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元衆議院議員 松本大輔のホームページ

質問に立つ

文部科学委員会で質問に立つ。
今日は文科省所管の独立行政法人科学技術振興機構(以下JSTと言う)を取り上げた。

質疑の模様は、いつものとおり、衆議院TVのウェブサイトをご覧いただきたい。

<累積損失750億>
同法人の文献情報提供業務のサービス開始は和32年。
この50年間で黒字になったのはたった一度、しかも事業本体ではなく、移転に伴う土地の売却益という特殊要因でH4年度にたった一度だけである。
その結果つもり積もった累積損失は750億円を超えている。

H17年度当期利益▲21億円 H18年度同▲12億円 H21年度に単年度黒字化を実現し、繰越欠損金を継続的に縮減できる見込み。と政府は主張するが、累積損失を解消するめどはたっていない。

H21年度に単年度黒字化を達成しない場合には事業廃止等の抜本的見直し。という説明を行政改革推進本部の行政減量・効率化有識者会議で行なったようだが、単年度黒字化さえ達成できれば、それで(この事業継続は)OKというわけではない。

民間の平均給与は9年連続下落を続けている。一世帯あたりの平均所得も過去17年で最低を記録している。そんな中、今年6月には定率減税が全廃され、年金保険料は今年も4月あるいは9月から引き上げられた。政府の無駄遣いについての国民の目は大変厳しいものがある。

750億を超える膨大な累積損失一掃の見通しさえ立たないのに、漫然と公金投入を続けるというのでは、納税者が納得するとは到底思われない。

やはり今回の独法の整理合理化の機会をとらえて大鉈をふるうべきだ。

<役員報酬の見直しは甘い>
この独法、調べて見ますと色々と問題が多い。財政状況が厳しくなった場合、民間企業であればまず取り組むべきは、社長を含めた役員報酬の削減、経営陣の待遇の見直しだが、H17年度の役員報酬総額は94,187千円。H18年度は97,198千円。
参議院の決算委員会でH17年4月に取り上げられたこともあるのに、その後も3百万円増額になっている。

政府は色々説明したが、要するに既得権には手を付けないということだ。

単年度で10億も赤字の出る事業を抱え、累積損失が750億にも達して政府出資金を毀損している食いつぶしている法人が、本来真っ先に手を付けるべき役員の既得権への踏み込みが退任するまで現状維持と言うようではいかにも甘いといわざるを得ない。

<従業員給与についての釈明も的外れ>
役員ばかりではない。政策評価独立行政法人評価委員会の「独立行政法人評価年報」(H17年度版)を読むと、特記事項として「職員の給与水準が国家公務員の給与水準に比べてやや高くなっているが、今後ともその要因について十分に分析、検証を行い、所要の措置を行なうべきである。」とある。

JSTのHPには「役職員の報酬・給与等について」とあるので見てみると、職員と国家公務員および他の独法との給与水準の比較指標とあった。
それによれば対国家公務員で127.1 つまり27.1%も高い
対他法人でも117.8 つまり17.8%も高い
これについては学歴構成の違い、地域手当の違いとこの日の委員会で釈明していたが、学歴を勘案しても対国家公務員で122.7 在職地域を勘案しても119.7 学歴と在職地域の両方を勘案しても115.9 と結局国家公務員より15%以上も割高であることをその後自らHP上でも認めており、墓穴を掘る結果となっている。

国からの財政支援が予算全体の約9割を占めているにもかかわらず、給与水準が国家公務員より高いのなら、国がわざわざ外注して独法にやらせることはない。まさに天下り先の確保だけが、つまり独法の存続自体が自己目的化してしまっている。まさに本末転倒だ。JSTには文科省退職者だけでも職員として10名、役員として2名が在籍しているわけだが、こうした天下り先自体が本当に必要なのか、やはり抜本的な整理合理化に踏み込むべきだ。

随意契約の解消は高い落札率の入札で骨抜きに>
天下り文科省から独法だけではない。文科省から財団法人、独法から財団法人、独法からグループ企業という形で、まさにファミリーを形成して、必要性の乏しい発注がおこなわれたり、割高な買い物が行なわれているのではないかという疑念が拭い去れない。
その象徴が、防衛省の守屋前事務次官ですっかり有名になってしまった随意契約だ。
衆議院調査局のH19年4月の報告書を見ると、JSTのH17年度の総支出件数4941件の内4708件が随意契約。きわめてその比率が高い。財務内容の悪い法人なら当然割高な買い物をしない、調達コストを見直すことは基本のはずだ。

