だから、ダイスケ - 松本大輔のホームページ

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私たちならこう使う

総理は高額所得者も定額給付を受け取って盛大に消費してほしいという方向に転向されたようです。

わずか一度きりの1万2千円、しかも高額所得者も含めて一律に配るというやりかたで効果は上がるのでしょうか。

2兆円ばらまいて効果はGDPの0.1%と言われていましたが、政府はこれを0.2%に水増しするという強弁を続けました。委員会の答弁では消費に回るのは8000億ぐらいではないかとの答弁も行われました。

対象を限定し、使える期間も限定し、おまけにクーポンの形だった地域振興券(7000億)ですら、景気浮揚に効果があったのは総額の3割程度だと言われています。対象も限定しない、おまけに現金となれば、貯蓄に回る可能性は地域振興券の比ではありません。景気浮揚に効果のある消費にまわる割合は地域振興券のときの3割を下回る可能性は極めて高いと言わざるをえません。

答弁では消費に回るのは8000億ということでしたが、これは定額給付がなかったとしてもどのみち購入したであろう商品代、どのみち消費したであろう金額を含んでいます。

景気浮揚に効果がある、新たな消費にまわる金額は、当初言われていたGDPの0.1%、5000億程度がやはり関の山ではないか、そう思っているのは私だけではないはずです。

つまり2兆円かけて効果は5000億。1.5兆円の損。こんなばかげた話はありません。

しかもこの給付業務を実行するための事務費用として800億ものお金も見込まれています。

2兆円もの無駄使い、ばらまきを完遂するために、そのための経費がさらに800億もかかる。こんな馬鹿げた話はありません。

それだけではありません。当然市町村の窓口は混雑する。この業務に忙殺されることになるわけです。

自治体としては追加の人件費がかかるかもしれない、他の仕事の手が薄くなる、つまり他の窓口の業務が滞るかもしれない、雇用の創出につながるような需要を喚起することもないまま、役所がこれに忙殺され、混乱する、その結果他の大事な仕事が滞るかもしれない、余計な人件費までかかってしまうかもしれない、振込手数料や通知するための郵送代など行政コストがかかってしまうかもしれない、雇用がこれだけ厳しい時にこんな税金の無駄遣いが許されてよいはずがありません。

現状では対象となっていない短期、非正規雇用のみなさんに失業給付を行ったり、住まいを手当するための法改正案を昨年末、我々は国会に提出しましたが、2兆円もあればたとえばこういったことに予算を振り向けられるはずです。

厚労省の調査によれば、今回の景気後退で、3月末までに8.5万人を超える非正規雇用の方々が職を失う見込みであるとも報じられております。

職を奪われることは、生計を立てる手段を奪うことであり、働きたいのに働けないという個人の尊厳を奪うことです。

そればかりではありません。失業はこうしたその人個人の問題にとどまりません。日本全体にとっても、失業者の増加は、社会保障や税の担い手の減少を通じて、社会基盤を揺るがすことにもなりかねません。犯罪の増加につながる可能性もゼロではないかもしれません。その意味からも雇用対策は喫緊の課題です。

職を探す人一人に対して、企業側からは何件の求人がありますかという有効求人倍率は今や0.8倍。11カ月連続で1を下回っています。2兆円もばらまく暇があったら、まともな雇用対策に充てるべきではないか、そう思わざるを得ません。

もちろん失業給付、住まいの手当てといった失業対策、つまり緊急の血止め、応急措置を行う一方で、根本的解決のためには新たな雇用を作り出していかなければなりません。そのためにもこの2兆円を有効に活用すべきです。

雇用創出につながる需要の喚起という観点から、大事なのは、国民の不安を解消することです。

雇用不安と並んで、消費を冷え込ませている大きな原因は、将来不安です。老後の安心、いざというときの安心が保障されていない、つまりは医療や年金、介護についての不安、こういった将来不安を解消しない限り、冷え込んだ消費を回復できない、雇用創出につながる需要を喚起できないと私たちは考えています。

その意味からも、命を守るはずの医療、介護といった社会保障費を毎年2200億円カットする、5年で1.1兆円もカットするという骨太の方針は即座に撤廃すべきです。

医療や介護の予算が削減されるときに備えて、自分で貯金しておかなければとなるから、こうした将来不安が消えないから消費が冷え込むのではないでしょうか。これでは景気は回復しないし、雇用も改善するはずがありません。

そもそも定額給付金という形で2兆円もばらまくなら、この2200億の削減でいえば9年もやらなくてすみます。骨太の方針は11年までの5年間のものですから、9年分の財源が確保されるのであれば、この方針は撤廃できるわけです。

