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道路特定財源

宮内串戸駅で朝立ち。その後国会へ。

(1)ガソリン税について
ついにリッター155円を突破してしまったガソリン。このうち53.8円はガソリン税。いわゆる道路特定財源と言われるもので、道路整備が最優先だった1954年に「道路整備緊急措置法」の名の下に緊急的施策として創設された。しかも内25.1円は1974年に、第一次石油ショックへの対応として「暫定」的に上乗せされたものだ。その後も道路が足りないから、整備が必要だからと、「緊急」が50年以上、「暫定」が30年以上にもわたって続いてきた。つまり私たちは本来よりも割高に設定されたガソリン税をこれまで30年以上にもわたって払わされ続けてきたわけだ。これが道路特定財源暫定税率と呼ばれるものだ。

この高い上乗せ税率。今年3月に期限を迎える予定だが、政府与党はこれをこの先10年間も「そのまんま」維持して道路建設に当て続けようということで合意した。

恒久的減税だったはずの定率減税があっさり全廃される一方で、暫定のはずの高いガソリン税は30年以上もそのまんま。不要不急の道路建設もそのまんま。抜本改革が族議員や官庁に骨抜きにされ、妥協と先送りを繰り返してきた旧来型の政治もそのまんま。こんなそのまんま現象は誰も望まない。

(2)ガソリンだけでなく、取得・保有にかかる税金も10年維持
さきほどご紹介したガソリン税のほかにも、自動車取得税や重量税など車の取得、保有、走行の各段階で掛けられている税金は、本来のおよそ2倍に引き上げられているが、この高い暫定税率を政府与党は08年度からなんと10年間もそのまんま継続しようとしている。

(3)財源は年5.6兆円。10年で56兆。これを使い切って59兆の道路。要るの?
道路特定財源は国と地方で現在年間5.6兆円。今後10年間、今の高い税率が維持されれば、かける10倍、つまり56兆円の財源となる。この全額を「ほぼ使い切」って、10年間に国と地方で59兆円(以内)もの道路整備を行おうというのが今回の政府与党合意だ。

しかし、真に必要な道路なら一般財源で建設しても国民の理解は得られるはずだし、それが未だに10年間で59兆円分も本当に存在するのだろうか、道路建設は使うことが目的なのではなく、作ること自体が目的化し、利権化していないだろうかというのが、多くの国民の思いではないだろうか?
道路特定財源の問題は、私たちが原則廃止を訴えているいわゆる特別会計についての象徴的な事例である。

(4)暫定税率は74年に出来たが、34年も延長され続けてきた。
さきほどもお話したとおり、ガソリン税は本来の税金約29円に加えて約25円も上乗せされ、リッターあたり約54円にもなっている。揮発油税地方道路税の上乗せが始ったのは74年4月。当初は第二次石油危機への対応として(需要を減らすための臨時異例の措置として)導入された。その後上乗せ額は徐々に引き上げられ、79年6月には今の25.1円にまで膨れ上がった。つまり暫定税率導入からこの3月で実に34年、上乗せ幅が25円に引き上げられたときから数えても28年以上経つのに、この間道路建設は格段に進んだのに、政府は「道路はまだまだ足りない」と言い続け、高い税率の延長を続けてきたわけだ。

(5)これが3月に期限。無駄な道路作る金があったら税金下げてくれでは?
さきほどもご紹介した通り、その上乗せ期限が3月末に到来する。折りからの原油高がさまざまな物価に跳ね返り家計を圧迫しているときでもある。無駄な道路に回すお金があったら、高いガソリン代を下げてくれ、高い暫定税率を引き下げてくれと言うのが多くの生活者の声ではないだろうか?
ガソリン税の引き下げは生活者の可処分所得を増やし、様々な物流コストの低減にもつながる。つまり減税で物価上昇を抑制し、GDPの5割強を占める個人消費を刺激し、景気を下支えする効果も期待できる。

(6)いったん廃止して真に必要な道路がどのくらいなのか考える良い機会
上乗せされた高い暫定税率をいったん廃止した上で、道路建設が本当にどのくらい必要なのか、10年間で59兆円分も必要なのか、もう一度冷静に検討しなおすべきときを迎えているのではないだろうか?

(7)地方の税収減について
暫定税率撤廃で地方は9000億円の減収になると言われるが、道路や空港や港湾や河川といった国直轄公共事業に係る地方の負担金1兆円を廃止することで、地方の税源は確保される。しかも道路整備にしか使えない特定財源ではなく、資金使途に制限の無い一般財源として交付されるため、道路に使っても良いし、それ以外にも使うことができる。地方から見た場合の使い勝手はむしろ拡大することにもなるわけだ。

(8)国の税収減について
つまり暫定税率撤廃による税収減2.6兆円は全額国の税収減となるわけだが、今ですら、道路特定財源のうち6000億円は余剰となっており、道路以外に充てられている。つまり2.7兆のうち0.6兆はいますぐにでも不要と言うことだ。また民主党は株式譲渡益課税の適正化により6000億円程度の国税増収を見込んでいる。残り1.4兆円と言うことであるが、そもそも2.6兆円の税源不足という数字は10年で59兆円という道路整備計画が正しいという前提から出発しているものである。
計画を精査することで不要不急のものを除外し、残る真に必要な道路計画についてもそのコストを徹底的に切り詰めることで、十分に対応可能であろうと思われる。

(9)地球温暖化対策
政府与党から地球温暖化対策として燃料消費を抑制するために高い税率を維持すべきだとの声が突如としてわきおこってきたようだが、そもそも現状のガソリン税は現状道路特定財源という道路建設のために課される税金であって、環境目的で課されているものではない。
「燃料消費は価格を引き上げても抑制されない」と政府与党は環境税導入にも後ろ向きだった。
道路整備のための受益者負担として課されている税金を法改正も無いまま環境目的に振り返ることは妥当ではない。温暖化対策と言うのであれば、我々が、残るガソリン税の本則部分についての方向性として主張しているとおり、燃料課税の根拠を環境に負荷をかけるからという理由に替える法改正を行なうべきだ。

(10)予算の出は衆議院の優越、しかし入はそうではない
予算の「出」のほう、つまり使い方は衆議院の優越が規定されているが、「入」、つまり集め方についての関連法案はそうではない。

(11)関連法案を国会に提出しどちらの考えが望ましいか議論を喚起する
税制関連法案を国会に提出し、今申し上げた道路特定財源暫定税率撤廃、つまり高い上乗せ税率の引き下げや、お金持ち優遇の批判の強いいわゆる証券優遇税制の見直し(上場株式等の譲渡益課税の適正化)など、私たちの考えを明確な形でお示しして、衆参どちらの第一党の考え方がより望ましいのか、国民的な議論を喚起してまいりたい。

(12)議会とはそもそも
議会はそもそも、王様に勝手に税金をかけられないように、勝手に増税されないように、課税に対する承認権を持つべきだという考え方が出発点になっている。政治は暮らしを守るためにあると言われるのもこのためだ。その原点を忘れず、私たちだったらこう変えるということもしっかり示しながらこの通常国会も全力でがんばってまいりたい。政治の力で、みんなの声で、税も変わる、変えられる。
そう実感していただけるような活動に全力を挙げる所存だ。