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経済団体、労働団体との意見交換会

経済団体、労働団体との意見交換会

私からは、経済団体の皆様からご質問いただいた円高対策、社会保障の重点化・効率化、企業側の社会保険料負担について説明

円高対策については、和田県連代表の説明の補足として3次補正でFB枠を15兆、4次補正でさらに30兆拡大したことを説明 

社会保障の重点化、効率化の取り組みについては、子や孫の世代の年金を確保するため、年金特例水準の段階的解消をこの国会で実現しようとしていることをお話しした

企業側の社会保険料負担の問題については、昨日発表された年金の試算を例に説明

昨日発表された試算では民主党の最低保障年金を実現するとさらに7.1%の消費税が必要だと報じられているが、これには少なくとも3点の補足が必要

まず第一に現行の年金制度を維持した場合でも2.4%の消費増税が必要になるということ。
すなわち、これを差し引いたネットの消費税率は4.7%ということである

次に、厚生年金の保険料率は、現行制度を維持した場合、5年後に18.3%となるが、今回の試算は、これを15%に引き下げた場合のシミュレーションであるということ。

つまり現行制度を維持した場合に比べて消費税率をネットで4.7%上げる代わりに、厚生年金の保険料率は18.3%から15%へと3.3%引き下げるというのが今回の試算。

保険料の半分は企業側の負担であることからすれば、今回の試算は「保険料率が18.3%という現行案」よりも企業の負担の緩和、雇用への悪影響の回避、手取りそのものは増えるという効果もあるということ

第三に、これはその場では申し上げなかったが、この試算はあくまでも2075年時点でどのくらい差が生じるかというシミュレーションである。

つまり、そもそも2015年時点で追加の財源が必要になるわけではなく、その意味で今回の社会保障と税の一体改革の議論と整理して考える必要がある。

一方で、未納が4割を超える中で現行制度がこの先63年間維持された場合は、当然無年金者、低年金者の激増の可能性が否定できない。

そうなってくると、現行制度を維持して生活保護を膨らませるか、最低保障年金を導入してその分を年金で吸収するかという選択でもある。

つまり、「厚生年金の保険料率18.3% 年金未納が4割を超える中で現行制度を維持し激増しかねない生活保護

か、それとも

「63年後には消費税率を4.7%上げるけど、その代り厚生年金の保険料率を15%まで3.3%引き下げるし、最低保障年金の導入で無年金・低年金からくる生活保護費膨張を回避する」

のと、どちらがよいかという選択でもある。

生活保護の膨張がどのくらいの規模になるかによっては、どちらの案のほうが負担が高いか、一概には言えなくなる。

さらに、最低保障年金を満額支給する世帯をどこまでの所得の世帯にするかによってもこの消費税率は変わる。

満額支給は所得ゼロに限り、あとは690万円まで一直線で税投入を漸減させるケースでは4.9%という試算も出ており、こうなれば、現行制度維持による消費税率2.4%との差は2.5%にまで縮小される。

こうなれば、厚生年金の保険料率が3.3%引き下がる民主党案のほうがむしろ負担が軽いんじゃないかという見方も出てくるかもしれない。

最低保障年金を導入すると消費税率が7.1%増えるということだけが報じられがちのような気がするが、実はこうして丁寧に見てくると、反応はまた異なってくるのではないかと思われる。

しかも結局試算が公表されても野党が事前協議に応じる気配はないようでもあり、ただ7%増税だけが躍ったのだとすればきわめて遺憾だ。せめて今回の試算公表を機に、どの案にどういうメリットデメリットがあるか冷静な政策論が進展することを期待したいし、私自身これからも色んな場でこの社会保障と税についての丁寧な説明を尽くしていきたい。