医療や介護といった社会保障費の機械的削減は行わない、骨太の方針は撤廃する、こうした強いメッセージを送ることで、将来不安を解消し、消費刺激を通じた景気回復、雇用の回復をめざすべきではないでしょうか。

社会保障の分野は人手を必要とする分野です。医師、看護師、介護従事者など、深刻な人材不足が叫ばれている分野です。

つまりは2兆円のばらまきをやめ、骨太の方針を撤廃して、社会保障の分野にそのお金を振り向ければ、それ自体が新たな雇用の創出に直結する、有効な雇用対策になるということです。

たとえば今回私たちは2兆円のうちの7000億を介護に振り向け、3年間で10万人の雇用を作り出すことを提案しています。

「介護に従事する方」の年収は重労働の割に300万円程度です。食べていけない、将来が見えない、家族が養えない、体もいつまでももたないと年間で全体のおよそ2割が辞めているとも言われています。

このままでは介護も崩壊します。2兆円もの無駄金をばらまく余裕があるなら、こういう人たちの待遇改善につぎ込んで、父親や母親に安心して長生きしてもらえるようにしてはどうでしょうか。老後の安心を取り戻すことができれば、将来不安を払しょくすることができれば消費刺激にもつながります、介護の分野は深刻な人手不足に悩んでいる業界でもあります。ここにお金をつぎ込むことは新たな雇用の受け皿を作り出すことにもなる。つまりは有効な雇用対策にもなるわけです。2兆円の定額給付をやめ、たとえばその一部、7000億円程度をこうした介護の分野にお金を振り向けてはどうかというのが今回の私たちの提案です。

将来不安の解消につながるのはいったいどちらなのか、消費刺激につながるのはいったいどちらなのか、雇用創出につながるのはいったいどちらなのか、答えは明らかではないでしょうか。

あるいは2兆円の半分を学校の耐震化にあててはどうかという提案も今回合わせて行わせていただいています。

学校耐震化については昨年私も民主党側の議員立法の提案者として与党と修正協議を行い、その促進のための法律を成立させることができました。

災害時の避難場所に指定され、また最も保護を必要とする児童たちが1日の大半を過ごす学校施設の耐震化率は全国で6割程度に過ぎません。

とりわけ、倒壊の危険性が高く、早急に整備が必要な学校施設が約1万棟も存在することは子供の命にかかわる喫緊の課題であると言わざるをえません。

それらの耐震改修のための法改正が昨年行われたわけですが、肝心なのは予算の裏付けです。そこで今回の2兆円のばらまきをやめ、子供たちの命を守るための学校耐震化に振り向けてはどうかというのが私たちの提案です。

先ほど触れた倒壊の危険性が高く、早急に整備が必要な学校施設1万棟を改修するには国と自治体をあわせて総額1兆円の公費が必要であると言われています。

つまりは2兆円のばらまきをやめ、そのうち1兆をこの学校耐震化に振り向けてはどうかというのが私たちの提案というわけです。

とりわけ私たちの住む広島県の公立小中学校施設の耐震化率は5割すら割り込んでおり、全国平均を大きく下回っています。全国47都道府県のうち長崎、山口、茨城、徳島、北海道に次いでワースト6位。下から数えて6番目です。

地域の財政力格差や取り組み姿勢が、そこに生まれ育つ子供たちの安全の格差、命の格差につながらないように、今回の2兆円の半分をこうした学校耐震化に振り向けるべきだというのが我々の主張です。

ばらまきと耐震化と国民に喜ばれるのは一体どちらなのか、景気浮揚効果が高いのは一体どちらなのか、答えは明らかではないでしょうか。

本来予算とは政治の最も重要な仕事といっても過言ではないものであり、まさに政治の意思そのものであるはずです。

それを自分たちでは決めらないからとばかりに、2兆円もの予算を一様に個人にばらまく、丸投げするというのでは政治の自殺行為ではないでしょうか。

そもそも米百俵と言っていたのは自民党政権でした。一人当たりに換算するとわずかな米を食べてしまうより、人材育成にあてよう、つまり明確な政策目的のために使おう、これこそが未来に責任を持つ政治のあるべき姿ではないでしょうか。

景気が後退し、雇用がこれだけ悪化しているときに、貴重な税金、しかも将来の借金返済のための準備金を2兆円も取り崩して、景気回復にも、雇用回復にも、将来不安の払しょくにも、そのいずれにもつながらないことに浪費しようとしている、本当に困っている人の負担軽減や格差の解消にもつながらない、こんな政治はもういい加減、転換していかなければなりません。

2兆円ものばらまきに象徴されるように、こうした政権が続いていることこそ、最大の税金の無駄遣いであり、景気回復にとっての最大のあしかせです。

雇用の安定やくらしの安心実現のため、今年も全力でがんばってまいりたいと思います。ご指導ご鞭撻よろしくお願いします。