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ひろしまドッグぱーく:環境省から再ヒアリング


前回のヒアリング(10/5)での確認事項について、ようやく回答するとの連絡が環境省からあり、
議員会館環境省動物愛護管理室の担当官を呼んでヒアリングしました。
また、この前日に広島市が業者からの廃業届を受理し、しかも告発しない方針との報道があったことについても、併せてヒアリングを行いました。
主なやりとりは以下の通りです。(文責:松本大輔事務所)
※10/24追記:環境省からの申し出により、一部修正取消線:削除、太字:追加)

環境省広島市が管理者から提出されていた廃業届を受理したことについて事後報告を受けた。その内容は次の通り。
- 広島市は管理者のドッグプロダクションに対し、動物愛護法23条に基づき10/11付けで『適正に火葬する』よう改善勧告していたが、10/16に勧告どおり措置されたことを確認。この確認をもって10/11にドッグプロダクションから提出されていた廃業届を受理。
- 現地の約500頭の犬については、動物愛護団体アークエンジェルズがボランティアの方々の協力を得て、良好な環境の中で飼養、管理されている。
10/21、22の譲渡会に向け、広島市としても、犬の登録や狂犬病予防注射の接種、犬の飼い方などの相談コーナーを設ける等、できるだけ多くの犬たちが譲渡されるよう協力する。
- 再発防止については、詳細な原因調査と、広島市の対応状況を検証して改善事項を取りまとめ、今後の指針とする。また、今年6月に施行された改正法に基づき、現在広島市内に260ある動物取扱業者に対し、届出制から登録制への移行の際に立入検査を実施するなど、厳正に対応。
(註:上記は広島市の報道発表資料と同内容。)

松本:被害者救済、再発防止はわかったが、責任者の処罰が全くない。廃業届を受理しただけでは、極端な話、申請すればドッグプロダクションが再び動物取扱業をできてしまう。行政処分の可能性はなかったのか。
環境省届出制から登録制への移行期間のため、ドッグプロダクションは届出業者。よって法19条に基づく登録の取消はできないが、業務停止命令を出すことはできたと考えられる。根拠としては、土地の貸借期限が切れていたことから、規則3条1項にある事業所の土地について事業実施に必要な権原を有していないと解することができる。しかし廃業届を受理した現在となっては不可能。
松本:動物取扱業者が遵守すべき基準(法21条、規則8条、告示)に違反していることをもって処分はできなかったのか。
環境省法21条の基準遵守義務違反によって即処分はできない。手続としては、
 1.基準違反について改善勧告(法23条1項)
 2.勧告に応じない場合、改善命令(法23条3項)
 3.命令に違反した場合、業務停止処分(法19条1項5号)
となる。恣意的な運用を避けるために段階を踏む形になっている。
松本:もっと早い段階で勧告や命令を出していればよかったのではないか。
環境省そういう批判があることは承知している。
松本:先ほどの説明によると10/11付で「適正に火葬する」よう、法23条に基づき改善勧告したとのことだが、なぜ埋葬方法だけなのか。ほかにも基準違反はあったはずだが。
環境省埋葬方法以外の劣悪な環境は、勧告を出した10/11の時点でボランティアの手によって既に改善されてしまったため、勧告できなかったとのことである。

松本:新聞報道によると、広島市は告発しない方針とのことだが。
環境省それについては報告を受けていない。
松本:これでは今回の廃業届受理が、虐待業者と不作為行政に利する結果になっている。業者には行政処分の可能性がなくなり、行政にはこれ以上指導する法的根拠がなくなるということだ。
環境省法律としては、業として廃止することで不適正な状態も終わることを想定している。

松本:経営者であり、動物取扱業の届出もしている山陽工営の責任は問えないのか。
環境省ドッグぱーくの届出はドッグプロダクションによるもの。山陽工営も動物取扱業の届出はしていたが、山陽工営が所有する犬は今回とは別の60頭で、既に譲渡されており、問題はないと聞いている。
松本:動物取扱業の届出は犬の所有権とは関係ないはずだが。
環境省届出の有効範囲は動物を飼育する施設単位で決まる。
松本:では山陽工営の届出がドッグぱーくの施設に及んでいる場合、動物取扱業としての責任が問えるのではないか。
環境省届出書を見たわけではないが、広島市からはドッグぱーくの施設とは別だと聞いている。
松本:ドッグプロダクションと山陽工営の届出書の写しを(国政調査権に基づき)いただきたい。
環境省自治事務のため、国としても広島市に要求しにくい。広島市議会議員経由で入手して欲しいはどうか