にもかかわらず、「財団法人科学技術広報財団」、「財団法人全日本地域研究交流会」、「社団法人新技術協会」。こういったJSTの天下り公益法人にやはり多額の随意契約が行なわれている。これらの財団法人、社団法人の事業収入に占めるJSTの発注額の占める割合は、JSTの
H18年度の財務諸表によれば83.3―84.0―94.1%にも達している。つまり、これらの公益法人独法「丸抱え」の天下り先法人となっているわけだ。

これについては行政減量・効率化有識者会議への説明でH21年4月より小額のものを除いて一般競争入札等とするとありますが、この「等」というところ、そして小額のものを除いてというところが抜け道になる可能性は否定できない。

また、これらの随意契約が、入札に形を変えても、高い落札率での受注を行なうことで、結果的に独法丸抱えの法人が生き残り続けるという懸念もある。
実際、財団法人科学技術広報財団が受注してきた「日本科学未来館」の運営業務等にH19年度から一般競争入札落札率99.98%で財団法人科学技術広報財団が落札している。

つまり、限りなく100%に近い落札率で結局同じ財団法人が落札したということだ。しかもこの入札は一回で終わらなかった。4回やってようやく予定価格をクリアする数字が出された。しかも入札に参加したのはこの財団法人だけだった。これは大いに問題ではないか。
こういう実例を見ると、随契を見直す、一般競争入札にしますといわれても、運用次第で結局同じところが限りなく100%に近い落札率で業務を受注し続けるのではないか。その疑念が拭い去れない。

<随契は財団法人だけではない>
問題は財団法人ばかりではない。衆議院調査局が実施した予備的調査によればJSTの支出先トップ10として日科情報?、?アイエスシーという法人がある。

日科情報の社長はST出身者。アイエスシーの社長もJST出身者である。

日科情報は以前にも斎藤和男さんというやはりJST出身者が社長、H8年以来13名ものJST出身者の天下りを受け入れている。
アイエスシーも同じくH8年以来7名ものJST出身者を受けいれてきた。両社ともJSTの支出先トップ10であり、その多くが随意契約、つまり多額の随意契約が行なわれている。

日科情報の斉藤元社長は、その後?ディックアルファの社長に就任している。
このディックアルファはトップ10ではないが、やはりさきほどの2社と同様、H8年度以来5名のJST出身者を受け入れ。H8年は科学技術振興事業団が出来た年。つまり統合によって人を減らさなければならないので企業へ天下りさせたということだ。

今の社長はすでに斎藤氏ではないが、斎藤氏から、宇津野氏、さらに現社長の西田氏と3代続けてJST出身者が社長を務めている会社である。そしてこのディックアルファとJSTも多額の随意契約が行なわれている。さきほどの斎藤氏はJSTから日科情報の社長を経て、さらにディックアルファの社長へとこれらの法人を渡り歩いたわけだ。

つまり文科省からJSTに流れた運営費交付金が、日科情報やディックアルファへの業務発注と言う形でOBの渡りに必要な給与や退職金になっていたということだ。

日科情報、アイエスシー、?ディックアルファ。帝国データを見ると、ディックアルファの主な取引先として他の2法人、つまりアイエスシー、日科情報の名前があがっている。日科情報とディックアルファはアイエスシーの株主でもある。3社はまさにファミリー企業。いずれも売上高の8-9割をJSTとの随意契約に依存している丸抱え天下り企業だ。

ところが行政減量・効率化有識者会議の説明資料には関連公益法人「等」との契約の削減とあるのみで、公益法人は実例で上げてあるものの、株式会社については直接的な言及がない。

関連公益法人等との契約の見直しは打ち出されているけれども、一方で支払先トップ10に入るような天下り先、丸抱えファミリー企業なのに、そことの契約の見直しは少なくとも積極的には打ち出されていない極めて不自然であり、改革に消極的な姿勢が垣間見える。

こういう体質を見るにつけ、やはり何らかの形でこういったOBを食わせるための天下り先への事業発注が今後も続いていくのではないか、そういった疑念が拭い去れない。

<まとめ>
税金、公金が元になった運営費交付金がH19年度で1034.6億円も流れている独法が50年にわたり不採算事業を続け、累積損失は750億にも達していながらその解消のめどは全くたっていない。

そんな先に多くのの中央省庁OBが役職員として再就職して、国家公務員の115%という高い給与水準を享受している。

国が予算の9割をつけてやってまで独法にやらせる意味があるのかということだ。

そしてそういった独法OBが役員として天下った財団法人やファミリー企業がいまだに丸抱えされ続けているわけだ。

現状の生ぬるい改革案では不十分だ。事業の廃止の検討など、改革の原点に立ち返り、大鉈をふるうべきである。