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存在の耐えられない軽さ

という映画があった。

先週今週の総理の答弁を聞いていてそのことを思い出した。

総理の言葉は「耐えられない軽さ」だ。

先週は郵政民営化には自分は反対だったと答弁をした。
濡れ衣を着せないでほしいという趣旨のこともおっしゃっておられた。
4分社化が良かったのかどうかと疑義も呈した。

しかし今日は一転、総務大臣就任時点では反対だったけど2年で考えが変わったと答弁を変えた。

そもそも郵政を所管する大臣でありながら、今になって、その当時実は自分は反対だった、4分社化が良かったのかどうかとはあまりにも無責任であると言わざるを得ない。

これでは政治家が何を言おうと、国民にどんな政策を提示しようが、どんな決断について理解を求めようが、「ほんとはお前だっていいと思ってないんだろ?そんなものを押し付けるなよ」と思われてしまいかねない。

定額給付金が不評を買っている理由の一つには、こういう形で政治への信頼を平気で損ない続けている現政権の体質が横たわっているように思えてならない。「定額給付?本音ではいかがなものかと思ってましたよ」と今の与党の人たちも何年かしたら言い出すんじゃなかろうかという具合だ。

「民営化には自分は反対だった」との総理答弁は、政治家の言葉に何ら信用がおけないのではないかという深刻な政治不信に一掃拍車をかけてしまったといわざるを得ない。

さらに言えば、濡れ衣を着せるなというようなことをおっしゃっていたが、総理は憲法66条をご存知なのだろうか?

内閣は行政権の行使について国会に対し連帯して責任を負うとある。

あれは竹中さんが担当だったとおっしゃっていたが、そもそも当時の総務大臣として麻生さんは民営化について連帯責任を負っている。
ましてや郵政を所管する総務大臣である。
しかも郵政民営化は今総理を総理たらしめている衆議院で7割も占める与党議席の根拠だ。
我々は民営化に反対をした。民営化の弊害は現在随所に現れているとおりだ。

そもそもビジネスモデルとして成り立ちうるのかと指摘し、「あすなろ村の惨劇ーそして誰もいなくなった」という紙芝居まで用意した。また財投改革・むだ遣い根絶と言う当初の郵政改革の目的を掲げるのであれば、規模を適正化するとともに、特会・特殊法人改革や天下り根絶といった出口の改革をあわせて行なわなければ意味がない、これでは民営化そのものが目的化していると指摘した。

当時の我々の指摘は今でも間違っていなかったと思う。見直しは急務であり、そのために3党協同で上場凍結法案も提出した。

しかし当時与党は賛成をした。それを選挙の最大の争点とすることで与党となり総理となっている張本人が実は反対だったなどと口にすることは賛成に投じた多くの有権者をも愚弄するものではないだろうか。

こうした問題点を指摘されたからであろうか。今日の予算委員会では一転、2年で考えが変わった。解散のときは民営化に賛成だったという趣旨のことをおっしゃっておられた。

それでは4分社化はいかがなものかとした先週の答弁は一体なんだったのか。いかがなものかと思っていながら賛成したのだろうか。
郵政を所管する総務大臣としてこれほど無責任な話はない。

しかも先週はサインしないといったら大騒ぎになったとまでおっしゃっていた。つまり解散時点でも民営化に疑義をもっていたということだ。それがわずか数日でいや解散時点ではすでに賛成に考えが変わっていたと答弁を変える。

これでは総理が何を言っても、もはや信じる人は現れまい。

街頭で人気を博していた麻生さんに期待されたのは軽妙洒脱ということだったのかもしれないが、これではただただ軽いだけだ。

私は政治の力を信じたいと思っている。

こういう時代だからこそ、助け合い、支えあい、励ましあって生きてきた「和」の国をもう一度立て直すべきだと思っている。そのために政治が出来ることは大きい、間違った法律を改め、あるいは必要な新法を制定し、その実現のための予算を税や保険料という形で集めることもできる。理想を現実のものにしていけるその力は極めて大きいと思っている。

現状では残念ながら医療や介護や子育て、障害者福祉などまさに助けあうべき分野にそのほころびが目立っている。

安心して経済活動に取り組んでもらうためにも、家族が安全に出産できるようにするためにも、両親に安心して長生きしてもらうためにも、子や孫が働きたいのに働けないといった形で尊厳を奪われ、社会的に死んでしまうことがないようにするためにも、社会保障の建て直しは急務だ。

そのためには財源が欠かせない。だからこそむだ遣いの再生産に消えるだけだと思われている現状を一刻も早く改めなければならない。
政府への不信、政治への不信を払拭していかねばならない。
払い甲斐のある税金、投じ甲斐のある一票。そう実感していただける政治を実現していかなければならない。

100年に一度の危機はアメリカ発の金融危機、信用不安が発端だ。

つまり富が失われた背景にあるのは、信が失われたことだ。

この国の信を取り戻さなければならない。それは心を取り戻し芯を取り戻すことだ。

そのためにも政治の信頼回復は急務だ。

私たち政治家一人ひとりに課せられた責任は極めて重い。