松本:前回ヒアリングの際、ドッグプロダクションが鍵を開けなかったのなら、建物や敷地の所有権を持つ山陽工営に開けさせることができたはずだとの指摘について、確認した結果は。
環境省広島市に確認したが、そのような手段を思いつかなかったとのことである。
松本:広島市は深刻な状態の犬の発見が遅れた理由として、24条3項に基づく立入検査に鍵を壊すなどの強制力がないことを第一に挙げているが、環境省の見解は。また、立入検査忌避には47条2項に基づく刑事罰がある(=逮捕・起訴される可能性がある)ことをその際に伝えていたのか。
環境省環境省としては、強制権限がないことをもって発見が遅れた理由とすることは適当でないと考えている。それが第一の理由ではないと考えられるが、相手方の拒否に対して抵抗を排除してまでできるものではない。また、立入検査時に検査を拒否すると刑事罰の対象となることは伝えていなかったと聞いている。
松本:それはなぜか。
環境省よくわからないが、市の担当者が今回のような立入検査拒否の事案に慣れていなかったことも考えられる。

松本:環境省として、広島市に助言や指導、勧告をするつもりはないのか。
環境省前回も説明したように自治事務であることから指導や勧告は法的に不可能。技術的助言しかできない。しかし、告発しないという判断や経緯については広島市に説明を求めていく。
松本:今回のようなことが2度と繰り返されないよう、環境省としてドッグぱーくの事例を他の自治体にも紹介し、再発防止に役立てることはできるはずだ。
環境省それはやっていきたいと考えている。

松本:今回のような事案を防ぐためには、動物愛護法についてはどのような改正があり得るのか。
環境省業者として規制されており、廃業してしまえば責任が問えないという仕組みを改めるとすれば、使用飼養者規制(飼い主規制)しかない。あるいは、虐待の定義を定めた上で、虐待の恐れがある場合に警察権を行使する際の要件緩和などが考えられる。
松本:県や市が明らかな怠慢や不作為をした場合に、国がそれを是正できるような仕組みが必要ではないか。

松本:法44条2項(旧法27条2項)の虐待については、「著しく不衛生な場所で飼育し、給餌または給水を十分与えず愛護動物を不健康な状態に陥らせるといった行為」が虐待に該当するとの判例もある(平成14年(ろ)第4号、平成15年3月13日伊那簡易裁判所)。今回のドッグぱーくの事案はこの判例に照らせば法44条2項の虐待に該当すると考えられるが、環境省の見解は。
環境省個別の事案についてはお答えできないが、一般論としては著しく不衛生な場所で飼育し、給餌または給水を十分与えず愛護動物を不健康な状態に陥らせることは虐待に相当するものと考える不必要に苦痛を与えるなどの残酷な取扱いをいい、具体的には目的、手段、態様等及び苦痛の程度等を総合して判断するものと考えている

以上
参照条文
動物の愛護及び管理に関する法律 (昭和48年10月1日、法律第105号)
※以下の条文中、「都道府県知事」は「指定都市の長」への読み替え規定あり(法10条)。
(登録の取消し等)
第19条 都道府県知事は、動物取扱業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は6月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 二 その者が行う業務の内容及び実施の方法が第12条第1項に規定する動物の健康及び安全の保持その他動物の適正な取扱いを確保するため必要なものとして環境省令で定める基準に適合しなくなつたとき。
 五 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこの法律に基づく処分に違反したとき。
(基準遵守義務)
第21条 動物取扱業者は、動物の健康及び安全を保持するとともに、生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため、その取り扱う動物の管理の方法等に関し環境省令で定める基準を遵守しなければならない。
(勧告及び命令)
第23条 都道府県知事は、動物取扱業者が第21条第1項又は第2項の基準を遵守していないと認めるときは、その者に対し、期限を定めて、その取り扱う動物の管理の方法等を改善すべきことを勧告することができる。
3 都道府県知事は、前2項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
第44条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行つた者は、50万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、50万円以下の罰金に処する。
4 前3項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
 一 牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
 二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの

動物の愛護及び管理に関する法律施行規則 (平成18年1月20日、環境省令第1号)
(登録の基準)
第3条 法第12条第1項の動物の健康及び安全の保持その他動物の適正な取扱いを確保するため必要なものとして環境省令で定める基準は、次に掲げるものとする。
 一 事業所及び飼養施設の建物並びにこれらに係る土地について、事業の実施に必要な権原を有していること。
(遵守基準)
第8条 法第21条第1項の環境省令で定める基準は、次に掲げるものとする。
 八 前各号に掲げるもののほか、動物の管理の方法等に関し環境大臣が定める細目を遵守すること。

動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目 (平成18年1月20日、環境省告示第20号)
(リンク先を参照)