だから、ダイスケ - 松本大輔のホームページ

元衆議院議員 松本大輔のホームページ

今更ながらかもしれませんが

ある人と話をしていて、一体改革反対と容認の立場のすれ違いの根本にあるのは

「消費税5%分の引き上げ、つまり 12~13兆の増税を行うんだから、サービスもそのまま丸々12~13兆増えなきゃおかしい、どこに消えるんだ、どこに使うんだ、詳細が明示されてないじゃないか」と考えるのか、

それとも、「本当はそうしたいけど、今ですら税収40兆で歳出90兆なんだから、この先もっと高齢化が進み、社会保障を中心に歳出がもっともっと膨らんで、このままでは赤字の幅がもっともっと膨みかねないことを考えると、増税で増えた税収分をそっくりそのまんま満額新たなことに使いきってしまうわけにはいかない。もちろん一部(具体的には消費税1%分程度)は、年金や医療や介護や子育て支援の充実に振り向けさせてもらうけど、残りの4%分は今の年金医療介護の水準を守っていくために使う」

と考えるのかどうかという、ある意味議論の出発点ともいうべきところの違いが結構大きいのかなあという気がしてきました。3党合意の細かい説明の前に、もう少しこの議論の出発点の説明を尽くしていく必要があるのかもしれません。

もちろん、後者の立場で整理をしたのが今回の一体改革です。

引き上げ分5%のうちの4%を今の水準を守るために使うわけですから、一見すると今よりサービスが劇的に良くなるわけでも新たなサービスがどっと増えるわけでもありません。

だから消費税4%については何に使われるのか分かりにくいということになるかも知れません。

しかしこれはれっきとした年金医療介護の予算であり、これまで借金で賄われてきたサービスの一部をきちんと財源を確保したうえで安定的に維持していこうというものです。

従って消費税1%は社会保障の充実(新たなサービス)に、残り消費税4%は既存の社会保障サービスの維持安定化に充てるという説明がされています。

後者については、これまで借金で賄われてきた歳出がきちんとした財源を確保した上で実施されることになるわけですから、子や孫など将来世代への負担のつけ回しをそれだけ減らす効果があります。

自分たち世代へのメリットの還元という視点ばかりにとらわれると、充実分の消費税1%分しか気づかないかもしれませんが、お子さんやお孫さんまで三世代で考えれば、あるいは私のような現役世代であれば自分、親、子の3世代で考えれば、払った消費税は必ずこの三世代の誰かのためになるし、日本全体で考えれば、いずれその全額が現在と将来の国民の誰かしらに還元されることになるわけです。

私が払う消費税は私のための新たなサービスに全額振り向けられるべきと考えれば、メリットが少ない、使い道が目に見えないから反対となるのかもしれませんし、

今ですら借金頼みで予算を組んでるんだから、収入(歳入、税収)が増えたからといって、そっくりそのまんま使ってしまうわけにはいかない。多額の借金だのみを続けていると、そのうち首が回らなくなってギリシャのようにある日突然年金2割カットということにもなりかねず、やはり年金医療介護の未来を確かなものにするためにも安定財源の確保は必須ではないか。しかも借金は自分名義ならまだしも子や孫の名義でやってるんだから、少しでも彼らの負担を和らげるために、今の私たちへのサービスの充実は消費税1%分で我慢して、残り4%分は借金で首がまわらなくなるのを防ぐために、少しでも借金を少なくするために充てていこう。


と考えれば、一体改革やむなしとなるのかもしれません。


なお、充実に充てる1%分は、保育サービスを増やして待機児童を解消したり、学童保育を小4以上にも拡大したり、非正規の人などを対象に厚生年金を適用したり、年金受給資格期間を短縮(25年→10年)して無年金の人を一部救済したり、所得の低い年金受給者に福祉的給付を加算したり、所得の低い人の医療や介護の保険料軽減策を強化したり、同じく所得の低い人の医療介護の自己負担を引き下げたり、生活費にかかる消費税の一部を所得の低い方に限定して還したりするのに使います。(つまり充実分は低所得者対策と子育て支援策が中心。)

これが消費税1%分なので、引き上げ幅5%との差額、つまり残り4%分はどこに消えるんだ、わかりにくいという声もあるのかもしれませんが、そもそも新たなサービスに満額充てられるような財政状況ではないため、そこを理解していただけるかどうかが大きいのかなという気がしてきました。今更ながらかもしれませんが。。

3党合意の内容もさることながら、このあたりのそもそも論のところを今一度説明を尽くしていく必要があるのかもしれません。