保険料の流用を、今後は毎年の国会審議無しで可能にしようというものに他ならない。つまりは改革とはほど遠い、年金流用恒常化法案というのが実態だ。

金保険料が不正に免除をされる、まじめに払ってきた人の保険料の納付記録が社保庁のずさんな管理が原因で誰のものか分からなくなり、年金保険料の支払い実績が受け取る年金に正しく反映されなくなる、本来もらえるはずの年金を受け取れなくなる、社保庁改革と称してどさくさまぎれ年金保険料の新たな流用に道を開く、しかも今後は毎年の国会審議無しで年金事務費への流用を可能にする。

こんな与党のでたらめを許していたら、一体全体私たちの大切な年金はどうなってしまうのか。

社保庁のずさんな管理が原因でまじめに保険料を払ってきた人たちの年金までもが消えてしまう、減ってしまうというようなとんでもないことがこのまま組織の衣替えだけで許されてしまってよいのか、改革とは名ばかりの年金保険料の流用し放題、無駄遣いし放題を許すのか、それともそのような与党の姿勢にはっきりとNOをとなえるのか、参議院選挙で大きく問われようとしている。

年金制度への信頼を回復し、老後の安心を取り戻していくためにも、引き続き私たちの活動へのご理解とご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げる。